20171103 スパーズ vs ウォーリアーズ

スタッツは良いけど中身は微妙な内容が多く、勝つためにやるべき事を忘れているようなウォーリアーズ。懐かしきカリー潰しをしてきたピストンズにも敗れて3敗。
スパーズは相変わらずの強さで開幕戦を制しました。そこから4連勝し、3連敗。勝っている時からスパーズらしくないスタッツでしたが、それが勝敗に現れてきてしまいました。マジック戦の大敗は相手が良過ぎただけですが、ペイサーズ戦のラストはグリーンがポポビッチにパスを出し、ポポビッチが呆然とする場面もありました。とはいえ最後はオラディポのスーパーショットなので運が悪かったです。
◯FG
ウォーリ 52.4%(1位)
スパーズ 42.8%(25位)
◯3P
ウォーリ 40.1%(2位)
スパーズ 33.1%(23位)
◯アシスト
ウォーリ 30.9(1位)
スパーズ 20.9(21位)
両チームを象徴する効率性はウォーリアーズはいつも通りですが、スパーズはかなりマズイです。
その要因はマレーとミルズのPG陣。加えてジノビリ。特にミルズは31.5%と自分の強みだった部分で問題が出てきてしまいました。



◯被FG
ウォーリ 45.3%(11位)
スパーズ 46.0(20位)
◯被3P
ウォーリ 37.7%(21位)
スパーズ 36.0%(19位)
ディフェンスでは両チームともに悪い結果に。
FG%なんてゲームの1指標に過ぎませんが、効率性というキーワードは両チームに共通します。それはポポビッチとスティーブ・カーの師弟関係にも由来します。
勝つために効率性を求めたオフェンスを展開し、ペースコントロールする両チーム。点数で相手を上回るよりもより自分達のペースでプレーすることが重要だったりします。



クオリティを上げるスパーズ
出だしからスパーズ。ボールムーブと正しいポジショニングでフリーで打ち決めていきます。
オルドリッジ→ガソル→オルドリッジ→ミルズ→ゲイ→ジノビリ。連続で決まる3Pで大量リードを奪うスパーズ
でも実は大切なのは間にあったアンダーソンとオルドリッジのオフェンスリバウンドだったりします。ウォーリアーズがペースを握るのは早い展開を仕掛ける事ですが、スパーズがシュートを決め、落ちたボールからの速攻を防げれば簡単にはペースを上げられません。
タイムアウト後からペースアップを狙ったウォーリアーズですが、それを許さないスパーズという流れになります。そしてハーフコートになったらデュラントにやらせない事を徹底します。
それでもグリーンとリビングストンなんてレアなコンビでも速攻で攻めきる等、早さで打開を狙うウォーリアーズに若きマレーとポールはハマってしまい、早くシュートを打ったり、スティールされてしまいます。ポポビッチ激おこ!
最後はカリーが連続3Pで点差を縮めて1Qが終わりました。9点リードしたスパーズだけど、この流れはウォーリアーズだよね。という1Qでした。



ベテランによる本気モード
ユニットが変わっても流れは変えないウォーリアーズ。ウエストとトンプソンが積極的に打っていきます。テンポよく打っていく2人。そして仕事をするPGイグダラ。
立ちはだかるのはゲイとガソル。ボールムーブをした上でポストプレーで得点していきます。マイボールの時間が長いスパーズ。
このシュートが決まらなかったらどうなったのかは興味ありますが、高確率で沈めたためスパーズリードは変わりません。



わかりやすいほどにお互いがペースコントロールしようとする両チーム。それを促すのがベテラン陣。ベテランがコントロールというと当然のように聞こえますが、特にウォーリアーズは早くテンポ良く打つ事なので、むしろ積極的にシュートにいきます。
イグダラが自分で動いてフリーになり3Pを打つなんて、むしろ珍しいわけです。
両チームともに本気バージョンの選手交代しかしません。スパーズはちょっとわからないけど、ウォーリアーズは昨季からのメンバー+ジョーダン・ベルだけ。



負けているけどウォーリアーズペース
前半はウォーリアーズが望んだペースで収束していきますが、55ー50でスパーズリードで終わったのはオルドリッジのオフェンスリバウンドへの飛び込み。前半で4つを奪いました。
◯前半のスパーズFG 41.7%
◯前半のスパーズ3P 38.9%
らしくない低いFG%だし、3Pも昨季のスパーズなら普通の確率。オフェンスリバウンドによりセカンドチャンスを生み出し、ウォーリアーズのスピードアップも抑えました。
そして謎のデュラント止め
◯前半のデュラント
FG 1/9 3アシスト 2ターンオーバー
他にデュラントのポストへのパスが2回スティールされました。またシュートタッチが悪いように思えますが、実際にはシュート直前にボールに触られる形が多かったです。おそらく研究して試されているデュラント止め。
◯デュラント以外のFG% 60.0%
つまりデュラント以外は好調に決めていったウォーリアーズ。ペースは明らかにウォーリアーズですが、スパーズが対策した分だけ上回ったと考えます。



充実した前半。同時にクワイ・レナードがいないので、やっぱりウォーリアーズの方が強い事がハッキリと出ていた前半でもありました。
FG%低いのに55点はスパーズのペースではありません。ウォーリアーズからすると、このままのペースを継続していればなんの問題もありません。でも、それが出来ないのが今季の特徴。
スパーズは何かを変えないと厳しいのですが、シーズン中の対戦でどこまで手の内を見せるのか。



一気に精算が始まる3Q
わかりやすくペースが得点に反映された3Q。ウォーリアーズが素晴らしかったというよりも、スパーズの堤防が決壊した感じ。自分達が落としたシュートからペースを上げられます。落とすのはミルズ。うーん、そこだよなぁ。
34点を奪ったウォーリアーズ。
◯デュラント
6/7 15点
プレーの開始位置を変えたデュラント。ウイングにいてボールが回ってのプレーなのでヘルプが遅くなるのと、シュートモーションに入った段階ではマークマンしか手を出せないので、前半のデュラント止めは使えなそうでした。
◯デュラント以外
8/19 42%
つまり前半に決まりまくっていたシュートを外した事になります。全く決まらなかったデュラントが決めて、決まっていた他のメンバーが外すので、前半の精算をしているだけでもあります。
◯スパーズの3Q 10/23 43.5%
こちらも今季を考えれば普通の数字。
つまり3Qの攻防はウォーリアーズが一気にラッシュしたようで、前半からの流れが一気に点差に反映されただけともいえます。



ミルズ&マレーとパーカー
ウォーリアーズの早いペースを変える事が出来ないスパーズ。スパーズのプレビュー時にも触れたけど、ミルズとパーカーだと実はミルズの時間の方がチームは効率的にプレーしています。データ的には。
しかし、実際の試合を観ているとコントロールしているのはパーカー。効率良く打っていくのがミルズの時間。更にその2人を使い分けるポポビッチというイメージでした。
ミルズとマレーだとどちらが良いプレーをするかという違いだけなので、変化をもたらしてくれません。悩んでいそうなポポビッチ。
ウォーリアーズの得点を止められず、ディフェンスを攻略出来なかった事以前に、ウォーリアーズが求めた試合のテンポが1Qの途中から全く変わりませんでした。
それこそがスパーズの問題であり、これまで勝ててきた強みだったはずです。



◯FG%
ウォーリ 51.8%
スパーズ 39.1%
◯3P
ウォーリ 50%
スパーズ 29.2%
最終的には今季の調子を表す数字になりました。ウォーリアーズはFG%高いですが、イージーシュートは少なめで50%だったので、調子良かったです。
スパーズのトラブル感は満載でしたが、やっぱりミルズ、マレー、ジノビリのバックコート陣で33%とこちらも傾向通りでした。確率は悪かったですが、オルドリッジのプレーは良かったので、周りを利用するガードが決められれば改善するはずです。
ウォーリアーズからすると時間が経つにつれオルドリッジにディフェンスを集中しやすい環境が作れていきました。オルドリッジを責めるのは可哀想かなという内容。
パーカーが復帰しても、衰えも目立ってきているので頼れるかどうかは不明です。ガードをなんとかしないとスパーズは沈んだままかもしれません。



ウォーリアーズの違和感と本気
勝っているけど感じていた違和感はプレーがカリー、トンプソン、デュラントに偏りすぎていて、本来のウォーリアーズが行うチームオフェンスのバランスにズレが生じていると思いました。
ウィザーズ戦では大きなビハインドを負った結果、試合を決めたのはベンチのケビン・ルーニーでした。全員が役割を果たす事がウォーリアーズの強さである事が確認できた気がしましたが、それが封印されているのが最近の傾向でした。何がそうさせたのかはわかりません。
とにかくメインの3人にやらせ過ぎていたウォーリアーズ。



この試合ではほぼ昨季からのメンバーで戦いました。そしてイグダラやウエストがテンポを上げる役割を果たし、自分達のペースに持って行きました。フィニッシュしたのはメインの3人でも、全員がプレーへ関与しています。
つまり本気を出せば、本来の姿をだせるという事なのでしょうか。スパーズクオリティとも言えます。
◯クレイ・トンプソン
27点 FG11/17
3P 5/8
◯ステファン・カリー
21点 FG7/13
3P 3/4
さすがにコンビでこれは決まりすぎ。かなり調子の良かったウォーリアーズですが、じゃあ2人が目立つほどボールが集中していたかというとそんな事はありません。
本気になったらイグダラ達のボール保持の時間が増え、メインキャストがボールを持つ時間が短くなる複雑怪奇なウォーリアーズでした。



最後は点数離れた上に、映像が乱れて観ることが出来ませんでしたが、前半の面白さは見応え十分でした。
さすがに今日のウォーリアーズは出来が良過ぎですが、じゃあクワイ・レナード分の差かというと、もう少し開いているイメージです。
スパーズが勝つにはレナードとパーカーが戻ってきて、ウォーリアーズが少し調子悪い日にならないと難しいと感じました。

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