キャブスのプレーオフ進出は現実的なのか

ファイナルまで進んだチームから抜けたのはキングのみ。それでもプレーオフにすら進めないのだろうか?

 

純粋に戦力だけを考えた時に、ジョージ・ヒルとケビン・ラブがいるチームにカイル・コーバーやトリスタン・トンプソンといった使い所が明確なロールプレイヤーがいて、そこに有望なルーキーも加わったのだからプレーオフは現実的な目標であるはず。

しかし、どうしても「はず」と言いたくなるのはレブロンがいなければ何も出来なくなってしまったチームオフェンスと、リーグ29位のディフェンス力にあります。後者はどうしようもないので前者について触れましょう。

 

◉ケビン・ラブは復活するのか?

 

15-16シーズンに首位を走っていたキャブスはHCデビット・ブラッドを解任し、ティロン・ルーをHCに昇格させました。それは優勝へと繋がったわけですが、当時のハイライトを観るとオフボールでのスクリーンと全体が連動したパスワークがありました。

しかし、昨シーズンはレブロン頼みが進み、ウェイドやローズを融合させることも出来ずに終わったのです。このあたりの劣化していくチーム力については度々触れているので割愛します。

 

問題となるのはケビン・ラブの存在です。本来は非常に優秀なオールラウンドプレイヤーであったはずが、単なるシューターと化したビッグマンは、高いシュート能力と低い運動能力で頼りになるのかならないのかよくわかりません。

デビッド・ブラッド時代のようにプレーに多様な形で関与するのであれば、キャブスのオフェンスは上手く行く可能性がありますが、個人頼みのオフェンスになるのであればケビン・ラブの復活は訪れないでしょう。

キャブズの大黒柱となるケビン・ラブ、かつての多彩なオフェンス力は蘇るのか

 

キャブスがプレーオフに行くための最低条件はケビン・ラブの復活です。その可能性は40%くらいかなー。ただし、コーバーとのコンビは現在でもよく機能しています。互いにシュートが上手いためオフボールでスクリーンを掛け合うだけでプレーが成立しています。

そこにジョージ・ヒルや期待のコリン・セクストンが的確なパスを供給してくれるでしょうから、「レブロンがいなくなってケビン・ラブは輝きを失う」というケースはあまり想像していません。それなりの活躍はするはずですが、かつてのように25点を超えるかと言われると非現実的という感じ。

 

◉コーバーとトリスタン&ナンスjr

シューターとして非常に優秀なコーバーは、昨シーズン前半に何度も逆転劇を生み出しました。それはコーバー仕様のオフェンスになっており、オフェンスセットを組み立てるのが上手いキャブスのコーチ陣との相性は良いと思っています。レブロンに頼れないからこそ、しっかりとセットする形が増えることが期待されるわけです。

 

また、シーズン中は酷いプレーをしていたトリスタン・トンプソンですがプレーオフでは地に足をつけたプレーをみせて、機動力のあるビッグマンの役割を果たしました。機動力あるビッグマンと言えばナンスjrも自分の役割に徹するロールプレイヤーです。

インサイドの機動力の面では対応出来るだけの選手を揃えています。レブロンがいなくなったとはいえ、広くスペーシングされてタイミングの良いカットプレーを続けることが出来れば、コーバーやラブのシュートも活きてきます。

 

ただし、「タイミングの良いカットプレー」には疑問符がつきます。ほぼレブロンのドライブへの合わせだったじゃないかと。こちらも16年だとレブロン関係なく合わせているのですが、昨シーズンだとアシストしているのはレブロンばかり。

まぁロールプレイヤーはそれなりにしっかりしているけど、どこまで機能させることが出来るかは、やっぱり良く分からないと言うことです。

 

◉クセが強いスコアラー達

 

コーバーを除いたスコアラー達はクセの強いメンバーが揃います。

JRスミス

ジョーダン・クラークソン

ロドニー・フッド

 

いずれもハイライトだけみれば優秀そうな選手だけど、試合を通して観るとそうでもないプレーをするのです。つまりは安定感に欠ける選手達。シュートが決まり出すと難しくても何でも決めてしまうけど、決まらないときはお荷物になってしまうタイプを揃えに揃えました。ここにGMのお眼鏡が特殊であることが集約されている気がします。

 

時にチームを勝利に導く大活躍をし、半分以上の試合で効果的なプレーをしてくれないわけですが、集めたからには何らかの勝算があると捉えることも出来ます。そしてシーズンを通して観れば彼らの活躍というか爆発でいくつかの勝利がもたらされることも計算に含まれます。

ギャンブル感の強い選手達をどう扱っていくのか。幸いにしてチームの大黒柱ではないので、使い方はいろいろあるはずです。ちなみにフッドは他の2人ほど不安定ではないので。

 

 

◉期待の若手達

 

そんなロドニー・フッドとラリー・ナンスjrも含めて、意外と若さがちょうど良いロスターになりました。

セクストン 19歳

ジジッチ 21歳

オスマン 23歳

デッカー 24歳

フッド 25歳

ヌワバ 25歳

ナンス 25歳

 

セクストンを除けば、スター候補ではないけどゼロから育てなければいけない選手もいません。デッカーやヌワバを連れてきたことでチームバランスが大きく改善されています。チームの中で適切な役割を与えることで、成長もしてくれそうな選手達は悪くない面々です。

早い展開で得点を取りに行くことを目指しそうなチームなので、そこそこの爆発力は秘めていそうです。

 

ペイサーズやクリッパーズがエースがいなくなって成功したように、こうやって層を厚くして日替わりヒーローを望むことはシーズンを戦う上では悪くない選択肢です。その次のステップは今はまだ考える必要はありません。

コアになるジョージ・ヒルとケビン・ラブがいて、走れる若手の層を厚くしたキャブスがどんなオフェンスを展開してくるのか。

 

そんなわけでメンバー構成だけならば、プレーオフは現実的な目標だったりします。ただ、それにはHCが巧みに試合を操らないといけません。

 

攻撃力 ☆☆☆

たまに爆発しそう

守備力 ☆

だってリーグ29位だったんですよ。レブロン失ってプラス材料はなにがあった?

 

勝利の美酒度 ☆☆

勝っていたチームが確実に勝率を落とすのだから酒がマズい。

先行投資度 ☆☆

先行投資ってこともないよね。次の段階のチームにはまだ移行していない。

 

スター選手度 ☆☆

まぁケビン・ラブは頻繁にオールスターに出ているし。

若手有望度 ☆☆☆

セクストンは期待したい。ほかにはチラホラ。

 

戦術期待度 ☆☆

セットオフェンスは良く出来ているよ。

チーム成熟度 ☆

レブロン頼みのチームからレブロンいなくなったのだから。

 

スーパープレー度 ☆☆

たまにナンスのスーパーダンクとクセの強いスコアラー達の大当たりが楽しめるかもね。

+アルファ度 ☆☆

キングがいなくなると何が変わるのか、ネガティブな見方ではあるけど興味がある。

 

 

◉プレーオフに行けるのか?

 

ここにきてバトラーの話もあるので流動的ですが、ライバルとなるのはピストンズ、ブルズ、ネッツ、ホーネッツと右を見ても左を見ても信用できないチームばかり。それに比べればキャブスには経験もあれば核となる選手も揃っています。不安要素は多くあるけど、ラブをはじめとした選手達が自分の仕事をしっかりとこなし、時にスコアラー達が爆発し、そして若手達も成長していけばプレーオフは現実的です。

勝負強さを発揮しそうな匂いはしませんが、レブロンがいないことに慣れてくれば、チームの戦い方も整備されてくるはず。トラップ気味に仕掛けるのも好きだし、それなりに何とかしてくるでしょう。バトラーが加入したらレブロンと明確な比較されちゃうね。

 

そんなわけでキャブスを8番目のスポットに予想するのは変な話ではありません。ただ、もう同じ8チームが揃うイーストの状況は飽きてきたので、他のチームが驚きの躍進を遂げて欲しいという単なる希望ベースの予想があるのでした。他の7チームが落ちるとは思えないだけにね。

シーズン前半で低調に陥ったら、タンクに切り替えた方が良い気もします。正確に言えば若手達に切り替えた方が良いでしょう。その決断を下す必要がある状況まで陥るとは思えないですが。

 

キャブスのプレーオフ進出は現実的なのか” への13件のフィードバック

  1. 守備面のプラス要素は多少若くなったことくらいでしょうか
    肝心のコアがおっさんばっかなんですけど、
    もう優勝狙いじゃなくなったので若手をガンガン試せますし

    それでもベテランを無意味に重用しそうなルー

    1. あとラブは頑張って復活してほしいですね
      ビッグ3の3番手はいろいろ叩かれて大変でしたが、
      本来は多才で創造性があって見てて楽しい選手だったので生き生きしてるところを見たいです

    2. ヌワバも加入して動けるメンバーになった事はムダな失点を減らしてくれるでしょうし、オフェンスリバウンドへの参加が増えてきそうです。

      でも確かにベテランを重用しそうな。売りたくても売れないベテランが多いですしね。

  2. レブロン好きでしたが、Cavsの試合をずっと見てきたせいか今年もCavsを見るのは楽しみです。レブロンがいて表に出てこれなかった選手がどうなるのかは楽しみですね。レブロンがいて勝てていたチームでもあるわけですし、そう思うと、勝利の美酒度と先行投資度は高い気もしてきませんか?

    1. 勝利の美酒度は勝利数が多いかだけでなく、勝った時の喜び度合いも考慮します。レブロンいない中で勝利するとお酒が美味しくなりそうなので。

      先行投資は高いかもしれません。でも、キャブスの試合を観る人が少なくなるだろうという事もあるので。

  3. 2番ポジションがメンツ豪華そうで一番難しいってのがかなりわかります。w
    内回りはなかなかしっかりしてるメンツが以外にいますね。
    ジジッチに今年はローテーション入ってほしいです。
    2番ポジションは1人くらい誰かトレードするのかなーと。

    1. もともとウイングの人材を欠いていたチームで、レブロンがいる関係でシュートを打つタイプを求めました。
      レブロンがいなくなると途端にプレーメイカー不足なので2番がダボついているのはそんな理由かと。

      ジジッチは良い選手だと思いますが、やっぱり突破からパスを出してくれるレブロンが欲しくもなります。

  4. プレイオフ当落線上で争うよりも思い切ってオフの内に再建に踏み出した方が良かったんじゃないかと思います。
    ラブとの契約延長は功労賞のようなものですけど、負けるに負けられず将来のビジョンがまったく見えません。
    JR、トリスタンの契約も邪魔で身動きが取れませんし、レブロンがFAがになるタイミングが分かっていながら、何故それより長く続く重い契約をいくつも抱えてしまうんでしょう。
    レブロンがヒートに移籍する前から続く体質なのでマネジメントが下手くそなチームだと割り切るしかないのですが。

    1. ラブの契約はやり過ぎたと思いますが、ローカルチームなので情に熱いのも重要なのかもしれません。

      JRとトリスタンはレブロンのエージェントが絡んでいるので、むしろレブロンの移籍対策だった面があり見事に大失敗しました。そもそも活躍に見合わないサラリーではありますが、全てはレブロンが移籍しなければ問題にならなかったので難しい所です。

  5. 既にやっていたら申し訳ないですが、カズンズの入ったウォリアーズを考察してほしいです。ジェレブコやタイラーユリスなどの選手に対する意見も聞いてみたいです!

  6. 管理人さんはじめまして。仕事の合間や休み時間、時間のある時は過去記事から読んで何度も見返して毎日更新を楽しみにしております。
    開幕を前に各チームの補強をまとめた記事や管理人さんから見たパワーランキングのような記事が更新される事はありますでしょうか?

    1. チームをまとめる記事は少しずつ書きます。
      パワーランキングは昨シーズン中に作成しようと思っていましたが、なかなか難しいなーと。
      順位とは関係なく、自分が感じた強さで並び替えてもよいと思っていましたが、逐一説明するのもめんどくさくて。

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