プレータイムの足りないキングス、変貌させるバグリーとジャイルズ

キングスの若手達は将来有望だ。あいつもこいつも、そっちもこっちも、みんなみんな魅力的だよ。

オフのキングスは横取りの権利も発動させながら、様々な選手を獲得しました。何よりもドラフトではマービン・バグリーを獲得し、昨年のドラフトで指名したハリー・ジャイルズもサマーリーグデビューしてPFポジションにも大きな期待を抱かずには要られません。

スーパー期待株チームになったキングスのメンバーはこんな感じ

【PG】

フォックス 20歳 2年目

ファレル 25歳 3年目

メイソン 24歳 2年目

 

【SG】

ボグダノビッチ 25歳 2年目

シャンパート 28歳 8年目

ヒールド 24歳 3年目

マクレモア 25歳 6年目

 

【SF】

ジャクソン 23歳 2年目

ビエリッツァ 30歳 4年目

 

【PF】

バグリー 19歳 ルーキー

ランドルフ 37歳 18年目

ラビジエリ 22歳 3年目

ジャイルズ 20歳 ルーキー

 

【C】

コーリーステイン 24歳 4年目

クーファス 29歳 11年目

デイビス 21歳 3年目

 

で、どうやってプレータイム配分するの?

 

フォックスとバグリーは中心選手になるべく英才教育を施されるはず。そこはHCが交代しようが、GMがクビになろうが変わらないだろう。問題は他の選手達になる。まずは管理人的オススメユニットからいこう。

 

【管理人的編成】

〇ガード

フォックス

ヒールド

ボグダノビッチ

〇SF

ジャスティン・ジャクソン

〇ビッグ

バグリー

ジャイルズ

コーリーステイン

 

以上7人に30分のプレータイムを渡す。ビッグはここの控えにラビジエリもいるので、実質は4人で回すことになる。デイビスも良く動き献身的だが、将来のために育てるほどの意味はない。というか、育てたらキープ出来ずに移籍されてしまうだろう。

SFまでの3つのポジションも4人で120分/144分が埋まることになり、残りは24分しかない。ファレルかメイソンを育てるのか、それともシャンパートあたりでディフェンス面も含めた安定性を求めるのか。ビエリッツァやマクレモアに渡すプレータイムがあるとは思えない。

 

しかし、現実はかなり違う事になるだろう。まずディバッツはビエリッツァに対して3年20Mと良い条件を示しており、かなり起用させるはず。ビエリッツァは良い選手でシュート力があれば、合わせも出来るが30歳とキングスの将来を考えれば投資すべき選手ではない。

またディバッツはボグダノビッチも好きすぎる。こちらは投資する理由はあるが、かといって中心的役割を担わせる意味はない。

高い連携力を求めるのは良いのだが、そこが上手く行かないと、なんだかんだで個人でやらせてしまう傾向のあるイェーガーの場合、伸びる選手が限られてしまう。それがバグリーやフォックスなら将来性を期待したくなるが、現状ではボグダノビッチやランドルフがその役割を担っている。これでは何の意味もない。

 

【現実的なユニット】

フォックス、ボグダノビッチ、ビエリッツァ、バグリー、コーリーステイン

 

現実的にはこの5人のスターターにランドルフ、ジャスティン・ジャクソンが絡んでいく流れになるだろう。それは勝率的には前述のユニットとあまり変化ないか、むしろこの現実路線の方が良い結果を生み出すと思われる。しかし、3年後にスター選手になる可能性があるのはバグリーだけだろう。

◉勝てるわけがない新シーズン

 

そもそも新シーズンのウエストで、もっとも勝つ必要がないのがキングスであるし、勝てるわけもない。タンクするために敢えて負ける必要は皆無だが、必死になって目先の勝利を求める必要性は全くない。重要なのは

3年後にチームがどうなっているか

である。3年も経つとバグリー以外は契約更新が挟まれるので、残りたくない選手はみんないなくなっている。現状のメンバーがそのまま3年後に活かせるならば、この状態はありかもしれないが、そんなわけないのだ。NBAは甘くない。

 

冒頭のメンバーで緑の字は来年に契約が切れている選手達。RFAで残せる選手もいるが、先行投資していく価値はあまりない。それでもコアメンバーの成長を助けるのであれば意味はある。

例えばクーファスは悪くない。NBAに残るのがギリギリ限界レベルのセンターだけど、ツーメンゲームで合わせることが出来るので、ガードを育てるし、ビッグマン達にマネをさせる意味がある。

そんなプレーを推奨するイェーガーなので、個人技に走らず基本的な合わせを学ばせるために続投させる意味はあると思っているが、かといってクーファスを主力にしては意味がない。

 

また3年後に勝てるチームになっているためには、当然現在のトレンドを捉えておく必要がある。

・3Pと高速化

・スイッチングディフェンス

少なくともこの2つは必修科目だ。他にも試合中の戦術変化や弱点誘導などをしっかりと出来るようになり、その上で「自分達の良さ」が活かされないといけない。

戦術的な面での将来性も非常に重要であり、ジャズもセルティックスも時間をかけて作ってきている。

 

この2つを考えた時に、必ず育てておかなければいけない要素が「ユーティリティ性の高さ」となる。ディフェンスで複数ポジションを守れる事と、オフェンスでもディフェンスに合わせて3Pを打つのか、インサイドを攻めるのか、その両方を同じ選手がこなせる必要があるのだ。

幸いサマーリーグを観る限り、バグリーとジャイルズにはその素養があった。ヒールドとジャスティン・ジャクソンも鍛える価値がある。ボグダノビッチにはPGとSG両方のポジションを務める柔軟性が必要だ。

 

イェーガーには見事にこの意識が欠けている。未だに5つのポジションで運用する意識が高く、SFがポストを守ることもあまり好まない。だから本来は便利なはずのヒールド、ジャスティン・ジャクソン、ラビジエリは主力扱いされていない。

スイッチでミスマッチを生み出されることについて、どのようなマネジメントをしたいのかもよくわからない。(これはキングスの試合を観る機会が少ないことも関係している)

 

〇試合のペース 97.1(30位)

〇被FG% 47.0%(25位)

〇ディフェンスレーティング 109.0(27位)

〇ペイント内失点 42.2(5位)

 

基本的に守れていないキングスだが、試合のペースが遅く速攻での失点が少ない事もありイージーシュートを許さないので、ペイント内失点が少ない。でも守れない。

要するにハーフコートディフェンスが殆ど機能しておらず、DIFFも30位となっている。例えば3Pに関してはヒールドだけがリーグの平均を上回り、他は軒並み下回っている。

 

「若いチームだから仕方ない」という言い訳があるとしたら、連携ミスで余計な失点をするとか、ターンオーバーから速攻を食らうとか、ヘルプが機能しないとかである。それらは大枠を作る中で細部を埋めていく作業に繋がってくる。

キングスのディフェンスはある意味、それらの余計な失点をしない特徴が出来ているので、逆に言えば根本的な部分で守れていない。そりゃあゴール下に立っていれば余計な失点はしないさ。でも、それは3年後に守れるチームになるのかい?

 

ある意味、マネジメントが出来ているのに守れないのがキングス。そこは若さとは違うんだ。純粋に守っていないんだ。そして3P時代に適した守り方も出来ていない。

〇被3P

アテンプト 31.5(28位)

確率 37.7%(29位)

 

繰り返すが、キングスはリーグで最もペースの遅いチームであり、トランジションディフェンスを優先しているチームである。にもかかわらず被アテンプト数が多く、かつ確率良く決められてしまっている。

 

話を戻すと、別に勝つことが現状の目的ではないから、この数字ひとつひとつを否定しているわけではない。ただ「3年後に勝つチームになる」ためには、3Pを止めるスイッチングディフェンスが必要だし、そのためにはユーティリティ性の高い選手を育てていかないといけない。

今のところ、その傾向が全くないのである。

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◉キングスには期待している選手が多い

 

現代戦術とは、みたいなことが1番好きなので、イェーガーを数字で触れていくと、ついつい話が逸れてしまう。 要するにキングスに言いたいのは、3年後に勝てるチームになることを考えた時に

選手を集めすぎ効果的なプレータイム配分が出来ない

戦術的な価値の高い選手を育成していない

主力選手を徹底して鍛えるような方針ではないし、かといって3年後に勝つための戦術を練れているメンバーでもない。どっちつかずな印象なのである。見方を変えれば「5つのポジションそれぞれに複数の選手を用意している」というロスター構成にしている。

将来を見据えるチームとしては、ちょっと苦しいのがキングス

 

しかし、ここにいる選手達は良い。すごく良い。

イェーガーの推奨するコンビでの連携を身につければ更に良くなる選手が集まっていることは間違いない。(その多くがニックスに行ったスコット・ペリーが集めたことは内緒だ)

特にマービン・バグリーとハリー・ジャイルズのルーキーコンビは良い。サマーリーグで最も面白そうなビッグマンコンビだった。ちなみにホークスのコリンズ&スペルマンも別の良さがあり、新時代のビッグマンコンビという可能性を魅せてくれている。

バグリーが良かったのはリーダーシップをとれるところだが、それを可能にするのは賢いことと走れることである。ここまで書いたキングスの頭の痛い部分の真逆を行くのがバグリー。

単純に言えば「速くて上手いビッグマン」であるが、オフェンス面ではマッチアップの相手に対して、何をするのが最も有効かを見極めようとしている。だから3Pも打つし、スピードを活かしたクロスオーバーで抜くこともあれば、ポストアップで押し込みもする。非常に柔軟にプレーを組み立てようとしている。

守ってもスピードがあるからヘルプが速い。フィジカルな身体のぶつけ合いをしないでブロックをしている。NBAレベルでは押し負けるであろう体格だが、現在のNBA主流はスピードで振り切ってのドライブ&フィニッシュなのだからむしろノーファールでリムプロテクト出来る能力は貴重になる。

 

柔軟な組み立てと適切で速いヘルプが出来るのは、正しいポジショニングがあるから。「賢い」という表現が正しいのかはわからないが、少なくとも「プレー選択の判断」こそがバグリーを支えている。だからNBAに直ぐに適応できなかったとしても、必ず上がってくるはず。

イェーガーらしく同じようなプレーの組み合わせで、非常に単調に映っていた昨シーズンのキングスだが、バグリーは1人でその価値を変えてしまうかもしれない。

 

ハリー・ジャイルズはそんな柔軟性があるわけではなく、もっと純粋に身体能力の高さを活かしたインサイドプレーが得意。感覚的にはアンソニー・デイビスに近いが、あそこまでの高さはない。インサイドの狭い空間でも足を動かすことが出来ているので、ペリメーターを守ることも可能。つまりバグリーと2人でキングスの泣き所をストロングポイントに出来てしまう。

もちろんスキルもあるのでアウトサイドでの基本プレーもこなす。しかし、イェーガーはドレイモンド・グリーンのような役割は好まないだろうし、本人も積極的にそこで勝負はしないだろう。

 

スピードのあるタイプだが、その万能性を活かしたければセンターと組ませるとスペースがなくなってかなり苦しい。バグリーならOK。

このタイプは時にリバウンドとディフェンスに仕事を絞ったりすると、予想以上の結果を残すことがある。チームの中の使い方次第で毒にも薬にもなるタイプなのだ。だからコーリーステインとクーファス、そしてランドルフが起用されると、ジャイルズがどう転ぶのかちょっと予想がつかない。

少なくとも素晴らしく現代的な素質を持ったインサイドプレイヤーなのは間違いがない。だから個人的には主力の1人として起用したい。出来ればウイングタイプ2人と同時起用したいのだが、そこは期待薄なのがキングス

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ルーキー2人を褒める事ってなかなかないけど、それくらいキングスに不足している要素を急激に埋めてくれる可能性を秘めているのです。言い換えれば昨シーズンのメンバーと全く違う要素がある選手が増えるのは、チーム作りにおける方向性と集める選手に一貫性が感じられないということ。

非常に良い素材が集まっているキングスだが、それでは単に良い選手を集めているだけ。「どんな選手を集めて何をしたいか」はセットで考えなければいけないし、低迷から長く抜け出せないチームは、大体ここで失敗している。

 

幸いにしてキングスはまだまだ方向転換がいくらでも効く段階

3年後に繋がらないけど良い選手は積極的にトレードし、チームプランに合う選手を、いや主力選手と相性の良い選手を集めた方が良い。それは少なくともザック・ラヴィーンではないはず。ブルズがマッチしてくれたことを喜ばなければならない。

 

育成の実績がないイェーガーは果たして変われるのか。

プレータイムは48分✖5人の240分しかないのである。コートの上で何が表現されるのか。楽しみな選手が並ぶ故に、ため息も漏らしてしまうそうなのがキングス

 

次回はバディー・ヒールドの憂鬱

 

 

 

プレータイムの足りないキングス、変貌させるバグリーとジャイルズ” への14件のフィードバック

  1. 若手たちが移籍した後でそれぞれ活躍して
    何でこのメンバーが揃ってたのに勝てなかったのか
    って言われないと良いんですけど

    1. さすがにそれは若すぎてないと思いますが、コアメンバー間違えたの?とは言われるかも。

      コアのコアは若いけど、それ以外は25歳くらいなのが、これまた微妙です。

  2. 一時はヨーロッパに帰る発言をしてたビエリツアが翻意しただけの金額はありますね……そんなに東欧贔屓するならHCもそこから引っ張ってくればいいのに!というよりむしろ本人が東欧に帰るとか

    1. 基本的にヨーロッパの方が稼げるらしいです。
      テオドシッチはロシアで税抜き10Mくらいはもらえるのに、クリッパーズで税込み6.3Mらしいです。

      ビエリッツァは30歳なのでサラリー+信頼があってのキングス入りでしょうが、ディバッツ毎トレードというのもありかな。
      まぁビエリッツァの能力に対して高すぎるサラリーっていうわけではありません。

  3. 2002年からのキングスファンです
    ディバッツがドラフトで使えそうな若手を指名しているだけ、最近はまぁましなのかなと思ってしまうくらい暗黒期が長すぎました(終わるとは言ってない)

    フォックスが新しいインサイド陣がうまくかみ合うかどうか、来シーズン少しでも良い形が見れたらいいなぁと

    サマーリーグではジャスティンジャクソンがオフボールムーブに自身を持ってプレーしていた印象があるので、個人的には彼に期待したい。攻め手がなさ過ぎて負けるパターンが昨シーズンは多すぎたので

    あとはフォックス君の今の伸びしろではどうも西を勝ち上がるイメージが持てない
    その不安を蹴散らすくらいの成長を見せてほしいところ

    1. フォックス🦊はそもそも得点を奪うエースタイプではないので、バグリーの方が期待値は高いです。
      本当はフォックスのスピード感溢れるゲーム展開で全員がバランス良く得点していくのが理想かと。なので、それについていけないタイプをメインで使うのは違う気がします。

      イェーガーはゆっくり慎重に、正確な合わせが好きなので、将来のためにそこをしっかり学んでHC交代してからスピードアップするのが理想です。

  4. 話は全く違いますが
    マヌ・ジノビリが引退ですね。。
    あともう1年彼のプレーが見たかったです。お疲れ様でした

  5. ヨーゴス・パパヤニスはもう少しなんとか出来なかったんですかねぇ
    ディバッツに君はオールスターになれると13位で指名されたのに…

    1. 才能があったかは別にして、どんな環境で、どんな育成をしていくかをトータルで考えないと苦しくなってきました。カペラなんかはロケッツじゃないきゃ輝かなかったでしょうし。
      スターを作るには本人の努力とチームの方針双方が必要な気がします。

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