20171117 セルティックス vs ウォーリアーズ

ウォーリアーズとセルティックスの首位対決です。メンバーが大きく変わったセルティックスがこんな位置にいるとは驚きです。恐るべきはブラット・スティーブンスHCの手腕。
ウォーリアーズは相手によって合わせる必要のないチームです。だからスティーブンスによる対策がどれだけ通用するのかが勝負の分かれ目です。1番有効なのはFG%を多分高めて速攻のチャンスを与えない事。
◯ウォーリアーズの速攻 26.6(1位)
◯セルティックスの被速攻 7.7(3位)
ほぼこの対決とみて良いでしょう。



ウォーリアーズの注文通りの展開
快調にシュートを決めていくセルティックスですが、ブラウンのゴール下が外れたリバウンドをとったデュラントがそのまま自分で持って行ってレイアップ。
ホーフォードが外したリバウンドをとったトンプソンがプッシュして最後は3P。要はこれがウォーリアーズペースに繋がるので、早々にタイムアウトを要求するスティーブンス。
走ってリードを得たウォーリアーズに対し苦しいセルティックスは1番マッチアップが楽なホーフォードが自分で決めます。更にモリスが厳しいチェックをかいくぐって3P。やっている事がウィザーズのモリスと同じなので、やっぱり昨季のプレーオフで「あいつ欲しい」と思ったのだろうな。
更にブラウンがカリーにプレッシャーをかけてスティールから速攻を決めて追いつきます。頻繁に見る気がするカリー潰し。
しかし、シュートが決まらなくなるセルティックス。苦しいのはカリーに止められているアーヴィング。ホーフォードの次に楽なマッチアップなのだけど、そこが負けると攻め所をなくします。でもカリーもシュートを外してくれるので助かる。
ブラウンが自分で勝負したそうなのだけど、ガマンする場面が多かったのは強気で行くのは良いけど、外すとカウンターされるので自重していそう。
最後はセカンドユニットになって、ヤングが2本の3Pを決めてウォーリアーズリードで1Qが終わります。
良くなかった1Qだけど、傷口を広げなかった印象です。



ボールムーブのユニット
ウォーリアーズは1Q最後にマギーを出しますが、2Qはウエストがスタートします。さらにヤング→トンプソン。この違いはよりボールムーブを意識したものです。
リバウンドをとったイグダラはかなり早くプッシュしようとします。あまり成功しませんでしたが、ボールムーブと動き意識が高まります。セルティックスが連続でシュートを落としたところで速攻が2本続きました。
面白かったのはロジアーvsリビングストンで、お互いにオフェンスで強く行けるのですがスピードのミスマッチで自分で決めるロジアーと高さのミスマッチで起点として機能しようとするリビングストン。
2人は互角だけど、その後の展開をみるとリビングストンの勝ちでした。



反撃のチャンスを探す
得点がとれないセルティックス。
その要因は相手のスイッチを促して有利なマッチアップを作る仕組みが機能しない事。ウエストの次はルーニーを使うウォーリアーズもそれを意識しています。小さいのはカリーくらいだし、遅いのもパチュリアくらいしかいない特性を使います。
一方のウォーリアーズもシュートが決まりません。セルティックスは複数でドライブコースを塞いでくるので、インサイドに切れ込めないデュラントとカリー。そこから打つミドルが決まらなかったので、半分はセルティックスのディフェンス力。
そして困ったらグリーンを空けとけば大丈夫作戦も有効でエアボールを連発したグリーン。パスミスも連発。
流れを失ったウォーリアーズに対して、1人でリズムを取り戻したのはジェイレン・ブラウン。チームが外す中で1人で3P、ブロック、ドライブからプットバック。
チームとしては機能してなくても、こうやって1人で、それも攻守両面でなんとかしてしまうのはアーヴィング以上です。個人スタッツ以上に活躍しています。



そんなわけでブラウンの抵抗とグリーンのミスにより、5点差で終わることに成功したセルティックス。さすがにこれをスティーブンスマジックとは呼べないのでブラウン様様。
ただし、作戦として傷口を広げない選択をしていたからこその5点差でもあります。
ウォーリアーズからすると悪かったのはスターター陣。特にカリーとグリーン。2人がいるとボールムーブしません。それでも3P決めてしまうからカリーなのだけど、決まらなかったスプラッシュブラザーズ。
考えようによってはそれでもリードしました。
良かったのはイグダラ。オフボールカットでダンク決めるのはスターター陣に足りない動き。
12点とったデュラントに続くのは7点のヤングと6点のイグダラだから、ディフェンスのセルティックスらしさは出していました。



デュラントvsブラウン
後半もペースアップを図りたいウォーリアーズはデュラントがディフェンスが戻っている中でアーリーオフェンスで3Pをねじ込んでリードを広げます。トンプソンのミドルも決まって走る流れが出来始めると立ちはだかったのはモリス。
グリーンの速攻をブロック。グリーンは怒るけどボールにいってるしな。更にテイタムの腕絡ませにレフリーがカリーに4つ目のファールコールしてフランストレーションを溜めはじめたウォーリアーズ。
デュラントのターンシュートをモリスが守るとアーリーで3Pを決めて流れを断ち切りました。



カリーがいないウォーリアーズはデュラントのポストアップ中心に切り替わります。セルティックスにドライブを許してもらえなかったので、逆にこのパターンの方が楽になります。
起点がインサイド寄りになったことで、ボールが回りはじめるしシュートが決まります。
ここでも現れたのはブラウン。デュラントをプッシュしてポストから遠ざけ遠ざけ遠ざけまさかのバックパスを促すと、ミドル、3Pと立て続けに得点します。
ブラウンvsデュラントの様相を呈してきた3Qです。



スティーブンス・マジック
カリーを戻したウォーリアーズですがいきなりターンオーバー。そしてブラウンが3P。
シュート入らない、ミス続き、ファールトラブルのカリーを戻すって采配ミスなんだけど、そんな強気の方法がスティーブ・カーの手法だったりします。
ちなみにこの時間はカリー、ヤング、イグダラ、グリーン、ルーニー。カリーが得点しなければどうにもならないユニット。怖さがないから前へ前へプレッシャーをかけていくセルティックス。そして全く得点出来なかったカリー。
3Q前半に17点まで広げられた点差を同じQの中で追いつくというスティーブンスマジックが炸裂し同点で4Qに入ります。
スティーブンスも割と強気なので、やられ始めると逆に前へ出てプレッシャーかけるみたいな選択をします。それが成功しました。
おそらく裏取り名人のトンプソンとイグダラがいないのをみての判断な気がしますが、確認しないとわかりません。
そしてデュラントがいなくなってもコートに残り活躍したブラウンもカギ。



デジャブ
再びウエスト&トンプソンの時間。そして働くオフボールのイグダラというデジャブなのですが、確率が悪い。
同じくセルティックスも確率が悪くて、というか誰が点取るのかよくわからないユニットで先手をとったウォーリアーズ。
散々追いかけてきたセルティックスはなんで最後も追いかける展開を選ぶのか?
追いかけていった方が楽なのだろうか?



タイムアウト明けスターターで追いつくセルティックス。メンバーを変えなかったウォーリアーズ。なんかもう采配で完敗しているようなスティーブ・カー。
ミスにミスを重ねるグリーンとカリー。そんなわけでデュラントの個人技になります。ブラウンのディフェンスの中で難しいシュートを決めるデュラント。
と、思ったらカリーの3Pを選択するし、よくわかんない。
セルティックスはわかりやすいアーヴィング&ホーフォード。まぁ別にクラッチタイムじゃなくてもここから始まるし。



ラストプレーの違いを生み出したもの
アーヴィングvsトンプソンの構図は同じですが、キャブスの時との違いはセルティックスにはスマートがいる事。
この試合アーヴィングはトンプソンに抑えられまくりました。FG4/16。しかし、この時間に得点出来たのは一緒にスマートがいるので、オフボールから勝負できます。単独で抜くのは難しいけれど、オフボールでフリーになる事までを止めるのは難しい。
そしてボールを持てばホーフォードが助けてくれます。
ウォーリアーズはデュラントで行きたいけど、さすがに寄ってくるので捌きますが空けられたのはグリーン。確率論で行ったスティーブンス。外れます。
ていうか何故グリーンはそこにいるのか?その前のオフェンスではゴール下にポジションをとりオフェンスリバウンドに繋げました。
しかし、大事な場面で3Pエリアに位置する意味はなんなのか?
アーヴィングのドライブは外れそうでしたがファールしたグリーン。フリースローでセルティックスがリードします。
デュラントのターンシュートが外れファールゲームのフリースローをテイタムがちゃんと決めました。



スティーブンスマジックかスティーブ・カーの過信か?
またも炸裂したスティーブンスマジック。ウォーリアーズ楽勝の流れから発生したのはギャンブル的な要素で勝ちまくったスティーブンスの采配。
サンダー戦ではフリーで打たせたサンダーの3Pが決まっていれば完敗していたのをことごとく落とさせました。
この試合ではトンプソンとイグダラの裏取りで負けそうなディフェンスをするけども、カリーとグリーンがパスミスする前提のアグレッシブなディフェンスで勝利をもぎ取りました。最後のアーヴィングは個人を褒めましょう。でも、あんな場面まで持って行った事自体が驚異的。



それを引き起こしたのは、カリーとグリーンを過信したスティーブ・カーの采配。
◯ターンオーバー
チーム 15
カリー 4
グリーン 4
セルティックスのプレッシャーディフェンスがありながらチームで15に抑えたターンオーバー。台無しにしているのは2人。
◯FG
カリー 3/14
グリーン 3/11
そしてFGも酷かった2人。なお、トンプソンも5/18と酷かったけど、打つのが仕事なわけで判断が悪かったとは言い難いです。
◯プレータイム
カリー 31
グリーン 38
そこまでグリーンを使わなければいけなかった理由は何だったのか?
少し余計な事を言うとグリーンの事は評価していますが、世間一般的な評価ほど高くはありません。あくまでもスプラッシュブラザーズがいてこその成績です。
◯オフェンスリバウンド
チーム 7
グリーン 2
シュートが決まらない時にオフェンスリバウンドを繋ぐのがウォーリアーズクオリティだと思っているので、アシストしてもトップに置くならガード使えば良くないか?という疑問があります。



そんなわけでセルティックスが採用していたのはオーソドックスなカリー潰しとグリーン空け作戦です。
しかし、そこの根底にあったのはトンプソンやデュラントに対して個人でハイプレッシャーをかけるという基本的なディフェンス力。
プレッシャーが厳しいからカリーとグリーンにボールが回りやすく、故にトップにグリーンのポジションが多かったのかな、と推測します。
それを修正出来なかったのは、スティーブ・カーが自分達を貫き通そうとした過信と考えています。これってドノバンと同じか。



ほとんど活躍出来なかったセルティックスのベンチメンバー。それに対してしっかりと活躍したウォーリアーズのベンチメンバー。
チームとしてはウォーリアーズの方が上でした。しかし、ダメだったスターターを引きずるのは開幕直後にウォーリアーズに感じた違和感そのものです。この点もHCの問題だよね。



MOM
◯ジェイレン・ブラウン
22点 7リバウンド
2スティール 2ブロック
昨日のシクサーズvsレイカーズに続き、新時代を感じさせたのはブラウン。見事なディフェンス力でデュラントと勝負するレベルまで上がろうとしている事を示しました。
これでも相当ガマンしてパスを回していました。
アーヴィングよりもブラウンが欠場した方がヤバそうなセルティックスでした。
勝つとは思わなかったので、計算外はブラウンがデュラントと戦えた事でした。

20171117 セルティックス vs ウォーリアーズ” への1件のフィードバック

  1. 色々なチームの試合を観たいとのこともあり、余りにも強すぎるウォーリアーズの試合は全然見れていませんがハイライトだけはチェックするようにしております。
    ハイライトを見る限りシュート、フィニッシュの比重が以前に比べ デュラント、カリー、トンプソンの3人に偏っている気がしますがどうなんでしょうか? それ故にターゲットが絞りやすくなっている気がします。それでもシュートが決まる3人は凄いのですが。
    昨季に比べ大幅にメンバーが変わるなかでも、毎年勝ち星を増やすつつあるスティーブンスって凄いと感心してます。
    大活躍のブラウン!今後が楽しみです。

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