20171104 サンダー vs セルティックス

ディフェンスのセルティックス
単純にヘイワードの不在は大きいと思われていたものの、6連勝で首位に上がってきたセルティックス。前回(ヒート戦)でも触れた通りアーヴィングはあまり活躍していません。
それでも勝利を重ねてきたのはスティーブンスHCの手腕による部分が大きいです。
◯ディフェンスレーティング
昨季105.5 → 今季95.1
再びディフェンスに舵を切ってディフェンス力で相手を打ち負かします。ブラウン&テイタムという20歳前後の2人が長くプレーしているチームとしては驚異的です。
◯アシスト率 60.5%(6位)
オフェンスも少しずつ上げてきて、セルティックスには重要なアシスト率も60%を超えました。意外にも重要なのはスマート&ブラウン。ゲームを作るスマートとウイングでフィニッシュするブラウンがいるとアシスト率が上がります。



ディフェンスのサンダー
新ビック3の結成に色めき立つものの3敗しているサンダー。3人でオフェンス爆発だ!と言いたい所ですが、本当の武器は違います。
◯スティール 10.7(1位)
◯速攻 15.9(2位)
激しくなってスティールからの速攻が増えたサンダー。まぁ実は速攻は昨季の方が多かったのですが。
◯被FG 41.9%(2位)
◯被アシスト数 20.3(6位)
大胆なヘルプポジションをとるようになり大幅に改善した被FG%。ポール・ジョージには期待が大きかったですが、カーメロまで守っています。
スターが集まった試合ですが、意外にもディフェンス対決となる雰囲気です。



リバウンドを制する者は
◯オフェンスリバウンド
サンダー 11.0(9位)
セルティ 10.9(10位)
共に飛び込むオフェンスリバウンド。
◯被オフェンスリバウンド
サンダー 10.7(22位)
セルティ 8.4(4位)
しかし、相手には飛び込ませないセルティックスに対して、取られまくるサンダー。昨季はリバウンドがリーグ1位だったのに、相手のシュートが外れるのに、リバウンドが取れていないサンダー。



ブルーカラー対決
セルティックスからするとビック3は怖い。確かに怖いけど、それよりも厄介なのはアダムス。高さのないセルティックスだけにアダムス無双が最も怖い。
サンダーからするとエネルギーを費やすディフェンスでヘルプの穴を突かれるのが1番厄介。やられたのがウルブズ戦の元チームメイト。
セルティックスのチームオフェンスで合わせられるのが怖い。更にオフェンスリバウンド取られるのが怖い。
実はそんなブルーカラーな戦いを制する方が有利になります。タレントならサンダーだけど、ブルーカラーなら全員がハッスルするセルティックスです。



エースとディフェンダー
不調のアーヴィングだったけど、この2戦は3P40%を超えて復調してきました。迎え撃つのはロバーソン。3P23%、フリースロー50%のペリメーターディフェンダー。
何かおかしいウエストブルックはこの2戦は12点、11.5リバウンド、11.5アシストとトリプルダブルの絶不調。迎え撃つのはスマート。FG31%、3P29%の誰でも守るディフェンダー。
両者わかりやすい矛と盾にして、得意分野も抑えています。どちらがより強い武器なのか?
でもやはり注目はウエストブルック。ファンブルやコケる等信じられない凡ミスのオンパレードだったウルブズ戦を経て、出力を抑えたようなプレーぶり。トリプルダブルでも不調と言われるのはウエストブルックだけ。
でも出力を抑えた方がチームは楽だったりするので、セルティックス相手で本気を出すか、抑えるか?
本気で来ても当たり負けしないスマートなので激しい攻防になります。激しくならない方がオフェンス有利です。



1Qの攻防
前の試合がキャブスとウィザーズだったので、凄くディフェンスしている気分になる両者。セルティックスはテイタムが難しいシュートを決め、サンダーはジョージが中外決めていきます。厳しいディフェンスの中でも決めていく両チーム。
差がではじめたのはやっぱりインサイド。
セルティックスはオフェンスリバウンドに飛び込んでホーフォードやブラウンがセカンドチャンスを作りますが、立ちはだかったアダムス。オフェンスでもウエストブルックのミスを拾ってダンク。
ウエストブルックの傍目にはとんでもないパスを当たり前とばかりにアリウープしちゃうので、呼吸合いすぎです。
更に意外なマッチアップで差がつきます。モリスvsグラント。こっちのモリスもシュートが入らない。グラントは飛び込んでのダンクに3Pで加点したことでサンダーリードで1Qが終わります。



セカンドユニットに触れとこう。
セカンドユニットになるとセルティックスはよりらしくなります。個人で突破しないので、チームで崩す。
サンダーは逆にカーメロ上手いぞ!時間に突入です。
なので、目立つのはサンダーなのだけど、決め返しているセルティックス。
スマートとアブリーネスという割と謎のマッチアップなのですが、お互いがオフェンスでやり合うので点数が止まりませんでした。



ビック3が戻ってきてもその傾向は変わりません。順調に得点していくサンダーですが、その流れほど点差が開かないのは、やっぱりアダムスの不在かな。
テイタムが大活躍するセルティックス。アダムスがリバウンドとっていれば、ブロックに飛んでいれば、という場面が結構ありました。
ただし、代役のパターソンも3Pを2本沈めて貢献します。
意外なマッチアップはもう1つ。アーヴィングvsウエストブルック。そのままマッチアップした両エースはウエストブルックが圧勝します。無得点が続いたアーヴィング。
スマートがサービスパスを出して、フリーで打てて初得点しました。



アダムスが戻ると早速オフェンスリバウンドからやり直したオフェンスでウエストブルックのパスをリングに届けます。
テイタムのレイアップ、アーヴィングのレイアップをブロックに飛んで乱れさせておとさせると、最後はスマートのシュートを叩き落しました。
結局、アダムス&ウエストブルックのコンビが最も重要なんだよね。
セルティックスの誤算はホーフォードのところで優位性を出せなかったところ。頻繁にスイッチするサンダーなのでホーフォードvsウエストブルックなんて場面も多かったけど、運動能力高い選手が多いサンダーなので、簡単にパスが入らないし、ヘルプが来ます。
逆にアダムスとガード陣のスピードのミスマッチを使いたいけど、それはそれでスティールを生み出してしまったアダムス。
前半最後はそんなアダムスをもかわしてレイアップにいったアーヴィングを遠くから走ってきたロバーソンがブロックしました。前半を象徴するようなシーンでした。



何かを変えたいセルティックス
3Qはホーフォードが積極的にいきます。ここをなんとかしないと始まらないからです。
ディフェンスはより収縮してリバウンドを気にしています。ここも何とかしたいからです。つまりは攻守でアダムスを何とかしたい。
スティーブンスHCの凄いのはタイムアウト明けの確率です。しかもモリスに打たせて入るという謎。さらにここから走ってきたホーフォードのレイアップと、モリスの&ワンと続きます。簡単に言えば走っただけなのですが、決まらなかったシュートが決まる仕組みは理解し難いマジックです。
そういえば開幕キャブス戦もこんな感じで何とか試合にしていました。



サンダーディフェンスはエンドライン側にヘルプがいるのでディレクションします。そこでトップ側でスクリーンを使って人数を費やし、ウイングからブラウンが仕掛ける形が機能します。機能するというかアダムス外しです。
ディフェンスではミドルレンジから打たせます。ウエストブルックにドライブされるとマークが外れてアダムスをブロックアウト出来ないからです。
フリーのアウトサイドを落としていくサンダー。ゲームとしては実はそれだけだったりします。サンダーがしっかり決めていれば何でもない展開を外し、外れるのでセルティックスは走りやすくなります。
それでもアダムスのスティールから速攻なんてプレーも出ますが、とにかくミドルが入らないサンダー。逆に決めるセルティックス。
スティーブンスの罠にハマりました。セルティックスがHCで勝っていると評価する理由でした。



迷うウエストブルック、迷わないアーヴィング
変わらずシュートの決まらないサンダーは、得点するのはグラントのドライブとカーメロのリバウンド。さて、本当にそれで大丈夫なのかセルティックス?という時間になってきます。
シュートが入らない時間が果たしてどこまで続くのか。それに任せて逆転出来るのか。
どう出てくるのかスティーブンス。
いつまでも外しそうなのはウエストブルックくらいだし。



何とも言えない展開で逆転するセルティックス。またも謎のファンブルをやらかすウエストブルック。いや、本当に何なのだろうか?
悩ましいのはここからウエストブルックがギアを上げるのかどうか?
ジョージもカーメロも決めていないので、それもありなのだけど。結局上げたのか、周囲に任せたのか中途半端な状態に。



アーヴィングが凄かったようで凄かったけど、それ以上にホーフォード。前半はアダムスに消されていたけど、完全にシューターに徹して4Qはパーフェクトシューターに。
アダムスを動かされるというか、そこまで守るとヘルプが追いつきません。
個人の対比ではウエストブルックがアーヴィングを上回りましたが、最後に得点したのは誰だったのか?という話。
昨季セルフィッシュと批判されながらもMVPになったのはそこの得点力だったはず。



勝負を分けたポイントは2つ。
1つは3Qのスティーブンスのワナに対して無策すぎたドノバンHC。フリーで打たされるならばアブリーネスとパターソン使ったり、グラントにドライブさせたりと手の打ちようはありました。過信しすぎたリード。
もう1つはサンダーのディフェンスを攻略しようとしたセルティックスに対して、自分たちのオフェンスで勝ちにいった事。
後半のセルティックスはコーナーを利用し、ホーフォードを利用し、ディフェンスのヘルプを遅らせました。アーヴィングのFG%がそれを物語っています。
ディフェンス対決と考えた時に、それを攻略した方が勝利したのは当然の帰結かもしれません。



強いよセルティックス。それもHCの強さと、異常な集中力を発揮したアーヴィング&ホーフォードの確率。
サンダーはそろそろ見直す時期に来たかもしれません。何を見直すかというとそれは難しい。
セカンドユニットのカーメロの時間は非常にわかりやすく攻めています。それに対して3人出ている時間の使い方。
ウエストブルック&アダムスは良いとして、アダムス以外はスクリナーやらないのかという疑問もあります。
しつこかったセルティックスのスクリーンが生み出したのは、関係ないブラウンのドライブだったりするので、学ぶべき内容が多かった気もします。



そんなわけでコーチオブザイヤー候補のスティーブンスHC。マジックが負けてくれないと今年も逃しちゃうかもね。
ここまでHCの力を感じるチームも珍しいです。

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