NBA開幕戦2 ウォーリアーズvsロケッツ

チームの骨格が変わっていない両チームの対戦。こちらは予想通り派手な第1Qでした。
得点 35ー34
FG 58%ー50%
アシスト 11ー5
アシストの差で優勢なのはウォーリアーズです。それはベンチメンバーを長時間使う事に繋がりました。トンプソンの爆発の後はニック・ヤングの爆発。懸念事項だったベンチのシューターが活躍した事は大きいです。
デュラント酷かったな。
ロケッツの反撃の時間は食事していて見逃しました。リーグパスって追っかけ再生出来ないのか!



新しい要素
そんなロケッツは1Qから早速ノーインサイドを試していました。ウイングを強化したから出来るラインナップです。
CP3、ハーデン、ゴードン、タッカー、バーアムーテ
試すにはウォーリアーズはうってつけの相手だし。
シューター陣の爆発で度々離されるロケッツだけど、タイムアウトはとらないし、メンバーもそのままにしたり。「10点なんて大したビハインドじゃないぜ!」というロケッツクオリティと、開幕だからローテーション試している感じです。
やっぱりCP3が合いません。合ってないのは多分仕掛けるタイミング。複数の選手が同時に動き出してシューターポジションとるので、タイミング遅れると自力で崩さなければいけません。ハーデンは何度も個人で決めてしまいますが、CP3はそれが出来ませんでした。出来ないのが普通。
ウォーリアーズはディフェンスがよく、ピックアップ早いので、タイミングのズレでパスが通りません。
しかもCP3が個人でマークを外しても誰もヘルプに来てくれないのでパスの出しどころがないです。ハーデンが個人技で決めるシーンが多かったのもそんな理由からです。



前半はそんな感じでした。ロケッツには改善すべき部分があるよ。
でもそもそも11/17の65%も3P決められたらどうしようもないです。ロケッツも62点とっているので、ダントーニの言う通り、「ウォーリアーズは止められない。でもロケッツも止められない。」
ただそれだけです。



ウォーリアーズの恐ろしい実験
3Qも同じように推移します。ウォーリアーズがリードすれば、ロケッツは3連続3Pで斬り返す、みたいな。
しかし3Q途中からウォーリアーズが新しいスタイルをみせます。元々前半から「ディフェンスで変な事してないか?」と思ったのですが、検証する前に選手交代で元に戻ってしまいました。狙ったのかわからないので、中身はそのうち。
なんかマッチアップ変じゃないか、と感じ始めた3Qのある時間帯に現れたラインナップはこれ。
トンプソン
マコー
デュラント
ジョーダン・ベル
グリーン
なんだこのラインナップは?
これはロケッツを苦しめました。ベルがポジションミスするので崩される場面もありましたが、サイズとポジションレスを推し進めたスタイル。
ウォーリアーズ側にはロケッツをとめる手段があるよ、って感じでした。僅かな時間でしたが、イグダラも含めて今後も試されそうなユニットでした。
なお、デュラントがヤングに代わるとオフェンスは崩壊しました。物凄く繊細なバランスみたいです。



再び点の取り合いに
グリーンがケガした事もあり再び点の取り合いになった4Qは見応えがありました。キャブスvsセルティックスが完成度の低いチームの戦い(よく言えば守り合い)だったのに対し、個人で無理矢理決めるパターンがほとんどありません。
カリーとハーデンが個人技ドライブのようで周囲が連動してるし、そこからPJタッカーやマコーにボールが回っても決めて来ます。
残り7分を切ってから、お互いにハーフコートゲームで時間を使っても確率の高い選択肢を選び続けます。リバウンド争いも激しかった。



勝負を分けたのはデュラント。
「ラストショットが時間内だったら」ということではなく、その前にアイソレーション気味からスティールされました。終始酷かったデュラントですが、8ターンオーバーはマズイです。
また終盤の勝負所はデュラントのはずが、動きが悪く、殆どカリーになっていました。カリー自身はよく決めましたが、ハーデン対カリーの効率合戦ならばハーデンが勝ちます。
ロケッツからみると、お互いにオフェンスを止めることが出来ない戦いで、最後の最後にゴードンとアリーザのスティールが飛び出して逆転勝ちでした。タッカーのオフェンスリバウンドも見逃せません。
それも今季の課題の1つであり、補強が成功したわけです。
終始リードしていたので、グリーンのケガがなければウォーリアーズが勝っていたでしょう。



開幕戦という事でお互いにいくつか新しい要素を入れ込みましたが、その一方で試合に使わなかった選手がいるなど勝敗にも拘っています。お互いにインサイドを使えませんでした。
トンプソンと共にウォーリアーズの主役となったニック・ヤングに、スモールラインナップのインサイドになれるジョーダン・ベルはマコーと合わせてウォーリアーズに新しい風を吹き込みそうです。
ロケッツもPJタッカーが3Pにインサイドにと適合すれば、バーアムーテもフリーでしっかり3Pを決めて戦力になっています。ウイングの強化はラインナップに幅をもたらしました。
一方でCP3は連携面で全然でした。ただ、残り5分までターンオーバー0とミスを許容していたロケッツでは貴重な能力です。
アシストも11を記録し、ハーデン10と合わせてダブルPGは悪くない滑り出しではあります。問題はシュートへの戸惑い。ここの判断がロケッツの肝なので、慣れるのを待ちましょう。
11アシスト1ターンオーバーで全然ダメというのはCP3だからです。ベバリーなら賞賛されてました。ディフェンスはベバリーより良かったです。個人を守りながら早いカバーリングをしました。



見所たっぷり。
高度な戦術と個人技。
適度に盛り込まれる新要素。
点差でブレない完成度。
これぞ開幕戦!という充実の両チームでした。
ボックススコアが変な感じなので、更新されたら追記します。



追記するよ
デュラントのターンオーバーが消されたり、チームの集計が合わなかったり、日本語サイトだと試合後しばらくはウォーリアーズの勝利になっていたりと、試合直後のスタッツを信用できなかったので追記です。
上の内容は試合みて感じたことをそのまま書いていますが、ここからはスタッツ使います。データ検証とも言います。



統計泣かせ
◯レーティング
ロケッツ 112.6
ウォーリ 120.7
8も差があります。物凄い差です。そんなわけありません。レーティングは「100回の攻撃機会で何点とれるか?」という指標です。
1試合でみると両チームの攻撃機会は同じ回数ですから、得点が多い方が高くなります。
例外は4つのQ全てでラストシュートを片方が打った場合で、2回オフェンス機会が増えます。ちなみに3Qでロケッツが打ちました。なので1回オフェンスが多かった。
ただし統計的な指標なのでフリースロー1本を0.44回の攻撃機会と計算します。マクロでみたら現実と近しい数字になるからです。
この試合では現実の攻撃機会と統計的な攻撃機会に大きく差が出ました。理由はよくわかりませんが、両チームのスタイルがリーグの平均的な試合と異なっているという事です。



◯FG数
ロケッツ 97
ウォーリ 80
◯フリースロー数
ロケッツ 19
ウォーリ 21
フリースロー数はほぼ同じですが、FG数が大きく違います。FG数の大きな違いはオフェンスリバウンドとターンオーバーの違いです。()内は昨季の数字
◯オフェンスリバウンド
ロケッツ 10 (10.9)
ウォーリ 6 (9.4)
◯ターンオーバー
ロケッツ 12 (15.1)
ウォーリ 17 (14.8)
キーになったのはターンオーバーでしょう。
ロケッツは3.1減らしましたが、ハーデン+CP3で4つだけでした。昨季はハーデン+ベバリーで7.2ですから、まさにダブルPG効果でした。
連携は今ひとつと評したCP3ですが、ミスの少ないプレーがロケッツを引き上げた事になります。ハーデンが持つ時間が減り、グレートなパスは少なくても酷いパスはしなかったわけです。アシスト/ターンオーバー率2.15は昨季のウォーリアーズ並です。
ウォーリアーズはデュラントの8が全てです。アシスト7だった事は付け加えておきます。ブロック4も凄い。



4Qの攻防
両チームらしいハイペースの試合となりました。そして4Qになるとプレーオフのような息詰まる攻防が繰り広げられました。
◯試合のペース
全体 104.3
4Q 91.1
ハイペースの戦いがジャズ並に落ちています。お互いに何度もスクリーンをかけて有利なマッチアップを見出していました。昨季までならロケッツ側に穴があったのですが、ウイングを強化した事で接戦のディフェンスに強くなりました。
◯試合全体のEFG%
ロケッツ 56.2%
ウォーリ 63.8%
◯4QのEFG%
ロケッツ 62.0%
ウォーリ 52.8%
まぁどちらも素晴らしい確率です。しかし4Qの確率差に繋がったのはロケッツが全員が満遍なく打ったのに対し、ウォーリアーズは18本中10本をカリーが打ちました。
カリーの確率に文句は言えませんが、ハーデン+CP3が8アシストするなどバランスアタックをし続けたロケッツ。
これまでの印象と逆のスタッツを残した両チームでした。



そんなわけで印象としてウイングディフェンダー増によるディフェンス強化が効いて、データ的にはCP3による効率化が効いたロケッツの勝利でした。
補強がハマりすぎた勝利にダントーニは心の中で笑いが止まらないはず。
そしてオフェンス回数が1回多かったのは運ですが、それが勝利に繋がったわけです。
お互いに相手が強いから生じた戦いなので、次の試合は違う印象を与えてくれると思います。こちらは単なる1試合ではない1試合でした。

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