イラン戦をプレビューしておこう

渡邊雄太と八村塁の揃い踏みで、かつてない強さをみせた日本代表。次戦が最後の揃い踏みなので、ちょっとだけプレビュー

 

イランについてはよく知りません。強いらしいが、本当に知らないから何とも言えない。FIBAのハイライトだけ貼っておきます。

 

なお、プレビューというけど「こうすれば勝てる」なんていうものではなく、管理人が個人的に注目しているポイントを予め紹介しておこうというだけです。結果がどうなるかは、その日の運次第だけど、以下の項目が上手く回れば勝てるのは当然として、準備期間が短い中でラマスが何を考えているのかを探りたいわけです。インタビューに参加することを目指しても良いのかもな。

 

①八村の個人アタックとピック&ロール

カザフスタン戦で謎すぎたのはチームとして「八村に個人アタックさせるオフェンス」を目指していたことです。管理人はこれを外国人頼みのBリーグの悪癖だと捉えていますが、今時ポストアタックを「目指す」というのが気にくわないのです。

最終的にそこに打開を求めることは否定しませんが、はじめからポストアタックって何なんだ?と思うし、実際に読まれまくっていたし。

 

一方で八村をスクリナーとして使うピック&ロールの回数が少なすぎました。破壊力ある八村ですが、プレーメイクが上手いわけではないので、逆サイドの渡邊がフリーでもパスが出ない場面が多くありました。ならば、他のプレーメイクを混ぜて八村にフィニッシュを任せるプレーチョイスをすべきです。

単純なポストアタックが高確率で決まるなら、それでも良いですがウインドウ5に繋がらないだけでなく、イランが本当に強いなら多分、そこそこ止めてきます。

そんなわけで「八村に何をさせるのか」がラマスの修正の1番重要なポイントです。

 

 

②渡邊雄太はどんな選手か

1Qに壊滅的だった日本のオフェンスを救った渡邊ですが、その後のプレーは意味はあったけど自分の得点には繋がりませんでした。本人曰く「最悪の出来」という言葉にはプレーチョイスを間違えた意味も含まれると推測しています。

ウイングで広く構える渡邊は1on1もしますが、それはある意味最終手段であり、オフボールの時点で優位に立つことが重要です。いわゆるバスケIQの高さを証明しなければ行けません。

つまり本来の渡邊のプレーは、どれだけチームオフェンスに貢献するかにあり、自分が徹底マークされるのであればコーナーで待ってスペーシングのみに徹することすらあります。しかし、代表ではもっと得点しなければいけない意識に駆られています。

 

また日本代表自体がウイングを活用するのが下手であり、というかウイングがいないのでした。

アルバルクトリオで馬場が目立つように本当はパッシングをして欲しい渡邊ですが、アメリカほど遠い位置のフリーにボールが出てきません。チームオフェンスとして自分を使って貰うだけでなく、ポジションの微調整も必要になります。

サマーリーグではスクリナーとして崩しに参加し、そこからコーナーに開いて3Pという形が多かったようにハンドラーとしてプレーメイクするタイプではありません。それを代表だからよりハンドラーにするのか、それこそ八村とのピック&ロールを使わせるくらいボールを持たせていくのかどうか。ラマスの判断が問われます。

 

ちなみにペイサーズの脇役ウイングであるボグダノビッチはクロアチア代表では主役ハンドラーになります。渡邊もそれくらいやるのが本人の成長には繋がりそうです。

 

③比江島の役割は何か?

カザフスタン戦で消えていた比江島。消えていた理由は簡単で、上記の2人に個人アタックさせていたので比江島の意味が皆無だったからです。そこで「もっと積極的に」といった記事もありますが、ボールは1つしかないので、それが本当に意味があるのか微妙です。

前述の通り、八村の個人アタックを目的にしないで比江島あたりとのピック&ロールはもっと使うべきですが、「八村の個人アタックとどっちが効率的なの?」という判断はラマスの選択を考えれば明らかです。ちなみに八村自身がスクリナーとして優秀なわけではない事も関係します。

積極性を欠いて不発に終わった比江島慎、イラン戦での雪辱へ「考え方を変える」

 

八村と渡邊をスクリナーとしてもっと活用するのか?

八村と渡邊をフリーにするために他の選手を活用するのか?

極端に言えば、前者なら比江島で後者なら辻や張本を起用すべきです。「比江島じゃなくて辻か張本」なんてウインドウ3までなら考えられない選択肢なので、やっぱりNBAプレイヤーの存在感は凄いね。

 

シューターの辻ならば渡邊とスクリーンを掛け合うのも効果的なら、よりディフェンスを引きつけてインサイドにスペースを作れます。

高さとフィジカルのある張本なら渡邊をSGにしたサイズのあるラインナップを構成出来、スクリーンやリバウンドなどの地味な仕事を引き受け、八村と渡邊の仕事をわかりやすくしてくれます。

 

まぁ頑なに富樫を起用しているようにラマスが比江島を外すことはないでしょうが、カザフスタン戦でプレータイムが短くなったように渡邊と八村がいる以上は、役割は考え直すべきです。準備期間が短い中で何が出来るかはわかりませんが、最も修正しやすいのがSGを誰にして、どんな役割をあてがうかという起用法です。

個人的には張本→辻→比江島の順番で推します。世間一般とは違うだろうね。

でも、比江島がベンチから渡邊と八村の役割を引き継いだ方が上手く行く気がするのでした。田中大貴と比江島という数年前の夢のコンビというのも捨てがたいけどな。

 

◉ピックに対する守り方は浸透しているのか?

 

最大の疑問点はディフェンスにあります。渡邊がカザフスタンの13番にきりきり舞いにされましたが、アイラ・ブラウンがコートに立つとスムーズなスイッチにより守ることが出来るようになりました。全般的にチームとしてピック&ロールをどうするのか、約束事がきまっていないような。

おそらくこれもBリーグの弊害があるのだろうと予想していますが、そこまでBリーグみていないからな。外国人ビッグマンが日本人ガードをマークすることは構わないけど、その逆のマッチアップを嫌がりすぎるのだろうと思っています。実際には守り方を共有できていれば、ディフェンス3秒もないわけだし、そんなに問題は発生しないのですが・・・。

カザフスタン戦勝利の余韻に浸る間もなく、バスケ日本代表が前日練習を実施

 

ラマスによればイランは長く同じメンバーでプレーしており、合わせのタイミングなども共有化できているとのこと。ならば尚更、カザフスタン戦で露呈したチームディフェンスの穴をどうするのか考えてくるはずです。

今のところはインサイドを優先して守り、外から打たれるのを諦めている雰囲気ですが、ひょっとするとそれで計算はあっているのかもしれません。NBA見過ぎの管理人的には許せませんが、そこは国際ルールとアジアのレベルを考えた時に正しい選択肢なのかもしれません。

ちなみにイランのインサイドは大活躍したみたいなので、やっぱりゴール下から塞いでいくのかもね。

 

そんなわけで急遽思い立ってプレビューを書いてみましたが、渡邊と八村の揃い踏みという貴重な機会であり、この2人の存在感が際立っている面白さと、チームとしてはちょっと課題が多かった点を踏まえてイラン戦を観戦したいのでした。

チームは足し算みたいに上手くは行かず、比江島の役割をどうするのか、その先の渡邊はどこにポジションを取るべきなのか、八村の個人アタックを目的にすべきなのかまで繋がっていきます。

 

管理人はウインドウ2までの内容でもラマスを高く評価していましたが、実はカザフスタン戦の内容は結果とは違い、何をすべきなのかで迷いがあって個人頼みになったので評価を落としてしまいました。準備期間が短いとはいえ、代表監督として何を選択するのかはイラン戦の注目なのでした。

 

 

イラン戦をプレビューしておこう” への4件のフィードバック

  1. いつも面白い記事をありがとうございます。この記事を読んだら、主さんが日本代表のHCとして指揮をとるのを見てみたくなってきました。

    1. 現場の指揮をとるHCは向いていないです。
      戦術アソシエイト担当やGMで中長期のクラブ方針を決める仕事の方が合っています。

  2. イラン戦楽しみです…!
    田中と比江島の対談動画面白いですよね自分も好きです

    管理人さんのプレビューも意識しながら観戦したいと思います

    1. 田中と比江島の対決は大学時代から観ているので大好きです。今の2人の立場はちょっと意外でもありますが。

whynot へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA