20171116 バックス vs ピストンズ

避けては通れない1戦。前回はピストンズが勝ちましたが、その内容はバックスの戦略が予定通りに進んだものの、フリースローを与えないピストンズと与えまくるバックスという構図で決着しました。
それは本ブログの「バックスが勝てない理由」の題材にもなりました。
http://sp.plus-blog.sportsnavi.com/whynot/article/214
それからピストンズは連勝街道を突き進み、セルティックスに次ぐイースト2位に。
バックスは5割を割ったところでブレッドソーが加入して3連勝。勝ち越しまできています。
ピストンズはその強さを、バックスは前回の反省を示す場になります。
なお、最悪の展開は前回と同じ流れなんだけど、ドラモンドがフリースローを外しまくってバックスが勝つ事です。それで勝たれては何の検証にもならないから困ってしまうよ。



強いよピストンズ
◯レーティング
オフェンス 107.4(7位)
ディフェンス 102.4(9位)
攻守に安定のピストンズ。ディフェンスの良いチームだったけど、オフェンスが良くて勝っている感じです。
ターンオーバー 14.4(3位)
オフェンスリバウンド 11.4(3位)
オフェンスはミスが少なくオフェンスリバウンドで攻撃回数を増やします。FG%は高くないので、3Pは38%も決まります。
アウトサイド守るのが苦手で、ディフェンスリバウンドを死守するバックスとはお互いの強みがぶつかり合う形です。



◯トバイアス・ハリス
20.1点 3P50.6%
エースはトバイアス・ハリス。しかしオフェンスの中心ではありません。ハンドオフ(1位)を使ってガードを中心に設計されたオフェンスの中で、最後にボールが届いてシュートを打つのが役割です。困った時のハリス。
そこで高確率で3Pを決められるとお手上げ状態に。
逆に言えば困った時のハリスの得点が多いのだから、ここの確率を落とせばピストンズの怖さは半減します。50%の3Pは凄すぎるので、それだけでも止めたいところ。
◯アンドレ・ドラモンドのリバウンド
オフェンス 5.4
ディフェンス 10.3
外しても待ち構えるのはドラモンド。オフェンスリバウンド強いチームだけど、半分近くをとっているドラモンド。
◯ピストンズの速攻での失点 8.1(5位)
オフェンスリバウンド強いチームだけど、ドラモンドが1人でなんとかしてしまうので、トランジションディフェンスも強いというピストンズ。
そんなわけで、他はさておきハリスとドラモンドを何とかしないと自分達の設計が狂ってしまうよバックス。



ブレッドソー効果?
「ブレッドソー加わって3連勝したぞ!攻撃力アップで強くなったぞ!」
なんていう意見を簡単に信じなくなっている読者の方は、本ブログに侵されてきているかもしれません。
3試合とはいえ、ちゃんと検証しなければダメよ。
ブレッドソー前後で比べてみます。
◯FG 49.1% → 45.3%
◯3P 39.9% → 36.5%
◯アシスト 24.9→ 22.0
◯ターンオーバー 14.9 → 12.7
ターンオーバーこそ減りましたが、基本的に下がったオフェンス数値。なお、ターンオーバーを減らしたのはアンテトクンポなのでブレッドソー効果でボール持つ時間が減ったと推測されます。
◯オフェンスリバウンド 6.1 → 10.0
何故か増えたのはオフェンスリバウンド。増やしたのはヘンソンとメイカーのセンター陣。ブレッドソーがドライブするから取れた説もありますが、基本が3Pラインの外で構えるメイカーには関係ない話なので、単に頑張っただけか、アウトサイドに居場所がないのかもしれません。
◯オフェンスレーティング 107.1 → 103.2
そんなわけでブレッドソー加入により、アイデンティティだったFG%が落ち込み、オフェンス力は低下しました。
まぁスパーズとレイカーズ、グリズリーズ相手ならば当然なのでブレッドソー関係ないかも。



◯ディフェンスレーティング 109.5 → 96.1
勝った理由は劇的に改善されたディフェンス。何だそれは?とスタッツを除くと
◯レイカーズ
3P 6/22
フリースロー 22/37
スパーズも3P外していましたが、ほぼレイカーズの問題。なんだこのフリースローは。ロンゾのトリプルダブルを喜ぶ場合じゃないだろ。



オフェンスで上回って勝ったのは3P54.5%決めたグリズリーズ戦だけでした。データ的には戦力強化していないブレッドソー。加入したてだから当然です。
しかしオフェンスリバウンドの面も含めて、数字では見れない部分もあるわけで、ブレッドソーのヘルプディフェンスの速さが貢献しているとか想像も出来ない事象があるかもしれません。
そんな見所のピストンズ戦です。



変化はあるけど理由は不明
連続でオフェンスリバウンドを奪うヘンソン。そもそもインサイドに超積極的。でもそれはブレッドソーとか何の関係もない話。そして1人で頑張っている事は同じなので戦術的な変化もありません。
つまりヘンソンの成長としか言いようがない。
1つだけ違うのはブログトンがいないトップの位置にはブレッドソーじゃなくてミドルトン。キッドHCの選択はPGとしてではなく、ワイドに開いた状態からドライブするためのブレッドソーです。



ディフェンスも特に変わらず、コミュニケーションミスして簡単にアウトサイドでフリーを許しています。パス2本でドフリーっておかしいでしょ。
ブラッドリーが2本の3Pを決めると、今度はゴール下でドラモンドがドフリーになります。
やっぱり何も変わっていないバックスディフェンス。ところがまたもヘンソン。1人ローテーションでドラモンドを止めます。ヘンソンが止めてくれるとプレッシャーがかけやすくなるので、ブラッドリーがパスミスを連発してくれました。ディフェンスも良かったけど、ブラッドリーも酷い。
またバックスはファールするのだけど、やけにバックスに甘いコールになっていました。それがヘンソンを助けているかも。



ブレッドソー効果は不明ですが、攻守に良くなったヘンソンは元々効率的だったバックスにエネルギーを与えているのでバックスは向上しています。ソン・メイカーもこれまでなら飛び込まなかったオフェンスリバウンドに参加していたので、モンロー効果なのか?
ピストンズはいつも通りですが、ちょっと可哀想なくらいファールコールされなかった。



レフリーの差
バックスのファールがコールされなければ、リングに当たってリバウンドとったのにショットクロックリセットされないし、ゴールテンディングすらもコールされなくなりピストンズの得点が止まります。
バックスはよく守っているけど、ちょっとさすがに酷いよ、これ。
ピストンズがベンチメンバーという事もあり、コミュニケーションミスが起きないバックス。高い運動能力を活かしてローテーションしてくるので、ドライブしても何処からか誰かしら飛んできます。
ブレッドソーはベンチに座っている時間なので、何かしらの気合をいれさせた以外に理由はなさそうです。
この3試合ディフェンスが向上しているデータ通りの動きをみせているバックス。理由はこれまでを反省したという事で。



ピストンズは完全にトラブルなのですが、モアランドがオフェンスリバウンドを拾いまくって助けます。バックス目線で言えばプレッシャーはかけたけどリバウンドは弱くなった。
守り合いの試合に移行していきます。それってピストンズペースかな。
スターターが戻ってくると次第に目立ち始めるのはヘンソンvsドラモンドの差。トラベリングやパスミスが出始めたヘンソン。それでもオフェンスリバウンドを奪ったりと頑張っているけど、その頑張りで互角ならば時間を追うごとにドラモンドが上回るのは当然の流れ。
ヘンソンが頑張らないと再びアウトサイド、インサイドに穴が空くバックスディフェンス。このままピストンズペースに傾くと思ったら、頑張り始めるヘンソン。
アンテトクンポとハリスが決めあって41点という予想外でありつつも、最近のバックスを象徴するスコアで同点の前半でした。



ヘンソン劇場
完全なるヘンソン劇場になった前半。
とにかく運動量が多いです。オフェンスリバウンドの基本はボールサイドとは逆側から飛び込む事ですが、そんな場面が非常に多く、ディフェンスからは嫌らしい選手です。
少し違う気がしたのは、ボールを持つ機会が減ったブログトンがワイドに位置する事が多くなった事。これまではそこにパスする役だったけど、ちゃんとワイドにポジショニングしてくれるので、ボールを追うディフェンスはヘンソンを捕まえるのが難しくなりました。
ソン・メイカーも3Pエリアよりもペイントに位置する時間が長くなったので、インサイドのバランスはチームとして見直しています。
ディフェンスはヘンソンが1人でローテーションディフェンスしてしまうから成り立ちます。単なる運動量。ガーネットのアドバイスが役立ったのか、細い体でスピードを活かしたプレーが出来ています。
ヘンソンがこのレベルで安定したらバックスはかなり恐ろしいです。



ピストンズで目立ったのは10ターンオーバー。インサイドが空くからパスを通そうとするけどローテーションが早くて出せずに困るパターンが増えました。
それを8/18の3Pで補っています。
困った時のハリスだけど、ハリスまでボールが届かない事も多くありました。
前半は共にフリースローを貰えず、その分だけリード出来なかったとも言えます。



ミドルトン仕様に近づくバックス
ブレッドソーとアンテトクンポのピック&ロールから始まる後半。
ミドルトンが好調でバックスがリードを奪います。前半と違ってブレッドソースタートが増えたのでミドルトンのフィニッシュも活きるように。
ピストンズは何故かブラッドリー周りにボールがいくとミスが増えます。シュートミスも絡んでバックスペースになります。
前半は目立っていたヘンソンが目立たなくなりますが、その理由はピストンズのボールが回らないから。元々、ハンドオフだから人が動けば良いだけなので、理由はわかりません。
人もボールも動かないならコミュニケーションミスも起きないので強いバックスディフェンス。一気に15点まで開きましたがそこまでバックスが良かったかというとそんな事もなくピストンズが悪い。
想像するに前半にトバイアス・ハリスにボールが渡らなすぎたので修正しようとしたけど、それがボールの動きを止めてしまったのかな。ドラモンドがもらう位置が遠くなりすぎているから、ハンドオフを守りやすくなっています。



とにかくミスが多いピストンズ。パスを出すけど受け手は違う動きをしている事も多く意味不明なミスが続きます。最後はそんなミスからブログトンによる鮮やかな速攻が決まり、3Qだけで34点を取ったバックス。



ラッシュのピストンズ
4Qは明確に動きをつけてきたピストンズ。ギャロウェイの3P連発で2分で9点を詰めて4点差に。このラッシュ能力が今季のピストンズ!!
ラッシュ中はオフェンスリバウンドもとるし、こぼれ球も出てくるし、ブロックにスティールとディフェンスもやりたい放題。
ミドルトンの堅実なポストショットでラッシュは止まりましたが、相変わらず恐ろしい。しかも、あまりペースが早くないピストンズだけど、ラッシュの時間は凄く早くなるので一気に畳み掛けるのがよくわかります。



一旦は拮抗したけど、崩したのはブレッドソー&ソン・メイカー。ドライブからのシュートを外したブレッドソーはともかく、ソン・メイカーはそれまで我慢していた不要な3Pを打って外します。
そこからの返しで再び3Pで攻勢をかけたピストンズ。ケナード&ギャロウェイで1点差に。6分切ってスターターを戻すバックスと戻さないピストンズ。ケナードの3Pで同点に。
もうピストンズは3P&リバウンド作戦にしか見えない。



ラストプレー
2分半でそれまで全く決まらなかったブレッドソーの3Pが決まって6点リードしたバックス。1ポゼッション勝負の時間になります。
時間がなくなる中、ブレッドソーのジャンパーでリードを守るバックスに対して、またもブラッドリーでターンオーバーしたピストンズ。このブラッドリーの動きは意味不明で、自分から狭いコーナーへ追い込まれにドリブルしました。
ファールゲームのフリースローをちゃんと決めたバックス。



ブレッドソー効果は?
ヘンソンとメイカーが頑張ったのがトレード効果だとしたら確実に効果はありました。しかし、それはブレッドソー関係ない話です。
ブレッドソー自身はディフェンスのチェイスが良かったですが、それよりもヘンソンのスピードがもたらした変化なので、理解に苦しみます。
オフェンスではシュートを外したブレッドソー。しかし、アンテトクンポがもたない分だけミスは減った気もします。3Qに立て続けにターンオーバーしたアンテトクンポなので、やっぱり怪しかったのかな。
ラストプレーでブレッドソー&アンテトクンポの選択肢が広がったのは非常に意味のあるトレードでした。モンロー以上の価値はありますが、ディフェンスで勝った試合なので評価はし難いです。



ブラッドリー?
ピストンズの敗因はブラッドリー周囲の謎のターンオーバー。
◯エイブリー・ブラッドリー
28点 3P6/10
5ターンオーバー
シュートが好調過ぎたのか、持ち過ぎてのミスが多かったです。
◯フリースロー
ピストンズ 20/23
バックス 15/20
フリースロー数が同じくらいならば得点も変わらなくなる両チームという構図です。それをもたらしたのはピストンズがボールを回せなくなった3Qなので、ちょっと微妙です。



スタッツ比較
◯バックス ー ピストンズ
FG 48.7% ー 35.3%
3P 36.4% ー 40.5%
オフェンスリバウンド 11 ー 17
ターンオーバー 15 ー 16
そんなわけで、一応バックスの勝ちゲームスタッツです。ほぼ同じスタッツでFG%で上回って勝とう戦略が成功しています。
しかし、どうみてもピストンズのFG%が悪過ぎました。ディフェンスが良かったでは済まない数字です。
バックスは勝ったよ。4連勝だよ。
でも、これは本当に狙い通り勝てたの?という試合は継続中です。それでも勝ち続けるならば戦略変更に成功した事に。ポイントはオフェンスリバウンド数です。



レフリーコール
影の主役はレフリーコール。
ピストンズのFG%が低かった要因でもあります。前半のバックス贔屓はさておき、ファールをあまりコールしないのは、今季の多数の試合と違うなあ。
でも、これくらいの基準で良いというコールでもありました。つまり他の試合が吹きすぎ。
それを突然やられるとピストンズには厳しかったけど、まぁクレームしたキッドHCの努力勝ち。

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