20171027 グリズリーズ vs マブス

ウォーリアーズやロケッツにも勝ってしまい連勝ウハウハだったグリズリーズを止めたのはマブス。マブスにとっては今季初の勝利でした。
何故マブスが勝ったのかをスタッツで検討するに、単純にシュートがよく入っただけじゃないか?という内容。実際、1Qに14点リードしてそれが響いてるし。
FG48.6%は今季リーグ最低だった41.9%とは大きく違います。グリズリーズはスタッツを見る限りはいつも通り。そもそもシュートが入るチームじゃないし。
そんな両チームがホームとアウェイを入れ替えての翌日再戦は珍しい。



グリズリーズはガソルとコンリーがコントロールして、あとはまぁワチャワチャ守って、適当に点とって、最後は2人に締めてもらうチーム。
でも、このワチャワチャが凄くて昨季からフィッツデイルHCになり、積極的にいろんな選手を使います。みんな同じようにシュートを打つので何気にバランスアタック。
正しくプレーしようぜ!正しいってのが何かはコンリーとガソルが教えてくれるさ!
みたいな形。いっぱい出てくるからディフェンスのクオリティがスタミナで落ちないのも特徴。ファール数24.3は4番目に多い。
ちゃんと守れるけど、オフェンスの武器は乏しいので大量リードされると結構キツイ。どんな相手にも負ける要素を持っています。



マブスはまぁカーライルHCがちゃんとしているから、ちゃんとした事をやるはず。足りないのは選手のクオリティ。
FG34%のバーンズがエースはつらいぜ。だからデニス・スミスjrに経験積ませながらタレントを育てる作戦。
多分それ以外にも狙いはあると思うので確認しようという試合。



コンリーとガソル
コンリーを観るといつも「なんでこんなにアシストが少ないのか?」と疑問になります。全てのオフェンスの起点としてゲームメイクするけど、スタッツにはならない。
それは起点は起点に過ぎないよ!というまでに、ボールがフロア全体を動くグリズリーズ。ゴリゴリインサイドは既に1年前に決別して、5アウトでギャップを作っていく現代的なオフェンスです。
現代的なんだけど、そんな気が全くしてこないのは、個人が高い身体能力で抜いていくようなアスリートチックな動きがないから。ボールは動くけど人は動きません。
ボール回すからフリーなら強気で打っていけ、フリーじゃなければフリーになるまで仕掛けるぞ! みたいなグリズリーズ



昨季から異様に3Pを増やしたガソル。兄は確率NO.1だし、弟も上手いんだこれが。ちなみにテクニカルの時のフリースローも担当します。センターではなかなかいません。
フリーなら1つ目のパスでも躊躇いなく打っていくガソル。フリーなら強気で打て、を実践する。
凄いのはガソルが3Pのフェイクをするとディフェンスはチェックに飛んできます。それくらい市民権を得ています。フェイクからのドライブという至極簡単なプレーで崩せてしまうガソルは脅威です。
ボール回してミスマッチになったらすかさずポストアップなので、ビッグマンが担当せざる得ないし。



基本はそんな強気で狙って、フェイクからドライブを全員が繰り返してシュートチャンスを作って行きます。機会均等オフェンス。
それだけ回していくとたまに相手の穴にぶち当たります。マブスならばノビツキー。ノビツキーとのマッチアップになると周りは離れてアイソレーションします。
そんなグリズリーズ。自分達の都合よりも相手の都合に合わせて攻めていきます。その中でシュート力も突破力もアシスト力も高いコンリーが少し目立ち、中外両方で相手の都合に合わせられるガソルがもう少し目立ちます。
スター2人を中心に考えるのではなくて、チームシステムがあって、システムの中でより違いを生み出すのがスター2人というグリズリーズ。



PGゲームメイクするよマブス
対象的にスクリーンを使い、パッシングし、ドライブしとPGがゲームメイクして全てが始まるマブス。現代的ではない。
ただし、マブスはPGを増やしました。セルティックスが採用しているシステムに近いです。
デニス・スミスjr
ヨギ・ファレル
JJバレア
セス・カリー(ケガ)
スミスjr以外は苦労してきたイメージの選手ばかり。彼らは自分が主役ではなくて周りを活かしていきます。でも自分も強気で攻めなきゃダメなのをわかっている感じの選手達。
ちゃんと作る意識が高いので、変なシュートはあまり打ちません。しかしメイクされたプレーで失敗を重ねるマブス。タレント不足感満載です。
グリズリーズのカバー意識が高いこともあり、なかなか上手くいきません。
前日の試合では決まっていたと思われるので、グリズリーズ側の修正と、安定しないマブスが導き出した結果と思われます。



◯前半のFG%
グリズリーズ 40.5%
マブス 27.1%
速攻が出るわけではないので何1つ爆発した感はないグリズリーズだけど、機会均等で強気なシュートは一定の確率を残し、その上でマブスの弱い部分を攻めるので堅実に得点を積み上げていきました。
大してシュートが決まらなかったマブスなので、徐々に確実に点差が開き、前半で19点差となりました。
FG27%って酷いな。得てして後半になるとシュートが入り出すものですが、なんかもう知りたいことも知れたし、19点も離れたので、前半でこの試合は離脱したいと思います。



追いついてた
気持ちよくなってきてうたた寝して、起きたらマブスが追いついてました。
後半のマブスは56点、グリズリーズはファールゲームもあったのに42点という事で、最大の原因はグリズリーズの失速にあります。グリズリーズの前後半を比べてみます。
◯3P
7/21
3/13
確率も問題ですが、本数の差が響きます。コンリーとエバンスで8本打っており、全員が積極的に満遍なく打っていた前半とは大きく異なります。
機会均等なのにバランスを崩し、個人の突破力不足でアウトサイドを消すと停滞するわけです。
◯FG
前半 17/42
後半 13/31
確率はあまり変わりませんが、アテンプトが急激に落ちています。マブスは46本打っているので、一方的にグリズリーズがシュート数を減らしました。
尚且つ、ガソル、コンリー、エバンスで20本打っていて、やはりバランス悪いです。この3人が打ちすぎなのではなく、他が打たな過ぎです。
◯オフェンスリバウンド
前半 4
後半 5
◯ターンオーバー
前半 7
後半 11
目立つのはターンオーバーの増加。しかもこちらは満遍なく全員がやっています。つまりマブスはメインの3人は止められないけど、他の選手をしっかりと止めにきました。バランスアタックのチームからバランスを奪い取ることに成功したわけです。



マブスは良くなったのか?
前半が酷過ぎたマブス。でもやっている事が間違っているわけではない。
◯FG
後半 19/46
◯3P
後半 9/21
FG41%と別に大した事ありません。正しくプレーしていたのだから、それなりに決めたレベルです。グリズリーズのディフェンスを責めるには厳しい数字です。
◯アシスト
チーム 13
スミスjr 6
前半は7しかなかったアシストが倍増します。特にスミスjrが稼ぎました。マブスはPGから始まるオフェンスなので機能性が出てきたと言えます。
マブスは弱いし、タレント不足だけど、やるべき事をキチンとやってPGが違いを生み出そうとしてるから、良いチームだと思います。ルーキーのスミスjrと2年目のファレルだから伸びるだろうし。
後半のマブスはディフェンス面の改善とオフェンスの調整で息を吹き返した形です。



グリズリーズだってタレント不足
ある意味マブスがもう少し成長したのがグリズリーズ。結局はコンリーとガソルしかタレントはいないし、2人とも「チームの危機だ、40点取るぞ!」なんて事は出来ません。そりゃあロスター比べで順位予想したら低い順位になります。
でも、脇役たちも積極性を忘れず、やるべき事をこなしていれば上手く行くのが前半。積極性を忘れたのが後半。そんな試合でした。
チャルマーズはキレキレだったけど、若手たちは「確かに良い選手だけど、何か感じるかと言えばそれほどには感じない」選手ばかりでした。前半は強気だったから印象良かったけど。



ディフェンスの強さはいろいろあるけど、最終的にはヘルプの収縮の速さだと思っています。とにかく全体が早いグリズリーズは、選手の評価をそれで決めてるのかと思うくらいです。
後半ダメだったグリズリーズだけど、ディフェンスでもたせた試合でした。見てる(起きてる)限りはそこまでダーティーじゃなかったので、ある意味マブスは的を絞りにくいバスケをしていたという事です。



なんだかんだで勝負を分けたのは、コンリー&ガソルに対してのスミスjr&バーンズのエースの差です。スタッツではなく支配力の差とも言います。
これは簡単には埋まらないけど、個人が成長すればグリズリーズくらいまでは上がってこれるでしょう。信じて戦うしかありません。

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