サンダーが勝てない理由「ドノバンHCの苦悩」

新ビック3を結成したサンダー。開幕戦後にSNS検索すると賞賛の言葉がたくさんありましたが、そんな時期も今は昔。キングスにも負けてまさかの勝率5割を割りました。

ウルブズとの2戦は致し方ない部分もありますが、さすがにちょっと負け過ぎです。何がダメなのか、何となく答えは持っていたのですが、まぁそれ以前の問題がありました。



ロバーソンを笑えない

ロバーソンってご存知ですよね?

オールディフェンス2ndチームにも選ばれた守備の人にして、笑われるくらいシュートが下手な選手です。サンダーの対戦相手は困ったらロバーソンをフリーにします。それはもうウルブズなんか酷いくらいに。

対戦相手のファンはロバーソンに3Pを決められたらクレームしてくるくらいです。

そうやってみんなでロバーソンを笑ったりするわけですが、しかし、笑えないのはサンダーのビック3。

◯FG%
チーム 44.4%(21位)
ロバーソン 43.5%
ウエストブルック 43.1%
ジョージ 42.3%
カーメロ 41.5%

ウエストブルックはまぁこんなものだったりしますが、笑えない新加入2人。それでもジョージは3P38.8%決めているのですが、カーメロは32.8%。もう散々。

というわけで答えが出てしまいましたサンダーが勝てない理由はビック3がシュート外しすぎです。



前提が間違っていました。

「何故、サンダーは勝てないのか?」

というテーマは、そもそも「ビック3が活躍しているのに」という前提が必要なのですが、活躍してないから勝てないわけです。

サンダーの試合を観ていると「1番重要なのはアダムス」という感想を抱きますが、ひょっとするとアダムスが活躍しているからではなく、他が活躍しないからかもしれません。

みんながシュートを決めれば、アダムスはオフェンスで目立たなくなるはずです。



3Pと戦術

◯オープン3Pの確率
チーム 28.2%(27位)
ウエストブルック 29.6%
ジョージ 34.4%
カーメロ 19.2%
アブリーネス 14.3%

ディフェンスが4ー6フィート離れているときの3Pの確率です。ちなみにこの状況だとチームで40%を超えているのが5チームあります。つまり異常に決めていないカーメロとアブリーネス。

昨季までならばオフェンス自体が重たい感じで決め難い雰囲気はありましたが、割と軽く打てている今季なので問題は大きいです。
ここはNBAですから「パスが悪い」「リズムが生まれない」では許されないレベルの確率です。

ちなみに昨季はチームで34.4%。つまりチーム全体がジョージくらいは決めていました。



「オープンの3Pをしっかりと決めろ!」

サンダーの当面の課題はそれだけです。

そしてそんな3Pの本数が多いほど得点がとれない傾向があります。「安易に打つな」も付け加えたいところです。しかし、ここにビリー・ドノバンHCの苦悩があります。

シーズン前のプレビューで予想しましたが、そもそもサンダーの弱点はウエストブルックというリーグ最強のペネトレイトを持つ選手がいながら、キックアウトからの3Pを決められなかった事でした。

ポール・ジョージとカーメロ・アンソニーの獲得は単に「ビックネームを獲得した」のではなく、

「高確率のシューターエースとストレッチ4」

というチームの弱点を強みに変えてしまうスターを獲得したわけです。パトリック・パターソンの獲得も同じ理由です。
これこそがドノバンHCの苦悩です。



予定通りの戦術と予定外の結果

おそらく今季の設計は機動力を上げ、ポール・ジョージを中心とした3Pとウエストブルック&アダムスのインサイドアタックを最大限活用することにあったはずです。

それを戦術として練りこみ、実際にコートで表現する事にまでは成功したビリー・ドノバンHC。その仕事は賞賛に値します。
だからこそ今の状況には苦悩しているはずです。

計算外はシューター達の不調。3Pで勝つチームが3Pを決められなければ、勝てるわけもありません。おそらくポール・ジョージをスコアリングリーダーにする設計のはずが普通レベルのシューターになっているのも計算外でしょう。

ちなみにオープン3Pだと
ハーデン 49%
クレイ・トンプソン 50%

強力なライバルに対抗するにはジョージにも同じ水準が求められます。なお、オラディポも50%です。多分落ちますが。



サンダーは何かを変えなければいけません。しかし、想定していた戦術が上手くいっているわけで、変えるべき事項を何にするかは非常に悩ましくなります。そもそも戦術が右往左往しているキャブスとは意味が違います。

それを試合での個人の調子に合わせて修正するのがHCの役割といえばそれまでですが、HCにもタイプがあるわけで、ドノバンHCはこういった戦術を練ってプラン通り進めて行くタイプです。柔軟性やその場の発想タイプではありません。

選手に合わせたプランを練り、チームに落とし込んだ状態で、これから何をすべきなのか?

復調を待つのか?

プランを変更するのか?

トレードをするのか?

ドノバンの苦悩は続きます。
とりあえずシューティングコーチを招聘すべきです。



本来は勝てない理由をいくつか用意していたのですが、さすがにこんなにプラン通りいかなければ意味を成さない気がしたので、FG%のみに集約しました。

ボツ記事にしようと思いましたが、ドノバンHCを擁護してあげようかとアップすることにしました。

さて、サンダーの勝てない理由を考えようかと呟いたら、「バックスも!」という意見を頂きました。
ビック3が活躍していないから勝てないのがサンダーならば、中心選手が大活躍しているのに勝てないのがバックス。そんなわけでサンダーから大きく方向転換し、バックスが勝てない理由を考えることにしました。

そしてバックスはモンローを放出し、ブレッドソーを獲得しました。この点も踏まえてのレビューとなります。
予想よりも面白くなり長くなったので良いテーマになりそうです。

次回はバックスが勝てない理由編です。

サンダーが勝てない理由「ドノバンHCの苦悩」” への1件のフィードバック

  1. サンダー勝ててないですね。でも何となくは想定しておりました。
    シュートが入っている時は頼もしいが、シュートが入らなくてもひたすら打ち続けるメロ。シュートが入らないとチームのリズムが崩れるんですよね。まだ開幕して1ヶ月程度なんでゲームプランを変更してもいいんではないかと考えたりします。

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