ターナーとサボニスの成長競争

ペイサーズの未来はターナー次第と思われていた。しかし、やってきたのはスーパーエースとライバル。動き出した競争原理はターナーを変えていく。

 

◉ターナーとサボニス。ペイサーズの未来を決めるライバル関係

 

MIPを受賞したビクター・オラディポを中心に、スターではないけど堅実な活躍を見せる選手達とチームケミストリーを武器に快進撃をみせたペイサーズ。全員が活躍するチームバスケは熱狂的なファン達の心を打ち、特別なシーズンとして認識されていきました。その勢いはオフの補強でも止まらず、他のチームからも狙われていたタイリーク・エバンス、カイル・オクイン、ダグ・マグダーモットというFA選手の補強に成功し、新シーズンにはさらなる飛躍が期待されています。

しかし、プレーオフを勝ち抜きファイナルを目指すのであれば補強だけでは足りません。ペイサーズがリーグの強豪にステップアップするために欠かせないのが、同じポジションでしのぎを削るマイルズ・ターナーとドマンタス・サボニスの成長です。

 

◉フランチャイズを担うターナー

 

2015年のドラフト11位でペイサーズに入団したターナーは、パワーフォワードとしてルーキーシーズンから活躍すると、より機動力のあるオフェンスへの移行を打ち出したチーム方針により2年目からはセンターにポジションを変更しました。

スピードに優れたターナーは高い反応力を活かしたブロックでディフェンスを支え、そしてオフェンスではそのスピードに加え、アウトサイドのシュート力も併せ持った現代的なセンターとしてフランチャイズプレイヤーとして期待されています。スクリーンからミドルや3ポイントシュートを狙う形は守るのが難しく、また相手のビックマンをアウトサイドに引き出すことでガードのドライブを有効にします。

一方でインサイドのプレーには不満も残ります。高いシュート力に反してゴール下での得点力を欠き、そのスピードを有効活用しているとは言い難いものがあります。何よりもリーグ3位となったブロック力がありながら、リバウンドは6.4に留まってしまいました。

 

〇マイルズ・ターナーのポイント

【ストロング】スピード・ブロック・3P

【ウィーク】リバウンド・インサイドでの力強さとカットプレー

 

◉伝説とは違ったサボニス

 

そんなターナーの弱点を補う活躍を見せたのが、ポール・ジョージとのトレードで加入したドマンタス・サボニスでした。ターナーの翌年に同じくドラフト11位でサンダーに入団すると、シュートの上手いビックマンの先駆け的存在であった父をもつこともあり、サンダーではストレッチ4としての役割を求められ3ポイントシュートも積極的に打つパワーフォワードとして活躍しました。

ペイサーズではターナーの控えのセンターとして起用され、ブロック力はないものの短いプレータイムで7.7リバウンドを記録しました。またスクリーンをセットするとアウトサイドに広がるよりも、インサイドにダイブすることを好み、巧みなポジショニングと相手の裏をかくカットプレーでゴール下に飛びこんでいきます。ノーチャージエリア内でのFG65%もターナーを上回っており、アンダーサイズのセンターながらインサイドでの強さを発揮しました。

その巧みな動きは一気にリーグトップレベルにステップアップしており、スピードや高さといった身体的特徴で劣るビックマンが身につけるべき動きを指し示してくれています。一方でその分ブロック力を欠き、ミドルレンジもFG40%を割るなどシュート精度に課題を残しています。

 

〇ドマンタス・サボニスのポイント

【ストロング】リバウンド・インサイドでのポジショニングとカットプレー

【ウィーク】スピード・ブロック・アウトサイドショット

 

◉レベルアップが左右するペイサーズの将来構想

 

共に22歳で本来はパワーフォワードでありながらセンターにコンバートされた共通点のある2人なので、同時にコートに立つこともありますが、ハイポスト近辺でのプレーエリアが被ることもありオフェンス面があまり効率的ではなくなります。相性が良さそうでいてスペースを潰し合ってしまう難しい関係性。そしてディフェンス面で共にサディアス・ヤングほど守れていない課題。

補い合うのではなく競い合っているような2人のライバル関係は面白く、そしてペイサーズのチームカラーを多様なものにしてくれます。

 

チームの顔はターナーですが、チームケミストリーが売りのペイサーズなので合わせのポジショニングとタイミングが上手いサボニスの方がより機能しており、シュート精度が向上するとベンチに座るのはターナーになるかもしれません。

一方で、この夏のターナーはアメリカ代表候補にも選ばれトッププレイヤー達としのぎを削り、また肉体改造の成功をTwitterに載せレベルアップしていることをアピールしています。トレーニング方法だけでなく食生活に至るまで、肉体以上に意識改革をしたターナーですが、その原点にあるのはサボニスとのライバル関係だったのかもしれません。

 

戦力が充実しているペイサーズですが、実は昨シーズンからの主力で来オフ以降も契約が残っているのはこの2人とオラディポ、マグダーモットのみです。サラリーキャップに大きな空きが出来るため大物FA選手との契約も可能になります。

・ケミストリーが優れた現行メンバーの残留か

・大物FA獲得を目指すか

それは新シーズンの結果で大きく変わってきます。ファイナルまで進むほどの躍進を果たせば現行メンバーを、大物FAを獲得するためには優勝を狙えるチームである事の証明を。どちらにしても求められるのは結果であり、必要なのはコアメンバーの優秀さです。

ターナーとサボニス。同じ年齢で同じポジションの2人が競い合い成長することでペイサーズの成績は大きく伸びていくはずです。

 

 

ターナーとサボニスの成長競争” への6件のフィードバック

  1. 長いのに慣れてたので読後感が物足りないというか、「え、もう終わっちゃったの!」って思いました笑

    でも、更新頻度が上がるとのことで、楽しみです!

    1. このブログは「NBAを観ている人」向けなので、この書き方はペイサーズファンからすると「その通りだけど知っている」という内容になってしまうんですよね。
      +αの個人の意見をつけづらい。一方で「ペイサーズのことは殆ど知らない」という方には良いのかなーと思ってショートスタイルにしました。

      とりあえず毎日更新しても1週間分のストックが出来ているくらいに、これまでよりも遙かに簡単に記事を作れています。

  2. 来年もしくは再来年、ターナーとサボニス両者共に育成成功した場合、最終的にどちらを取るか
    ファンからすると悩ましい問題ですけど取らぬ狸の皮算用にならないよう飛躍の1年にしてほしいものです

    1. サボニスまで2年間あるので両方成長して、併用できる形が理想でしょうね。
      ゴベールとフェイバーズみたいな起用法になるのではないでしょうか。
      直近の課題はペリメーターディフェンスです。それさえクリア出来るならオフェンスは何とでもなる気がします。

  3. 確かにサボニスが出ていた時間の方が機能していたと思います。来シーズでサボニスとターナーがお互いの弱点をカバーしあえる存在になれるかどうかですね。
    サボニスのディフェンスが向上して、ヤング、サボニス、ターナーを並べるのも面白そうです。
    ブログでは触れていませんでしたが、ダレンコリソンとジョセフもかなり有効的でしたが、ホリデーもサマーリーグ見る限り結構良いと思ったのですが、どういう起用法になると考えていますか?

    1. ホリデーはあくまでも来年以降の戦力計算だと思います。でもジョー・ヤングもプレータイム貰ったように、チャンスは与えられるかと。

      それよりもボグダノビッチにマグダーモットで分厚くしてSFは楽になりました。

      一方で、タイリーク、オラディポ、コリソン、ジョセフは充実しすぎでプレータイムの配分どうするのかな?

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