ルーキーの中で超新星と表現したのはベン・シモンズとジョン・コリンズの2人。時代を変える魔力を秘めたビックマン
時代を変える、つまり戦術を変え、次の時代の選手に求める資質を変えるのはスーパースターだけではないのだ。代表格はロバート・オーリー。現代ならばどのチームも欲しくなる3&D&Rの先駆け的存在のウイング。
史上最高のPFと聞かれれば様々な選手が上がるだろうが、現代に繋がる模範的なPFといえば、あらゆるポジションを守れ、高い身体能力があり、3Pを打て、ドライブもパスも出来、正しいポジショニングがとれ、そして7つのチャンピオンリングを持つクラッチシューターになるはずだ。
3Pを打たずにハンドラー、ウイング、スクリナー、パサー、リバウンダー、カッターとシューター以外全ての役割をこなしていくベン・シモンズが時代を変えるスーパースターなら、ジョン・コリンズは時代を変えるロールプレイヤーになれる存在。
しかし、ロールプレイヤーと言うには活躍してしまう。それが超新星のインサイドプレイヤー。
◉データで語れないスタッツ
豊作のルーキー達の中でセカンドチームに選ばれたコリンズは、ドラフト19位でホークスに指名された208㎝、110㎏のPF/C。しかし、試合を観ているとそんなサイズ感は全く感じず、ガードのような体格に見えてくる。ウイングスパン210㎝はNBA規格のビッグマンとしては小さく、スピードが武器である事からそんな印象を抱くのだ。
コリンズの最大の特徴はオフェンスリバウンド。24分で2.4本と高水準で、ポジション取りの良さではなく反応力で奪う。しかし、その割にはリングから遠く離れた位置でのリバウンド数が少なく、データで語りがたい存在。
FG57.6%と高確率で決め、まれに放つ3Pも34%と及第点。しかしミドルレンジは33%程度でシュートが上手いというのも少し違う。145本打ったジャンプシュートよりも多い149本のダンクに、235本のレイアップが高確率を生み出すが、そのレイアップは57%とミスが多い。
典型的なイージーシュート専門タイプだが、それにしては24分で10.5点は高い水準にあり、時間当たりの得点率はテイタムと比べても遜色ない。
スピードはあるけどシモンズのようにボールをハンドルして自ら切り込むほどのスキルはなく、テイタムのようなシュート能力もなければ、アデバヨのパワーもジャレット・アレンの高さもない。しかし、得点もリバウンドもインサイドプレイヤーとしてはリーグの平均を上回る水準で奪うことが出来る。
そのプレーは他のルーキーに劣りはしない。何ともいえない不思議な魔力を放つのがジョン・コリンズ。
◉武器はチームを良くすること
1試合でも観れば「機動力のある現代的なインサイド」ということは理解出来る。とはいえ、このタイプはアデバヨにしろジョーダン・ベルにしろ、今では多く見かけるのでわざわざ取り上げる程の特徴ではない。むしろスピードがあるのにディフェンスはルーズでペリメーターを守れない、いや守ろうともしていない致命的な欠陥も持っている。
しかし、ホークスを数試合観ていくと不思議な印象を受ける。ボールがコリンズを経由するとオフェンスが上手く行ってしまう。それはまた何とも説明しがたいものがあり、ハイライトのように上手い合わせで得点したシーンだけならともかく、単に経由しただけで他の選手が打っても上手くいってしまう。
そこでレーティングを確認するとコリンズが出ている時間は、チームの平均よりも悪くなっている。データとしては良くなっているわけではないのだ。印象とデータが異なるのがコリンズ。
ひとつだけ特徴的になるのがチームのアシスト率。コリンズがコートにいると64.3%と非常に高くなること。コリンズの得点はリバウンドを押し込む以外はほぼ全てがチームの連携から生み出される。だからこそチームの流れがよく見えるのかもしれない。
しかし、「よくぞ、ここに通した」と感じるようなパスが少ないのも1つの特徴で、パサーが素晴らしかっただけではない。広くスペーシングしているホークスとはいえ、多くのヘルプが寄ってくるはずのインサイドなのにコリンズが合わせると広いスペースがそこに存在している。
単純に合わせのカットプレーをしているだけのコリンズ。そのプレーは
「空間を生み出す能力に長けている」
といえ、パサーからすると「パスを出さずにはいられない動きをしている」と推論している。その動きはディフェンスにも通じるので速いヘルプが寄ってくるが、そうなると冷静に捌くホークスオフェンスによりアウトサイドのフリーが簡単に打つ。
コリンズは単純な合わせのプレーだけでディフェンスを崩せてしまうオフボールムーブの質の高さがあり、オフェンスを向上させる魔力がある。
オフボールムーブの質でディフェンスを崩すのはシューターというのが常識だ。レジー・ミラーにしろクレイ・トンプソンにしろ、ボールを持っていない選手に対して連携して守らないと行けないのはディフェンスのストレスになり、パスが来なくても仕事が出来る。
ビックマンでありながら、そして運動量が多いわけでもないのに、スペースを見つけスピードを活かして飛びこんでくるコリンズは非常にイヤなタイプの選手であり、ボールに触らなくてもチームオフェンスを良くすることが出来る。つまりは、全員をプレーに絡ませる魔力がある。
◉平均的な能力
コリンズはパスを捌くポイントフォワードにもなれそう、そう思ったもののアシスト数は伸びていないし、パスを出す先にハッキリとした目線を送って出すので難しい気もしてくる。しかし、リバウンドから自分で持って行くハンドリングがある、そう思ったけどNBAレベルで相手を抜くほど上手くもない。
アウトサイドシュートも決めるけど得意ではないし、身体能力の高さはあるけど圧倒的というわけでもない。万事が及第点レベルなのがジョン・コリンズ。ただし及第点は「ビックマンとして」ではなく「NBAレベルとして」なので、ポジションチェンジが多い現代ではオールラウンドな選手として、様々なシーンで優位性を生み出す。
いうなれば「バスケIQが高い」のだが、意識してプレーを変えているような頭の良さは感じない。IQが高いというのもちょっと違うのだ。本当に「フロアを俯瞰的に観てスペースに移動して行く」という部分のみが優れており、いや、それすらも人とボールの動きを察知している印象はなく、天然で巻き起こしている気がする。
極めて平均的だからこそ、平均を超えるスタッツを残すのがジョン・コリンズなのかもしれない。そして、ここにスペシャルな能力が加わるとアンソニー・デイビスになるのかもしれない。
オールラウンドな能力を求められるのが現代バスケであるならば、全ての能力を平均的に上げてきて活躍しているコリンズは、目指すべき指標になり得る存在だ。そしてバスケットで最も大切なのは「周囲と連携できること」であることも感じさせてくれる。平均的であっても連携力があればしっかりと活躍出来るし、連携したくなる魔力を持っている。
ジョン・コリンズの魔力とは「これが凄い」と表現することが難しく「データにも表れない」のだけど、試合を観ていると何故か上手く行っているように感じてしまう印象度であり、個人スタッツを残している結果の不思議さでもある。
そんなコリンズはまだ20歳。オールラウンドな能力をもっているということは、多くの戦術に対応出来るし、伸び代も多く残されているということ。HCも交代し、シューター系の選手を多く獲得してチーム全体が生まれ変わろうとしているホークスにおいて、どんな役割でもこなす事が出来、チームのあらゆるシーンを改善してしまうそうだ。
シューターにパスを供給するポイントフォワードとして、タイミングの良いカットプレーをするフィニッシャーとして、コーナーから3Pを決めるスペーサーとして、オフェンスリバウンドを拾い上げるハードワーカーとして。
おそらくエースになることはないし、目立たないけど黒子役でもないのがジョン・コリンズ。不思議なほどにチームを良くしていく魔力を持った期待株。
208センチって、何か特有の魅力がありますよね。オーリーもオドムもクリスウェバーもそうだし、シモンズも伸びてそうなりそうだし。コートを爆走しても綺麗に見える限界というか。しかもみなバスケIQが高いし。
それ以上デカくて走る選手は、異様な見た目というか、怪我しやすいかIQが低い気がするのです。
というか、アミヌばりのDFを身につけて真のオールラウンダーになって欲しい。DFのできないビッグマンはもう生き残れない。リバウンドはガードでも取れるけど。そしてフィジカルも磨いて最終的にはCになって欲しいですね
向こうはインチだから206、208、211なんですよね。間がない。
その中で208だと単なるビックマンとしては生きていけないけど、高さを活かさないのも勿体ないのでしょうね。
アミヌみたいになるのは、今のディフェンス意識では難しいでしょうね。
十分に守れるだけの身体能力はあるので、連携を教え込んで欲しいです。
スペルマンとのコンビは独特なインサイドコンビになりそうで楽しみです。
中心選手もHCも変わる中でどんな役割を果たすか気になります。例えば最近のウォリアーズのセンター陣だと誰に近そうですか?
ウォーリアーズにはいないかな。強いていうならばマギーの様にプレーするドレイモンド。
ドラフト時のスカウティングレポートでは、IQが低いと評されてたんですけど意外です。
全てがギリギリ注意を払うほどでもなく、相手があっやべ!と視線を集めた瞬間に、周りがスペースを得ているような印象です。
IQは高くないでしょうね。天然で出来ている感じ。
ギリギリ注意を払うほどではないから主役というイメージがゼロで、でも様々な局面で優位性を活かしてます。基本的な技術というか、基本的な連携の繰り返しなんですよね。だからなんかチームを良くする魔力がありそうで面白い選手です。
コリンズにしろ誰にしろ、17-18のルーキーは豊作ですね。将来の成長が楽しみになるばかりです。
あと、個人的には今までのですます的な口調?の方が頭に入ってきやすいので、できれば変えないでほしいw
語尾も変えてテストです。
個人的にはこの書き方は嫌いです。
そのうち戻します。
口調の違和感がすごい…。
IQとディフェンスを向上できればボリスディアウになれますかね。
前の口調の方がしっくりきますよね。でもこっちの方が一般的みたいですよ。
ボリス・ディアウになったら太っちゃうからダメ!
確かに口調は前の方が管理人さんの静かなユーモアが生きますよね
でも色々試行錯誤してるのは、読者として今後どうなってくのか楽しみ
空間を生み出す能力というのはコーチングである程度変化するかもしれないけど、やっぱり持って生まれたまたは成長過程で培われたものなんですかね。希少な能力として扱われている印象があるので
そうなんです。なんかユーモアとか混ぜにくくなりました。
「スクリーンからディフェンスをガードしてリングに飛びこむ」
って基本の基本ですし、NBAの試合を観て散々理解しているはずが、いざ自分が上手くやれるかというと無理です。
スピードや高さ、反応能力など細かい個人差で適切な方法は変化するのだと思います。
アンソニー・デイビスは無茶なパスでも全部とれてしまうから最強で
ホーフォードはそれは出来ないけどシュート力があるから空いたスペースを探しますし。
いろいろ考えていくと、自分なりのタイミングがNBAレベルでハマるかどうかは重要かなと。
今回の記事もとても面白かったです。私はにわかで、スター選手ばかりに目が行きがちなので、こういった記事はnbaの楽しみ方の幅が広がるのでとてもありがたいです。これからも楽しみにしてます。
たまに見つける興味深い選手について書くショートスタイルをしばらく書きます。
普段のデータ並べているのは、行間を飛ばしまくるので、たまには選手主体にして読みやすそうな内容にしてみました。
今週はこんな感じで、誰だか怪しい選手も超有名所も出てきます。