20171110 ナゲッツ vs マジック

驚異的に3Pを決め続けて勝ち残っているマジック。40%超えが5人もいてアーロン・ゴードンはこの試合まで56%とクレージー。ウエストブルックのレイアップとゴードンの3Pは同じくらい決まります。
◯マジックの3P 41.1%(1位)
◯ナゲッツの被3P 38.1%(24位)
決めまくるマジックと決められまくるナゲッツの構図です。



開幕当初はディフェンスのチームになってしまっていたナゲッツ。ここ9試合はレーティング100を超えるようになり、ディフェンスが安定している分だけ勝てるようになりました。
つまり連携があってきて勝てるようになっていますが、それでもオフェンスで圧倒していた昨季ほどではありません。
特にミルサップが合わない雰囲気だったので、どう改善されているかに注目です。



◯アシスト率
マジック 61.2%(6位)
ナゲッツ 60.8%(8位)
◯アシスト/ターンオーバー率
マジック 1.61(3位)
ナゲッツ 1.56(6位)
割と似ている両チーム。チームで崩す姿勢です。違うのはもちろんヨキッチ&ミルサップのアシストが多い特殊なナゲッツ。
スティールやターンオーバーの数もほとんど同じです。
◯オフェンスリバウンド
マジック 7.9(28位)
ナゲッツ 11.3(5位)
オフェンスリバウンドの数はナゲッツが上回ります。インサイドから人を減らして外から決めているマジックなので仕方ない面もあります。対してヨキッチを中心に得意技のナゲッツ。
FG%でマジックが勝るか、セカンドチャンスでナゲッツが上回るかもオフェンスでの注目です。



言葉も出ないナゲッツ
開始から美しいポールムーブを披露するナゲッツ。開幕当初の姿はそこにはありません。
とにかく貰ってから捌くまでの判断が全員早い。流れを止めまくっていたミルサップも信じられないくらいに馴染み始めていました。
前回の感想では、オフボールの動き出しのタイミングがズレていると書きましたが、それがピッタリ合ったという感じではありませんでした。
おそらく変わったのは人の配置。多分7つくらいのポイントを流動的に人が動きようにシステムが組まれていると思います。
そのため空いたポイントに順番に人が動くから流れが読み易く、また味方がどこにいるか、どこに動くかを解っている感じ。
ボールマンはディフェンスの動きを見て、空いているはずのポイントにパスをしています。
だから「連携が合った」というよりも「フロアバランスがとれてボールが絶えず動く」そんな印象でした。



そしてマジックのお株を奪うようにシュートが決まります。FG15/23、3P7/11で39点を1Qだけで奪いました。
目立ったのはマレー。FG6/9で16点。3Pも3本決めました。
もう1人はミルサップ2点、3アシスト。このアシストが増えてきたのが開幕時との大きな違いで、要はヨキッチの役割に近づきました。ヨキッチとミルサップの連携というよりも起点が2つになります。



シュートが普通のマジック
マジックはFG9/21、3P3/10。
もう1つ3Pが入っていれば平均的な確率なので、そこまで悪かったわけではありません。
ゴードンがコーナーからの3Pと、同じくコーナーでフェイクからレイアップをミスしましたが、これが決まっていれば止めようがありませんでした。
どんなチームでもシュートが決まらなければ、得点が伸びないのは当たり前ですが、マジックの場合、きまらないと戦略自体を見直す必要が出てきてしまうのがツライところです。
些細な差で得点が止まってしまうのは苦しいところです。フォーニエは相変わらずスゴイです。



怒りのヨキッチ
2Qになるとメンバーの関係からか少しナゲッツが変わります。ヨキッチを中心にしてオフボールムーブが増えます。パッシングが目立った1Qに対しヨキッチシステム感が出てきます。
ボールを持ったヨキッチの周囲を選手が動き、そこにつられるとヨキッチが自分で仕掛けます。ただ、これが連続して決まらない。
ファールっぽくビヨンボが止めますがノーコールでトランジションに移ろうとしたので、ヨキッチが強めのファールで止めます。
止めた理由はノーコールだった事にレフリーに文句を言うため。でも強く叩かれたビヨンボはヨキッチの胸をペチペチ叩く。まぁペチペチレベル。だからヨキッチもペチペチ叩き返す。ビヨンボももういちど叩く。
で、何故かヨキッチだけにテクニカルファール。
NBAはケンカ両成敗をしょっちゅうやるけど、仕掛けられた方だけにテクニカルって意味わからない。両成敗も含めて仕掛けられた方が損するルールなんだよね。アメリカ文化なのか?



このコールでヨキッチが怒りモードになった模様。ボール運びからPG役をし始めます。そうすると次々に飛び出すロングパス。
トランジションでフロントコートに入る前にギリギリの本当にギリギリのぴったりのアリウープパスなんて通してしまいます。
怒りモードでボール独占してパスしまくるセンターは新し過ぎます。
ヨキッチがベンチに戻るとミルサップが出てきます。すると今度は自分で積極的にフィニッシュまで仕掛けるミルサップ。
どうやらヨキッチと同時起用の時はパスを意識し、1人ならば自分のタイミングで仕掛けるようになっている雰囲気。時間が短くて偶然かもしれませんが、再びヨキッチが出てくると目立たなくなりました。



合わせるミルサップ
ヨキッチが特殊過ぎて不在だとシステムが回らなくなるナゲッツだったけど、それをミルサップによる代役システムにしています。開幕後はホークス時代のプレーを持ってきていたけど上手くいかなかったので、ヨキッチに遠慮し始めたミルサップ。ヨキッチいない時は解放されたようなプレーをしていました。
美しいボールムーブからミルサップの3Pというシーンがありましたが、1回目はフェイクからドライブして、2回目は3P打って外しました。
やっぱりリズムとしてはナゲッツにフィットしていないように映ります。勝ち始めたから連携が取れてきたというイメージが浮かびますが、試合を見る限りはそんなにフィットしていないかな。前回同様にこのナゲッツのタイミングはミルサップが活躍してきたタイミングとは違うでしょう。



ミルサップが偉かったのは、そこで自分が身を引く選択をした事。FG44%、3P27%と確率が悪いのでアテンプトを減らして起点としての役割を重視していました。
パスを受けてシュートするよりは、早めにパスを出すタイミングの方が調整しやすかったという点もあるでしょう。
勝ち始めたナゲッツだけど、それはミルサップ加入で変化して強くなったというよりは、ヨキッチを中心に強いチームにミルサップも参加している程度です。



ゲーリー・ハウスはどこへ行った?
2Qに再び出てきたマレーが3Pを2本決めてナゲッツが加速しました。なんて事ないシュートなのですが、美しいボールムーブに加えて簡単に打ってくる3Pを決められるとディフェンスは広げられた上に走らされるのでお手上げです。
本来はこの試合では不在だったゲーリー・ハウスの役割です。昨季はハウスとヨキッチがいる時間で止められないオフェンスを披露していたナゲッツ。今季は2人ともレーティングが高くありません。
それは個人としては活躍しているけど、チームの効率性をグイッと上げるようなシステム構成ではなくなってきているという事でしょうか。
ナゲッツが更に勝率を上げるためには、2人がもたらすオフェンスシステムがカギを握りそうです。
マレーが活躍した事でそんな風に感じました。この試合でマレーが爆発したのは、ハウス不在でその役割を果たしたからでしょう。
◯ジァマール・マレー
32点 FG57.1% 1アシスト
3P6/9
PGです。念のため。



やっぱり普通なマジック
反撃したいマジックですが、ナゲッツのオフェンスに振り回されるだけで、守らせてももらえない感じです。
オフェンスではシュートが決まらないわけではないし、良い連携も出てくるけど、かといってビックリするくらいシュートが決まるわけでもない。
ナゲッツはオフェンス好調だからか、守っているのか怪しいくらいになりました。1Qは積極的に前に出て守る場面もあっただけに、緩んでいる気はしました。
マジックが決められなかったといえば、それまでですが、3P50%超えるような状態がそもそもおかしいわけで、外れる日もあるのかな。



おしまい。
3Qになると最大30点差まで開きます。そうなると、もうユルユルです。マジックも4Qに反撃しましたが、そんな簡単に縮まる点差ではなく、得点を取り続けたナゲッツが大勝しました。
そんな大差でありながらナゲッツのスターターはムディエイという控えがいるマレーを除き36分以上プレーしました。厚い選手層が売りだったはずですが、先に中心ユニットを整える方針転換かもしれません。



シュートが入らないマジックがどうなるのかを知りたかったですが、ナゲッツが凄すぎて分かりませんでした。
逆にナゲッツはシュートが決まり過ぎていました。ここまでのスタッツではそんなに確率よくなかったので偶然なのかどうかは次回確認しましょう。
ポジションと役割が整理されてきてオフェンスが改善したナゲッツ。しかし、マレーの活躍で爆発したように、本領発揮するにはゲーリー・ハリスの活躍が必要なのだろうと感じただけの試合でした。

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