20171118 ウィザーズ vs ヒート

ウィザーズvsヒートは2連戦です。2日前はウィザーズが前半にリードを得て、3Qに追いつかれ、4Qにディフェンスで勝ち切ったスタッツです。
ウィザーズからすると全体的には良いのに3Qだけ全くダメでリードを溶かす、よく観る展開です。ヒートからすると攻守に安定感を欠く試合でした。ディフェンスが良いと安定するなんてウソです。
少し両チームをアップデートしておきます。



アンバランスなヒート
6勝8敗
◯オフェンスレーティング 100.5(24位)
◯2P 55.3%(14位)
◯3P 35.8%(18位)
順位相当のFG%ですが、それよりも悪いレーティング。
◯オフェンスリバウンド 8.4(26位)
◯ターンオーバー 16.6(26位)
ダメなのはミスが多く、セカンドチャンスも作れない事です。
◯FG%
ドラジッチ 47.5%
ウェイターズ 42.7%
ホワイトサイド 54.3%
◯ターンオーバー
ドラジッチ 2.3
ウェイターズ 3.3
ホワイトサイド 1.9
スコアリングリーダーの3人をみると目立つのはウェイターズの効率の悪さ。しかし他の選手も多いです。
◯ターンオーバー
ジョンソン 2.8
オリニク 2.1
リチャードソン 2.4
ボールを持つ時間の多いジェームス・ジョンソンはともかく、オリニクの時間はオフェンスリバウンドを期待し難い部分もあり、ミスも多いとなると厳しいです。
この5試合をみればリチャードソンを除けば個人の3P36%を超えており、調子が戻ってきているので、ミスをなくすのが1番重要です。



◯ディフェンスレーティング 103.1(11位)
◯被2P 50.3%(1位)
◯被3P 38.0%(21位)
ディフェンスは分かりやすくインサイドを守っています。そして3Pを守れなければいけない現代バスケ。
◯ディフェンスレーティング
ドラジッチ 105.5
ホワイトサイド 99.3
リチャードソン 98.9
ディフェンスは逆にドラギッチが非常に悪くリチャードソンが非常に良くなります。2人とも33分以上出場しているので、これだけ差がつくのは珍しいです。
全員アタックなのに誰を出せば良いのか難しいヒートでした。



前半勝負のウィザーズ
9勝5敗
◯レーティング
オフェンス 108.2(5位)
ディフェンス 103.0(10位)
エリートチームのレーティングだけど、勝率はそこそこなウィザーズ。その要因はどのスタッツも特徴として挙げるにはどれもそこそこ良い事。
今季からはディフェンスも良くなり、ウーブレイの成長で戦力強化されました。分かりやすい武器がなくなった事で、各分野で高レベルなのですが、気持ちの入れようで試合中でのアップダウン、というかダウンの時間が目立つようになっています。
◯レーティング差
1Q 18.3
2Q 6.6
3Q ー0.1
4Q ー3.0
頻繁にリードを溶かしているのがよくわかるQ毎の差です。特にエースのウォールとビールがFG%も落ちればターンオーバーも増えます。
接戦に弱いというよりは失速しすぎなウィザーズ。逆転のセルティックスを観た後ではイーストで勝つためには、エース達が変わらないといけないぜ!



話が違うよウィザーズ
ウォール&ビールが0/5でスタートしたウィザーズ。+18なんてレーティングが吹き飛ぶであろう1Q。
やる事為す事上手くいかないのは連戦ならではの相手にバレバレな感じが出ています。気持ちよくプレーさせない事を選んでいるようなヒートディフェンス。シュートポイントは抑えるディフェンスです。
ヒートのオフェンスは良くないけど、リバウンドが転がってきてくれて助かります。何本も打っていればそれなりに得点は入るわけで。
終盤になるとスティールから連続で速攻になるヒート。変わらず止められるウィザーズで点差が広がって1Qが終わります。



3Pが武器だったはずなのに
2Qになると双方が止まります。しかし、中外攻めて決められないヒートとディフェンスに読まれまくっているウィザーズ。時間が経つにつれてヒートのシュートが上回ります。
ウィザーズは速攻すらも決まらない有様。
気になるのはお得意のドライブからの合わせがキレイに決まるけど、そのゴール下をブロックされるシーン。これはしっかりダンクいけよ、という反面、ダンクにはいかせなちパスに制限しつつ、合わせた後のところには後ろからでもブロックに跳ぶ予定通りのヒートディフェンス。
読まれ過ぎていると考えたのかウィザーズはビールメインのオフェンスに切り替えます。ウォールがイマイチな時期が割とあったのでちょくちょく見掛ける形。
ビールは切り込んでシュートチャンスは作れますが、やっぱり最後の一歩が決まらない。
かなり中に絞ってくるヒートなのでキックアウトすればフリーで打てそうなのですが、そんな時はパスコースを消しにいく強気なパサー潰しを狙います。
もちろん時にはキックアウト出来るのですが、決まらない3P。ビールがドライブしてキックアウトされた先はウォールだったりして確率が悪くなります。
前半の3Pは0/13。そりゃあインサイドを潰されるわけです。
1Q17点に続き、2Q12点のウィザーズ。昨日は前半で90点とったチームもあるというのに。
0/5で無得点のウォール。



普通のヒート
ヒートの前半はFG44%、3P29%なので普通です。それで21点リードなのだから有難い展開。
オフェンスリバウンドは6と多かったものの、ターンオーバー8なのでヒートの出来が良かったとは言い難い内容です。
インサイドを止める意識と連戦故の慣れが機能しました。そしてそんなディフェンスからの速攻が決まった事はオフェンス面の苦労を取り除いてくれました。



ホワイトサイドだけが大活躍
後半になってもビールのシュートを叩き落とすホワイトサイド。更にゴータットのプットバックも後ろから叩き落とします。
ヒートのシュートも外れているけど、どうしてもインサイドを攻められないウィザーズ。ビールやポーターのミドルでなんとか繋いでいきます。
ウォールが苦しいインサイドへのドライブからゴータットが狭い空間の隙を見つけてやっと合わせのゴール下が決まります。ウォールのパスが注目されますが、このオフボールの動き方の巧さが支えるウォール&ゴータットです。ヒートは即タイムアウト。早い。



タイムアウト明けてホワイトサイドの2本のダンクで返したヒート。それでもオフェンスの不調は続きます。ドラギッチがコーナーに出したパスは観客席まで届いてしまうなど、連携よりも個人の問題な感じ。
17本目の3Pを打ったモリスが初めて成功しウィザーズはそこからモリス、ウォール、ビールと立て続けに打ちます。やっと決めた2本目はビール。次の3Pも決めます。
要は打てるけどあまりにも決まらないウィザーズが点差もあり、モリスの成功から連打し始めた形。なお、ウォールは3Pどころか何も決まらず0点のまま。



ビール&スミス
3Pが決まると久しぶりに出番をもらえたジェイソン・スミスがドライブから&ワンと流れが出来始めます。
スミスのスクリーンから3P、そしてドライブしてフリースローをもらうビール。フリースロー外すけど。
最後に難しいステップバックも決めて3Qだけで16点を奪ったビールにより9点差まで縮めて4Qに入ります。
一方でウィザーズが良かったというよりもヒートのオフェンスが悪かったのが3Q。前半は速攻に助けられていた感がありありと出ています。
インサイドは止められるけどアウトサイドは止められない傾向は続きます。



ウィザーズはもうビール&スミスに切り替えます。ウォール&ゴータットと違うのは基本的にビールに決めさせるために大きくスペーシングされている事。スミスが外に開くのでビールのチャンスを広げます。
ヒートは何故かアデバヨを使い、失敗と感じてホワイトサイドに切り替えます。スミスのシュートが外れ、ホワイトサイドのフックが決まったので流れが止まります。
ビールを休ませている間に、ウォールのミドルは外れます。同じプレーを決められないウォール。
ウーブレイが良いディフェンスをしてボールが弾かれた結果、ゴール下のホワイトサイドにパスが繋がってダンクになるのでヒートの方にツキもありました。



3Pの戦いとホワイトサイド
多分、ウォール&ゴータットを諦めたウィザーズはミークスへのスクリーンでフリーにしてシュートを打たせます。そこにファールするヒートは焦っているのかな。
次も同じプレーで3Pを決めたミークス。残り6分で4点差と射程圏に。
ドラギッチをウーブレイとスミスで追い込んでバックパスを引き出します。
ウェイターズが3Pを返しますが、ウォールが3Pで初得点と拮抗し始めます。



ヒートはホワイトサイドへの合わせでリードを広げます。どうしてもここが止められないウィザーズ。別に合わせるのが上手いわけではないので、ちゃんと空くポイントを選んでいるヒート。8点差。
再びビールが3P、フリースローにゴータットへのアシストで4点差にするも、ホワイトサイドがリバウンドシュート。存在感を示すホワイトサイド。
ウォール3P
ウェイターズ3P
ビール3P
この試合からは考えられない展開。ウォールの3Pがエアボールで外れるもリバウンドを拾ってファールをもらいフリースローで1点差。残り11秒ヒートボール。
ファールゲームのフリースローをジェームス・ジョンソンが1本外し、残り5.8秒でラストプレーはウィザーズ。
3Pも打てそうな状況からドライブしてミドルを選択したビールのシュートが外れて試合は終わりました。



ホワイトサイドに救われたヒート
◯ハッサン・ホワイトサイド
22点 FG10/12 16リバウンド
最後まで止められなかったホワイトサイドのゴール下とウェイターズの勝負強さで勝ち切ったヒート。守り勝ったとはちょっと言えません。
インサイドのディフェンスは素晴らしかったけど、アウトサイドは単にウィザーズの不調に助けられていて、後半はアウトサイド中心に攻められると何も出来ませんでした。
イーストにはアウトサイドスタートのチームが少ないので助かっているだけかも。
リチャードソンは1/10とやっぱりオフェンスではブレーキに。でもアウトサイドまで守らせるならば必要。難しい選手起用。



ウォールとビールに揺れるウィザーズ
◯ジョン・ウォール
8点 FG3/10 8アシスト
全くダメだったウォール。それでもなんとか勝てそうな場面まで行けたのは、10本に抑えたFG数。今季はウォールの低いFG%に悩まされているようにみえています。
◯ブラッドリー・ビール
26点 FG9/22 3P5/12
見事なカムバックをみせたビール。ウォールで崩してビールパターンではなく、初めからビール個人で行くパターンで得点を量産できたのは好材料。
課題はジェイソン・スミスの方が連携が合うのでゴータットを使えない事。そしてスミスが3Pに自信を失っている事。スミス次第でかなり違うでしょう。



とにかく舐めすぎただけのウィザーズ。対策は上手くいったけど、根本的にアウトサイドが守れないヒートという試合でした。
これまでヒートの試合はとにかく3Pが決まらない問題でしたが、ホワイトサイドが救ってくれるパターンは強い時期を思い起こさせます。とにかく勝てた事が次に繋がるヒートでした。



キャブス vsクリッパーズ
ちょうど接戦で4Qだったのでコーバー劇場を確認しようと思い観ることに。しかし、走り回らないコーバーとポスト方面に動かないレブロン。
パターンが違うなぁと思ったらマッチアップがレブロンvsグリフィン、コーバーvsリバースでした。
レブロンにスクリーンをかけるコーバー。狙いはスイッチしてのレブロンvsリバースです。この辺の細かい使い分けをしているので、4Qのキャブスが効率性高いのも納得できます。
オフェンスではレブロンにビビっているグリフィン。ほとんど何もしていないレブロンのディフェンス。勝手にミスしてくれるから名前だけで守っているレブロン。
デュラントに立ち向かったブラウンを見習え!
しかもスイッチを促すスクリーンを使えないクリッパーズ。リバースが勝負するのはどうかと思うけど、それはグリフィンとチーム戦術の問題の気もします。
残り20秒5点差でファールゲームすらしないクリッパーズ。
エース同士の大きすぎる差に加えてHCのプレー選択にも大敗していた4Qとオーバータイムでした。
ちなみにトドメを刺したのはケビン・ラブの3P連発。マッチアップはジョーダンね。当然の帰結なわけです。
クリッパーズが勝てないのはケガ人問題ではあるけど、根本の弱さは何も変わってない気がした試合でした。

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