20171102 ニックス vs ロケッツ

開幕戦は素晴らしい内容でウォーリアーズを倒したものの、その後のロケッツはかなりヤバイ状況になっています。走らない、3P入らない、ミスのオンパレード。それでも何とか勝ってきましたが、遂に連敗。
◯2P 65.1%(1位)
◯3P 31.1%(29位)
以前書いた「3P乱れ打ちだけど、2Pの確率を高めようとしている」というのに適合した結果を残してくれています。
だから何とか勝っていましたが、それもまぁ限界というほどの酷さに。
まぁ色々とトンデモナイチームです。
ダントーニらしさはどうも失われていた感じはしてきましたが、それがわざとなのかどうかは読み取れませんでした。なんせハーデンを筆頭にやっている事が意味不明なので、よくわかりません。
ラプターズが新スタイルに取り組むのは、悪かった自分達を反省して変えるためですが、たまに良かった自分達を進化させるために悪い事するチームがあります。それを勝手に修行と考えていますが、ロケッツが修行しているのかは知りたいところ。
なお、管理人が最も修行していると感じてたのはバックス。チームオフェンス減らして個人が頑張れや!って感じです。
データ並べてロケッツヤバイ!という記事も考えていますが、それが修行なのかは重要な部分です。



ニックスは酷評した内容のサンダーとの開幕戦から3連敗。ダメダメと思いきや、そこから3連勝。相手もネッツ、キャブス、ナゲッツでした。
こちらも検証記事を書きたいところですが、番記者じゃあるまいし、3試合悪くて、3試合良かったで書くのも如何なものか。
開幕戦で悪かったところを思い出してみます。
・ポルジンギスとカンターのインサイドは、よく走るしかなりヤルよ!
・ハーダウェイjrとリーはプレーを判断しながらも、ちゃんと得点できるアウトサイドだよ。
・そこそこ勝てそうなチームじゃないかな。イーストだし。
・PGが酷い。とにかく酷い。何も活かせてない。
まぁムリだよという内容。しかし、ちょろっと見たキャブス戦ではジャレット・ジャックがPGスターターにニリキナが2番手になりちゃんとやっていました。



ジャックは特別な事はしていません。シンプルにボールを回し、ポルジンギスとカンターを使っています。ポストアップさせたり、ピックに使ったり。生じるのはマークのズレとポルジンギスのミスマッチ。
そしてインサイドにボールを回せばウイングも空くのでリーもハーダウェイも得点出来るように。もう単にシンプルにやっているだけ。
ニリキナもジャックがお手本になったようで、シンプルに繋いでいきます。1人で何とかするよりも非常に効率的。正直、何かしてたかと言うと何もしていませんが、それはチームを効率的に回しているという事。その分、ディフェンスを頑張っていました。
また、スピードアップしています。カンターは本当によく走るので相手のインサイド陣は困ってしまいます。そしてディフェンスは前を走る選手から優先的に捕まえていくので発生するのはマークのズレ。
ポルジンギスのようなタイプを誰が守るかは重要なので、このズレでミスマッチを生み出しプレー選択が楽になっています。
少し試合を見た限りはこんな印象です。



部分的には昨季の逆になる構図です。
走らないロケッツvs走るニックス
考えようによってはニックスがロケッツの良い部分を復活させるかもしれません。
また、インサイドに人を割かないロケッツとインサイド押しのニックス。本来はロケッツが走って然るべきですが、逆なのはバスケが大きく変わってきた事を示してもいます。



強いのかな? 強いよなニックス
笑えるほど普通にロケッツしているロケッツ。いや、もう、普通に昨季の強いロケッツ。
そんなロケッツ相手にリードを奪うニックス。
PG陣はシンプルにボールをはたくわけですが、まずはスクリーンの選択があります。オフスクリーンでシューターとポルジンギスによるポジションチェンジ、またはピックプレーです。前はこれが中途半端だったり待てなかったり。
そこで生じたフリーの選手やミスマッチになったポルジンギスを狙っていきます。基本的にポルジンギスがスクリナーで、シューターはコートを大きく動きます。ディフェンスは大きな動きについていくので、スイッチしちゃうとポルジンギスのミスマッチが発生します。
ポルジンギスvsハーデンやゴードンという場面が頻出します。そんなミスマッチで確率よく決められたわけじゃないけど、このプレーが絡んでからボールが出てくるので、フリーなら躊躇いなく打つアウトサイド陣。ハーダウェイが3Pを確率よく決めたこともありニックスの先手になります。



そしてそんなリズムの良さは早い展開にも繋がります。早い展開を選択して成功しているのは、前述の通りミスマッチを作りやすい事もあるけど、ハーフコートになっても然り、とにかく躊躇わずにシュートを狙える戦術になった事で確率が良くなったのだと思います。
それを可能にするのはブルーカラーの役割をひたすらこなすカンター&オクインの献身性です。昨季活躍したエルナンゴメスは出番が減りましたが、こんなチーム事情が大きいです。
そしてそれは走らないカーメロ時代に選択できたかは怪しい戦術。今のニックスにカーメロがいたら可能だったかもしれませんが。ノア・・・。
シュートチェックの流れから前を走っていたポルジンギスにパスが通り、ロケッツディフェンスが寄ってきたところで次に走ってきたのがカンターでパスをもらいダンクなんてシーンもありました。
センターにあれだけ走られたら周りも走らないわけにはいかないよね。



そんなニックスの流れはセカンドユニットになっても継続します。人が動きチャンスを作り、ノーマークにしっかりとパスを出す。
しかし、この時間に追いつかれてしまいます。
理由はシュートが入らなかったから。
そして単純にポルジンギスもカンターもいないから。目立たせるべきインサイドで個人で得点する選手がいません。
平均得点を伸ばしているポルジンギスですが、それはポルジンギスの特徴を意識した戦術になり、全員の意思が同じ方向を向いているからと感じました。
ミスマッチになったら自由に打っていいよ。リバウンドは任せとけ!byカンター
逆に言えばポルジンギスがいないと路頭に迷います。
強いよニックス。でも、個人で頑張れるタレント不足なのも事実だよ。
そんな印象です。開幕前の印象に戻りましたが、PGがちゃんと戦術を意識しているのでよりポジティブです。それはニリキナの成長を待てる体制でもあります。



ロケッツするロケッツ
開幕戦で最高峰のオフェンスをみせつけたロケッツは急激にトーンダウンしていました。前戦のシクサーズ戦を観ていましたが、それはまぁ酷かった。
で、冒頭の「何の修行をしているのか?」という疑問を解決しようと思いましたが、普通のロケッツでした。「反省したから見直した」というには激変過ぎるので、多分何らかの修行をしていたのだと思いますが。
ロケッツのハーフコートオフェンスを超簡単に言うと、2人がコーナーまで広くスペーシングして、3人がよくわからないスクリーンを掛け合って、リングにダイブするか、フリーになって3Pを打ちます。
ところが、そもそもスクリーンをかけない場面ばかりだったシクサーズ戦。ハーデン任せの崩し。動かないカペラ。無理やり打つ3P。
しかし、このニックス戦ではちゃんとスクリーンを掛け合います。3人の組み合わせも頻繁に変わるので、コーナーにいるから参加しないわけでもありません。スペーシングと思いきやカットプレーも使います。
そんなわけで、頭の中にある昨季そのもののロケッツを披露してきたロケッツ。ハーデンはそんなに目立たないし12点だし、チームもFG44%なんだけど、ちゃんと60点に届いた前半でした。
このロケッツにニックスが勝てというのは酷です。シクサーズ戦のロケッツなら勝てたけど。勝つためには後半にロケッツがロケッツしない事を祈るだけです。



もう少しロケッツを語ろう。
3Q開始直後にロケッツが一気にリードを広げます。そこで行われたのもシクサーズ戦とは違うシーン。ハーデンがボール持ちまくるイメージのロケッツですが、意外とウイングの位置に早くボールが渡ります。それは7秒オフェンスに代表されるアーリーオフェンスで3P打つこと、エンドライン側をドライブで切り裂く事、そしてワイドに広げてセンターラインを空けて利用するためです。
まさにダントーニの教科書通りのプレーが連続したロケッツ。最終的にはセンターラインを走ってきてフリーになったカペラのダンクでニックスはタイムアウトを取りました。
ニックスは自分達がやっていたカンターの走りを、よりシステムとしてみせつけられた形です。よく走るニックスだったけど、こんな仕組みはありません。



失速したニックス
ロケッツがラッシュしたようにもみえるけど、実際にはシュートが確率よく決まっただけで前半と大差ない内容でした。
違ったのはカペラの速攻が2つ決まった事。そこにあるのは走るのに不慣れなニックスの体力的な問題。
特に2つ目の速攻ではカンターが置いていかれました。カンターはよく走るし、エネルギッシュでサンダーでも人気者でしたが、役割がベンチポイントだったので、こんなに長時間は出場していませんでした。
コーナーからトップへパスして3Pを打たせ、逆サイドに落ちたリバウンドをとってしまう等、後半も動いてはいましたが、やっぱり次第に奪われているスタミナ。
ブルーワーカーを1人しか置いていないニックスのユニットなので、そこが疲れると失速します。そして誰も絡まなければロケッツのトランジションオフェンスが加速するのは当然だったかな。
ベンチからオクインが出てきて少し盛り返したのは、そういう事です。



ロケッツ自体も自分達は走らないけどアーリーオフェンスでディフェンスを走らせ、スタミナと緊張の糸がきれたところでラッシュするのが、勝つための本当の狙いです。
自分達はあまり上げ下げをしないので、淡々とこなしていく。
3Pの確率が悪いけど、この試合の打ち方ならばそこまで悪くなることはないはず。おそらくこれまでは相当酷いセレクションをしていたのだと思います。



ロケッツディフェンスとポルジンギス
3Qで勝負を決めるのはロケッツのパターンです。それは意外と強くなかった4Qにも関係しますが。
ロケッツのプレーオフの反省はディフェンス。スターターは昨季通りでしたが、ベンチから出てくるのは昨季はいなかったウイングディフェンスのPJタッカーとバーアムーテ。意外と守れてたブラック。
ベバリーと違いどんなポジションの選手でも守れるので、ロケッツはスイッチを厭わずマークを変えても守れる自信があります。それは4Qへの強化でもあります。



ポルジンギスのミスマッチを使いたいニックスだけど、そんなロケッツのラインナップがイージーシュートを許しません。最大のストロングポイントを削られていったニックス。
それでもよく決めていたポルジンギスですが後半は失速します。
◯ポルジンギス
19点 FG39%
でも残念ながらここが機能しないとニックスの面々は悩んでしまいます。他には選択肢がありません。それがプレーオフレベルではない理由でもあります。まぁここまでマークマン関係なく守れるチームはレアなので、そこまで気にしなくて良いと思います。



ニックスの宿題
点差こそひらいたけど、内容としては悪くなかったニックス。でも、宿題はいっぱい。
ポルジンギスの代役
多分ビーズリーなんだけど、少ししか出てこなかった。コンビとしてのエルナンゴメスとオクインは信用されてないのか?
ハーダウェイjr
スターターとしては合格レベルだけど、個人で何かを生み出すほどではないハーダウェイjr。しかしハリソン・バーンズなんて例もあるし、やる気はかなりありそうで、セカンドユニットに混じるとスピードのミスマッチを積極的に攻めました。
ニリキナ
ジャックのPGは良かったけど違いは生み出せない。そして違いを生み出す必要もない。だからニリキナも安心してプレー出来ています。同じルーキーでもスミスjrとかフォックスは違いを生み出すことを学ばなければいけない。2点だけど8アシストはそんな雰囲気を出したスタッツです。
3Q最後はハーデン先生がいっぱいレッスンしてくれました。明らかに狙っていた感じのハーデン。決められまくったけど、同時に止める場面もあったので、トータルで5スティールとディフェンス優秀になりそうです。
繰り返しますが、本当に良かったです。これを1試合続けられるかは不明だけど、ロケッツ相手に測るものではないかな。



ロケッツの謎
普通にこの内容なら、調子悪くても今の平均スタッツはあり得ないのですが、一体何を試していたのか?
まぁ1つだけ感じたのはバーアムーテをアリーザにしたいのかな、というくらい。アリーザは必要ならペネトレイトもするけど、PJタッカーもバーアムーテもそこは怪しい。やらせるならバーアムーテの方かな。そのために、もう少し難しいハンドラーをやらせているとか? かなり好意的な見方。
◯3P 19/52 36.5%
◯アシスト 21
このロケッツが好調なロケッツかというとそんな事はありません。まぁ普通レベル。好調な時はもう少しアシストを稼ぎます。
普通にやれば普通に強いという事。
それにしてもベンチを信じないダントーニ。控えのガード2人も普通にやれていると思いますが。
先に出てくるのは中国人(読み方がわからない)。うーん、全くもってNBAレベルにない選手。ドライブもパスもまともに出来ないのか?
しかも、この選手はあり得ない3Pを打ちます。「ロケッツはやたらめったら3P打つよ」と間違った解釈をしていそう。この選手を通して分かるのが、ロケッツは実はちゃんと作って3Pを打っているという事実。
ちゃんとやったから、普通のスタッツになったロケッツでした。ワールドシリーズの応援でバスケの練習してなかったんじゃないの?



バックスvsホーネッツ
1Qだけみた試合。修行していたバックスがサンダー戦の大敗を受けたためか、スターターをソンメイカーからヘンソンに変更し、プレーオフでみせたチームオフェンス徹底バージョンになっていました。
それはもうサンダー戦とは大違い。若手にこんな事を徹底させてしまう、これぞキッドHCという内容でした。
◯アンテトクンポ
14点 5アシスト 3ターンオーバー
FG31% 13リバウンド
実はチームとして本気を出すとアンテトクンポの得点が減るのは想像通りです。確率悪すぎた理由は知りません。でもターンオーバーは多くないし。
それでもチームは121点取っているので、これがバックスの本気バージョンだと考えています。

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