20171108 ニックス vs ホーネッツ

開始から目立ちまくるのはポルジンギス。
しかし、このポルジンギスに触れる前にカンターとハワードに触れる必要があります。リング近辺で仕事をする時代遅れのセンターである2人は、それでも時代に合わせている傾向があります。それは共に走る事。カンターはともかくハワードも結構走ります。なお、ハーフコートでは動かないよ。
起こるのはアーリーオフェンスでのゴール下合わせやオフェンスリバウンド。あの体格の選手が走って来たら簡単には止められません。パワーで圧倒するだけではダメで、走る事でミスマッチを作るわけです。
だからハワードのアリウープも出るし、シェイプされているから、まさかのハワードのクロスオーバードライブなんてシーンも。存在感あるよハワード!
でもカンターも負けません。ゴール下へのハワードへのパスをカットしたカンター。こぼれ球をハーダウェイが拾った時には1番前を走っていたりします。
オフェンスリバウンドも奪ってこちらも存在感。
面白いセンター対決



なんでこれがポルジンギスの活躍と関係あるかというと、カンターが走る事で頻繁に起こるのが予定と違うマッチアップ。サイズが大きく違えばなんらかのローテーションしますが、妥協点も出て来ます。
ホーネッツで言えばカンターにマービン・ウイリアムスがつくのは妥協点です。するとポルジンギスvsハワードになります。
ニックスはポルジンギスがミスマッチになるとすぐにポストにボールを入れますが、同じようにハワードとのマッチアップになると、すぐにアウトサイドで構えるポルジンギスを利用します。
カンターのポストアップからキックアウトやスクリーンからのポップシュートなど、パターンは一定ではないけど、そうやって動かして渡せばハワードは3Pまでマークして来ないのは分かりきっています。
ホーネッツは上の3人が小さい事もありマービンにマークされない限りは強いポルジンギス。そこを確実に使って行く、それも一工夫いれてから使うニックスオフェンスは機能的です。
一体、フィル・ジャクソンとカーメロはどれだけ邪魔だったのか?



そんな素晴らしいニックスをオフェンスで上回るホーネッツ。こちらはシュート入り過ぎ。
◯1Qの3P 7/9
いやいや、そんなチームじゃなかっただろう。インサイドでハワードが身体を張って、3Pを決めまくられたらお手上げです。それでいてエースはケンバだし。
いわゆる自分達の弱みが強みになってしまったら絶好調なのは当たり前か。42点も取りました。



セカンドユニットとは言えないホーネッツ
両チームともに強豪とは言い難いのでセカンドユニットはタレント不足の博打みたいになります。それが10試合を経過した事で考え方がまとまってきた雰囲気です。
ホーネッツはゼラーに加えマイケル・カーター・ウイリアムス(MCW)が復帰した事で層が厚くなりました。さらに高さのあるMCWにより3ガードの時間が長くなります。外から攻められなかった昨季のホーネッツからしたら考えられないラインナップ。
また管理人のお気に入りルーキーのマリック・モンクがバックス戦を自分の試合にした事で、どうやら確固たる信頼をえた模様。セカンドユニットはモンクを中心に組み立てられます。
◯モンクの前半
18点 3アシスト
3P 4/8
ポルジンギスを喰った活躍のモンクですが、注目は14分で8本も3Pを打った事。もうそんな設計にされているという事です。多分外しても大丈夫な設計になっているはず。
チームとしてモンクに頼っているわけではなく、ファーストオプションが決まる事で分かりやすくチームが動くという事です。はじめにモンクにスクリーンをかけ、そこからズレ始めたディフェンスに合わせて全員が動いていきます。
元々モンクなんていなかったチームですから、核が決まった事で全員が働きやすくなっています。まぁゼラーとカミンスキーがシュートは外していましたが。共にファーストオプションにはタレントにはなれない。



そんなモンクが良過ぎて、1度は戻ってきたケンバだけど前半の終わりは引っ込みました。MCW、ラムと合わせて4人のガードはケンバパターンに固定化していたチームを大きく変えようとしています。目立たなかったけど、MCWの存在は利便性が非常に高いです。もうバトゥーム要らなくないか?と思える前半のホーネッツでした。
◯前半のホーネッツ
得点 69
FG 54.3%
3P 52.6%
アシスト 16
しかもケンバは12分しか出場していません。これのどこがホーネッツなのか!!考えられないようなオフェンジブなスタッツ。
ホーネッツファンに感想を聞きたいです。



ニリキナ待ちのニックス
ニックスも慣れてきて、そしてチームが軌道に乗った事でセカンドユニットでもクオリティが落ちません。しかし違いを作れる選手がいません。要はニリキナの成長待ち。
ニリキナはしっかりとコントロールする事を学んでいるので、ニックスは厳しいながらもボールをしっかり回してチャンスを伺います。しつこく繰り返す事で、何度も空いたのがマグダーモッド。しっかり決めた事で離されないニックス。
マグダーモッド、オクイン、ランス・トーマスで7/9と頑張り、FG61%とシュート力では上回りました。
前半は58点まで伸ばして離されません。ホーネッツとニックスの対戦とは思えないような前半でした。



ディフェンスのホーネッツ
後半になりホーネッツはイージーシュートを立て続けに外し怪しくなりますが、それをハワードのオフェンスリバウンドが救います。
ニックスはポルジンギスのシュートが次第に入らなくなりますが、こちらもカンターがオフェンスリバウンドや合わせのフローターで救います。
後半も働くセンター対決。2人とも前後半の初めは元気なんだよね。パワーを使って次第に元気がなくなるイメージ。エースにはなれないけど、違いは作ります。
差がつき始めたのはディフェンス。そもそもディフェンスこそが持ち味のはずのホーネッツがスティールからチャンスを掴み二桁リードまで広げます。



何故か3Qはモンクを使わなかったホーネッツ。働くのは当然ケンバ。当たり外れのあるモンクなので、この辺の起用方法は点差に合わせた柔軟性が求められそうです。
内容的にはディフェンスが機能し始めたので、変に早打ちを避けたいのはよくわかります。代わりにMCWが出てきてディフェンスで貢献したので、ホーネッツは多様性を手に入れました。
一方のニックスは弱めのベンチなんだけど、この試合ではキッチリとフリーのシュートを決めました。そしてそこまでプレーメイク出来るチームになっているという事です。
スターターがいなくても戦えるようになっている両チームです。



ブルーカラーで上回るニックス
4QになってもMCWのインサイド攻めから、キックアウトしてのモンクの3Pなどホーネッツの方が目立ちます。
しかし、反撃したのはニックスのベンチ陣。マグダーモッドの4点プレー、ランス・トーマスがコースを作ってのオクインのダンクにゴール下と続きました。またもこのトリオが活躍します。
前回も触れましたが、ニックスはこのブルーカラーの役割が重要になっているので2人コートにいるのは大きいです。ポルジンギスがいるのでカンターのみのスターターよりも攻守がハードになります。
そしてカミンスキーが弱過ぎたホーネッツ。この展開で長く使う意味がちょっとわかりません。マービンもPFの役割を果たしていたし、ゼラーとハワードコンビでも良かった気が。



ケンバの時間
4点差となりケンバの時間です。しかし、ニックスディフェンスに苦しめられたケンバ。ショットクロックギリギリまで打てず苦し紛れのフローターは外れますが、ハワードのリバウンド。なお、カンターはベンチに座ったまま試合終了を迎えました。
次に苦し紛れの3Pはボードに当たって決まります。ケンバの時間。
ニックスはランス・トーマスとハーダウェイが3Pで返します。ポルジンギスの時間にはなりません。



ホーネッツの疑問はケンバ、モンク、ラムと並べた3ガード。モンクがコーナーでスペーシングするのはニックスにはかなり嫌な形なのでわかります。しかし、ラムを使った事でディフェンスがブルーカラー負けしそうに。
攻守でマグダーモッドにやられるラム。
どうせケンバがやるのだから、ラムは要らないのでは?
残り2分半で111ー111と追いついたニックス。次のオフェンスでポルジンギスの3Pで逆転しました。マークはハワードね。試合開始当初から続いているミスマッチ。



まぁどう考えても選手の組み合わせで負けているホーネッツ。負けているだけでなく、ラムのオフェンスで失敗続きだから救えない。
ニックスからするとカンターでもオクインでもなくランス・トーマスを選んだのが上手い。
でも、ニリキナも使われています。オフェンスファール。まぁどうせPGいないなら経験積ませとくか。ディフェンス良いし。
つまりポイントはインサイドの組み合わせ
ポルジンギスvsハワード
マービンvsランス・トーマス
ニックスからするとハワードのところは賭けだけど高さで負けるわけではない。早さで勝りブルーカラーでも負けない。それでいてオフェンスではアウトサイドでは確実に勝てます。5アウトで攻めるニックス。
ホーネッツはその分を周りがカバー出来れば良かったけど、3ガードだから難しい。しかも1点負けのディフェンスでも変えなかったため、残り10秒でポルジンギスvsモンクになってしまいイージーレイアップをポルジンギスに決められ3点差に。



本当にホーナセックなのか?
そんなわけで充実していたニックス。選手起用も当たりました。戦術が充実して采配もピタリって本当にHCはホーナセックなのか?と疑いたくなります。フィル・ジャクソンがいなければ昨季は全く違ったのかもしれません。
特にカンター、オクイン、ランス・トーマスとポルジンギスの組み合わせは重要になりそうです。
まぁマグダーモッドは当たり過ぎていました。チームも当たり過ぎ。
◯ニックスFG
チーム 60.0%
ポルジンギス 66.7%
マグダーモッド 87.5%
カンター 87.5%



ちょっと理解に苦しむよホーネッツ
好調だったのに采配で負けたホーネッツ。
17もオフェンスリバウンド奪って負けるかね?
気になったのは前半は細かく交代させて成功していたのに、後半は1回のプレータイムを長くしていた事。ハワードが欲しかった時間にゼラー&カミンスキーで、勝負どころのポルジンギスにハワードは間違っています。
4Qが19ー35で大逆転されたわけですが、それもほぼ終盤です。残り5分半で109ー100でしたが、そこから4ー18です。
便利なMCWとオフェンスに偏っているラムとモンクなので使い方を間違えたし、最後はディフェンス優先であるべきだったはず。
オフェンスはケンバなのだけど、本当にケンバの個人技任せな感じがニックスからすると守りやすかったようです。ケンバが困っているのに、モンクをスペーシングにしか利用しなかったのもよくわかりませんでした。



両チーム通じて言えるのは、キャブスよりも戦術的で、ウィザーズよりもパターンが多かったです。困ってしまうイーストの状況。
そしてシーズン当初とは違い熟成が進んできました。
シュートが入り過ぎた試合ではありますが、こんな試合されると各チーム困ってしまうでしょう。

20171108 ニックス vs ホーネッツ” への1件のフィードバック

  1. ニックスファンなので、ニックスの分析は普段以上に嬉しいです。
    これまでのニックス分析でもありましたが、whynotさんの分析を見るまでは、「将来のスター候補のエルナンゴメス、何で使わないの?」と思ってましたが、納得しました。(今期はニックス戦は1試合も観れてません)
    カンター、サンダーからのトレードの際の熱いコメントで気に入りましたが、戦力としてもかなり役立っているようで、嬉しいです。またニリキナの数字では判らない貢献も、このブログで判りました。
    試合を見れてないのに、見れている気分になる、さらに見てもなかなか気付かない点を書いてくれるので、とても面白いです。
    いわゆるスター選手以外にも多々フォーカスしてくれるのも、読みごたえがあります。

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