HCをランキングしてみる①

HCのランキングはやりたかったのですが、非常に書くのが難しいのでした。

 

ブログなんて所詮は個人の戯言なのですが、戯言は戯言で考えていることをちゃんと表現したいわけです。選手をランクつけするのは大変ですが、それでもなんとなくイメージがついているので、まだ理解が進むのですが、どうにもHCとなると個人の感情が大きく出てくるし、包括的に表現するのが難しすぎました。

 

例えばスティーブ・カーは非常に優秀なコーチです。それこそ歴史に残るレベルの優秀さ。

しかし、ウォーリアーズは戦力が巨大すぎてスティーブ・カーじゃなくても勝てるチームです。この戦力とHCの力量をどう推し量るかが非常に難しくなります。それでいて「ウォーリアーズの戦術は素晴らしい」にも関わらず、ステフ・カリーがいなければオフェンスは停滞することがあります。究極的なシューティング能力をベースに構築された戦術は「カリーとトンプソンがいるから成立する」のか「スティーブ・カーがいるから成立する」のか難しいのです。だからHCの能力を何処までと定義するかは考え方次第。

スティーブ・カーがいなければステフ・カリーは「シュート能力は高いけど個人で打ち過ぎるコントロール出来ないPG」でもあり、カリーがいなければ「ディフェンス面は良いコーチ」になるのがスティーブ・カーなのです。

HCの重要性がどの程度高いかを定めるのは個人の感覚MAXです。そして説明していくと1つひとつが超長い。

 

まぁそんなことを含めて好きに書いていきましょう。評価する対象は2017-18シーズンのみです。スティーブ・カーについては本当に高く評価していますが、昨シーズンは酷かったね。ルーク・ウォルトンに戻って貰った方が良いくらいだった。プレーオフは4人を酷使して勝利したから単なる巨大戦力モードでした。ディフェンスは良かった。あくまでもウォーリアーズはディフェンスのチーム。でもそれを作ったのはマーク・ジャクソン前HC。厄介なのでした。

 

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トータルランキング2018

1位 マイク・ダントーニ

2位 クイン・スナイダー

3位 ブラッド・スティーブンス

4位 スティーブ・カー

5位 ネイト・マクミラン

 

トータルでランクするなら、こんな感じかな。

優勝はロケッツのダントーニ

ロケッツの充実ぶりと何よりも56勝したチームにスタイルチェンジをもたらしたことはダントーニの評価を上げました。プレーオフはケガ人等の誤算でアリーザとタッカーを酷使せざる得なかったことくらいしか反省点がありません。攻守に信じられないくらい細かく約束事が設定されているのに、シンプルな構成をしているのはHCの能力です。

3P多用かつ2Pの確率がリーグ最高、ダブルPG、ウイングとコーナーの活用、スイッチングDなどなど、ロケッツには様々な工夫が細部に施されており、それを選手に落とし込む能力が非常に高いのでした。

 

言い忘れましたがHCランキングだけど、AC達の能力が非常に重要でそれを含めたHCランキングです。コーチングスタッフランキングが正しいかもしれない。ロケッツに関してはGMもか。

 

2位はジャズのクイン・スナイダー。

稀代の策士にして全てにおいて優れた能力を発揮し、ジャズを強豪チームに仕立て上げてしまいました。忘れてはいけないことは、シュートが下手なPGやペリメーターを守れないセンター、運動能力のないシューターなんてものを抱えていることです。HCが違えば泣きたくなるような戦力でした。

現代の常識的な要素を無視しているのにチームとして成立しているのは、戦術レベルで1歩先の未来を歩いています。欠点はドノバン・ミッチェルに頼りすぎたところ。頑張ろうエクザム&アレン&バークス。

 

3位でブラッド・スティーブンス

セルティックスの天才HCはその能力を存分に発揮し、まさかの勝利を勝ち取りまくってきました。信じられない逆転劇の連続は緻密な計算と、譲らない拘りから来ています。誰もが活躍してしまうセルティックスというチームの凄さを感じずにはいられないシーズンとなりました。ただし、チーム戦術の新鮮さではちょっと劣るので3位です。

COYのシルバーコレクターと化しているので、3位でもファンから超ブーイングされそう。

 

4位でスティーブ・カー

優勝したから4位というくらい。これといってないのですが、それはそもそも3年間の中で培われているので、積み上げるものがなかったということ。失敗したのは戦力の充実化です。シーズン序盤はベンチメンバーの活用方法に工夫がみられ予定通り行ったのに、ケガ人のオンパレードで音を立てて崩れ落ちました。

なお、最も良かったのはステフ・カリーがケガで離脱したのをみて直ぐにディフェンスの立て直しに着手したこと。あれがなければウォーリアーズは崩壊していたかもしれません。こういったトータルマネジメントの上手さが光ります。

 

5位はネイト・マクミラン

度々書いていますが、HCとしての能力は疑問視しています。選手交代も戦術もこれといって素晴らしい部分はありません。しかし、これだけのケミストリーを生み出し、選手はのびのびとプレーし、勝利に繋げてきたことは何も否定できません。そして素晴らしい部分を感じなかったけど、マイナス要素も何もありませんでした。負けなかったマクミラン。だからこそ生まれた快進撃だったはずです。

表面的にはみえない部分で高い能力を発揮したのがマクミランです。

 

悩んだのはドゥエイン・ケーシーとポポビッチですが、前者はシーズンで起用しなかったユニットをプレーオフで初めて使うような迷走っぷりで大幅な減点。後者はちょっとキレるタイミングが意味不明なことが多く、加えて謎の若手の大活躍みたいなことも発生させられなかったので圏外です。共に成績面では非常に良くやりました。

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新しい発見ランキング2018

1位 クイン・スナイダー

2位 フレッド・ホイバーグ

3位 マイク・ダントーニ

4位 ドゥエイン・ケーシー

5位 ビリー・ドノバン

 

驚くような要素をもたらしてくれるHCは面白いものです。ゼロから1を生み出すのはNBAでやることではありませんが「この方法でトータルで勝てる」という勇気と計算を成立させるのはNBAレベルでの発見です。衝撃的だった要素をもたらしてくれたHC。

 

1位はクイン・スナイダー

前述の通り、一芸さん達を組み合わせて勝利をもたらすのはシステム的な素晴らしさだけでなく、マネジメントの中で捨てる部分と手に入れる部分の収支計算が上手いHCでした。しかし、もっとも評価したいのは「ストーリー仕立てのオフェンス」です。試合中に戦術を入れ替えるのは、センターの違いで変化させるウォーリアーズを初めとして強豪チームは導入しています。そこはもう常識だよね。

スナイダーが違ったのは、そのオフェンスがストーリーのように起承転結みたいになっている部分。ディフェンスが対応する頃には、その逆を突く戦術に変更されています。1つひとつの戦術変化だけでなく、連続する戦術変化のつなぎ合わせで優位性をもたらすのは新しすぎました。

ユタ・ジャズ ~ストーリー仕立てのオフェンス~

 

2位はブルズのスクリーンコンフュージョン

全員が動いてスクリーンを使ってディフェンスを混乱させるというのは、極めて一般的な発想であるにも関わらず、それをゲームの中で表現するのは極めて難しい。ましてや個人能力の高いNBAではその必要性が低くなります。戦術レブロンの方が確実だし効率的という感じ。

ホイバーグが素晴らしかったのは理想と現実に少しずつ折り合いをつけていくところ。時に驚くべきオフェンスを展開し、数試合後にはミスが起こらない範囲に縮小し、しばらくすると再びチャレンジ部分を増やす。個人の自由も確保して選手をレベルアップさせながら、チームオフェンスも浸透させていく。チャレンジ&カバーみたいなHCです。

あと「負ける」ためにやっているから、そこは難しかったけどね。勝つための収支計算が上手いかは微妙。

ブルズの快進撃はミロティッチ効果なのか?

 

3位はロケッツのダブルポイントガード

でも、言いたいのはPGではなく「2ポジションに3プレイヤー」という形を作り上げたこと。ブラッド・スティーブンス曰く「私の中ではポジションは3つしかない。ハンドラー・ウイング・ビッグだけだ」らしいですが、それを最も的確に表現したのはセルティックスではなくロケッツでした。

非常に有効に機能していたロケッツの選手交代制度は、ウォーリアーズ戦の内容で評価が混乱させられてしまいました。「違うんだ」と言い続けた管理人ですが、その理由がここにあるのです。チーム力を落とさず戦うために、ポジションの概念を3つに減らし、クリス・ポール・ハーデン・ゴードンでハンドラーを、アリーザ・タッカー・バーアムーテでウイングを回すというのは非常に効果的です。それでいてグリーンやライアンのようなオプションも備えていました。カペラとネネイも上手かった。

もうNBAの世界に5つのポジション概念は不要です。それはポジションを減らしたロケッツと、そもそもポジションの概念がないウォーリアーズという2強が示しています。旧来的なポジションバランスの良いチームで勝っていたのはジャズくらい。

 

4位ラプターズの最強セカンドユニット

「あいつら強すぎる!」という被害者の声が至るところから聞こえてきた最強セカンドユニット。それはウォーリアーズ型とロケッツ型とは全く違う路線を進んだ形です。このセカンドユニットを信じたケーシーに脱帽。そして信じなかったプレーオフに落胆という流れです。

この項目は新システムランキングのようでいてHCランキングなのは、ケーシーのようにシーズンを通して自分達の形を作り上げる事が出来るかどうかは采配にかかっているからです。普通は選手個人の評価をしてスターターに繰り上げたりするのですが、セカンドユニットの良さを試合に勝つために利用しました。

セカンドユニットでリードして、スターターがリードを守って勝利する。この戦略がかつてないほど機能したラプターズでした。

ラプターズのセカンドユニットはリーグ最強!

 

5位はサンダーのセンター・グラント

ビリー・ドノバンはゼロから1を生み出す事が上手くて、1を10にするのはあまり上手くない。デュラントを失ったのにウエストブルックシステムを作り上げたのは素晴らしかったけど、それを進化させることは出来なかったのでした。

しかし、忘れてはいけないのはセンター・グラントの存在です。まさかこんな起用方法があったとはね。センターもアウトサイドのシュート力が重要とかいうけど、それをするならSFに守らせてしまえば何の問題もなく、それでいてスピードのミスマッチを常時発生させることに成功しました。重要なのはインサイドで負けない事ですが、運動能力の高いグラントは滅多に負けないし、それ以前にゴリゴリくるセンターがリーグから減りました。

時代の流れが生み出したグラントのセンター起用は素晴らしく効率的でしたが、それを勝利の方程式の中には組み込めていません。だからギリギリ5位。ロバーソンPF化も良かったし、勝利に繋げられそうだったのに。

 

ちなみにこうやって、多くのチームを観て戦術を俯瞰的に書くブログって珍しいじゃないですか。ブログどころか専門誌でもないよね。だから、敢えてそれぞれに自分で名前をつけることを目指しています。一言で言い表せれば、会話が成立しやすくなるからです。

本当はフランク・ヴォーゲルが作り上げたマジックのパッシング&ムービングオフェンスをいれたかったのですが、ケガ人が多すぎて途中から全く機能しなくなったので圏外です。クリッパーズの「脇役専門のツーウェイ契約を混ぜたら上手く機能した」は逆ランキングです。

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モチベーターランキング2018

1位 ブラッド・スティーブンス

2位 ネイト・マクミラン

3位 ケニー・アトキンソン

4位 アルビン・ジェントリー

5位 ジェイ・トリアーノ

 

ラプターズの最強セカンドユニットは全員にタスクが与えられ信頼されることで成り立ったわけですが、HCの役割としてモチベーションを上げることは大切な要素です。試合を観ていると選手の実力よりも力をださせているチームがあります。あるいは久しぶりに出てきた選手がしっかりと結果を残すチームもあります。それはモチベーターとしての能力が高そうなHC達です。

 

1位は文句なしのブラッド・スティーブンス

セルティックスは狂っているくらいに全員が活躍してしまいました。しかも経験の浅い選手達ばかりなのに。アイザイア・トーマスの話を聞いても、ブラッド・スティーブンスの1番の凄さはここにあると捉えています。そういえばグアルディオラもそんなタイプなんだよね。

選手達を信頼して送り出し、自分達のやり方を貫き通す芯の強さは他のチームを圧倒しました。だからこそ信じられないような逆転劇を繰り返したはずです。試合中に最後の一押しの言葉をかけられるのがブラッド・スティーブンスです。

なお、1回やらかしたことがあって、速攻でミドルを打ったジェイレン・ブラウンに対して、わざわざタイムアウトをとって文句を言い、その後懲罰的にベンチに座らせ、結果的にチームは崩壊して負けていました。他の選手達には許すのにブラウンとテイタムには厳しそうなイメージがあります。

 

2位はペイサーズのネイト・マクミラン

説明不要な気がするよ。オフェンスパターンとか酷いんだけどね。オラディポに丸投げするようなことも多々あって、だけどそれが信頼という言葉に置き換わってオラディポの新たな可能性を引き出すことに繋がり、非常に上手く行ったイメージです。時には理屈よりも気持ちが重要だと言うことを教えてくれました。

とはいえ、絶妙だったのはサボニスやランス・スティーブンソンをはじめとするベンチユニットの使い方です。彼らの調子が良いと判断したら、勝てると信じて終盤まで引っ張りました。ダメなら即交代。これが上手く機能するようになったのです。調子のらせたら怖い選手を活用しました。

ペイサーズが厄介なのは終盤の勝負所が2回あって、4Q序盤のベンチユニットがディフェンス力と勢いで試合を決めにきて、それを乗り切るとスターターがオラディポ中心で勝負してきます。考え方は最強セカンドユニットに似ているかもね。

信じられないけどクラッチタイムの強さはリーグ屈指!

 

3位は管理人のお気に入りケニー・アトキンソン

選手再生工場として名高いネッツ。失敗はオカフォーくらい。

ネッツに来れば現代的な能力を身につけることが出来、磨き上げられて他のチームに求められる選手になります。移籍したら沈黙するケースも多々あることから、アトキンソンのモチベーターとしての能力を示してもいます。誰もが自分のもつ能力を信じてプレー出来るのは秀逸な環境です。

チームの中心であるディアンジェロ・ラッセルが離脱するとディンウィディーが登場したわけですが、ラッセルは復帰後も簡単にはスターターには戻さず常に競争の中に置かれていました。プレーが良くなければ試合終盤はベンチに座ることになり、逆に勝負所はラベートだったり。そんなラッセル君も味方の活躍をベンチの最前列で祝福するのはチームが上手く回っていることを示します。

ほどよい競争原理と選手を信じるアトキンソンでした。別に勝っているわけじゃないけどね。

ケニー・アトキンソンという錬金術師

 

4位は初登場ペリカンズのアルビン・ジェントリー

カズンズを酷使してケガさせたり、大切なウォーリアーズとの初戦に準備不足を露呈したりと、あまり評価していないジェントリーですが、それぞれで見事なカムバックをみせたことも事実です。

そして注目したいのはペリカンズのベンチ陣。これといった注目選手がいないけど、誰もが自分の仕事をしっかりとこなし、積極的にシュートを放っています。他のHCと違って、あまりベンチを信頼していないのかプレータイムは長くないのですが、それでもたまに出てくるベンチ陣はちゃんと活躍するので、適切にモチベーションを管理出来ていることが伺えます。

エメカのオカフォーが活躍するなんて誰も信じていなかったよ。そしてダリウス・ミラーは新シーズンにベンチのコアとして成長できるのか。

 

5位はサンズのジェイ・トリアーノ

賛否両論が出そうなトリアーノですが、少なくともあれだけ酷かったサンズに規律をもたらし、それぞれが自分の役割を果たそうとするところまで進歩したのは評価して良いはず。主に変な動きをしていたのはGMなので、トリアーノは良い仕事をしたよ。

トリアーノの場合は「選手に余計なプレーをさせない」ことを進めたので、他のHC達とはスタートラインが大きく違いました。自分勝手な中学生を大学生レベルまで引き上げた感じで、若い選手を良く導けたと思います。まだ社会人までは辿り着いていないよ。

新シーズンはACとなって経験を活かしてくれるでしょう。そしてサンズの面々もトリアーノを挟んだことでココスコフを受け入れやすくなっていそうです。

 

他にモチベーターとしていれたかったのは代わる代わるヒーローを生み出したホーナセックですが、後半戦が酷すぎました。息子問題さえなければリバースも悪くなかったよね。

ちなみにこの分野で超有能なのがスティーブ・カーです。それはポポビッチとフィル・ジャクソンを組み合わせたような良さです。前者は口うるさく厳しすぎ、後者は自分の世界に入りすぎるので、それらを排除したようなスティーブ・カー。でも昨シーズンはチームが規律を失った感じで、ダメダメでした。

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采配ランキング2018

1位 ブラッド・スティーブンス

2位 グレッグ・ポポビッチ

3位 クイン・スナイダー

4位 リック・カーライル

5位 エリック・スポルストラ

 

試合中の采配で流れを変えて勝利をもたらすこともHCのお仕事です。ある意味強豪チームはここにランクされにくくなります。だって普通にやれば勝てるわけで。でも勝利を積み重ねないと、ランクインしない難しさもあります。

 

1位は2冠王ブラッド・スティーブンス。

セルティックスは不思議な勝利をいくつも手にしており、大逆転も日常茶飯事でした。それをもたらすのは采配能力の高さでもあり、タイムアウト明けのオフェンス成功率の高さが物語ります。だってそれまでシュートを外しまくっていた選手にミドルを打たせて得点するとか、何をどうしたらそうなるのか理解不能な采配を連発しました。

ブラッド・スティーブンスの凄さは、モチベーターとしての能力と、試合中でもあまりにも正確に推し量れるマッチアップの優位性をみつけることです。「有利なマッチアップで攻める」と簡単に書くけどあからさまなミスマッチじゃないのに、小さな差をしっかりと突いてくるのは異常な観察眼でした。唯一の失敗はテイタムがJRスミスを苦手だったこと。あのテイタムはちょっとよくわからなかった。

ボストン・セルティックスが強い理由 〜オフェンス編〜

2位はグレッグ・ポポビッチ

ミスマッチを嫌う中でもビックラインナップで優位性を見つけたり、相手にやらせておいてカウンターみたいな選手交代したりと驚くほどに采配で試合を優勢にしてしまいました。スパーズのシステムはほぼ出来上がっているので、特にコメントすることもなかったわけですが、昨シーズンは戦力的に劣ることになったので、ポポビッチの采配部分がかなり目立ったのです。

負けない戦術のスパーズはデローザンで勝ちに行けるのか。

負けない戦術のスパーズ

 

3位 クイン・スナイダー

スナイダーに関しては上記の内容と同じなのですが、戦術の入れ替えを器用にやるよね。そして時に選手交代の順番を入れ替えてきます。主としてゴベアーとフェイバーズですが、ドノバン・ミッチェルの役割も変えてきます。

前半は淡々と自分達のパターンに当てはめていくのだけど、終盤になってくると驚くほどにディフェンスを攻略しているのもジャズらしさです。弱点を見極めて的確に使っていくのでした。エースが凄いのかHCが凄いのか。あるいはココスコフが凄かったらどうしよう。

 

4位 リック・カーライル

シーズン途中で観るのを辞めたマブスですが、カーライルの凄さは節々に出ていました。そもそもマブスはかなりめちゃくちゃな選手構成をしていて、目立ち方を知らないビックマンに、信じられないくらい走れないかつてのMVP、サイズがなさすぎるPG達というハンデを背負っています。現代的にまともなのはマシューズとバーンズだけの気がしてきます。

ところが動けないノビツキーをデニス・スミス&ファレルの高速ヘルプで補うという意味不明な対応をしたり、早い展開をして止まった瞬間に遅れてきたノビツキーに打たせたりと多様な工夫を取り入れて、不利なポイントを有利に変えてしまうのです。

特にビックマンは誰が誰だかわからないようなメンバーなのだけど、試合になると「なるほど!」と思わせるほど活躍してしまうのでした。そこにデアンドレ・ジョーダンがくるよ。

 

5位 エリック・スポルストラ

スポルストラはやっていることが適切なのか微妙な時が結構あります。どちらかというと相手の状況をみて判断しているのではなく、自分達が変化することで対応させない狙いです。なので「手を変え品を変え」と表現しています。だから上位ではなく5位。

その作戦はHCの采配対決みたいになるとこの上なく機能します。スター不足でも全員が戦力のチームは多数のオプションを持ち、その組み合わせで何をしてくるのか読ませないのでした。手数の豊富さで勝負してくるのがヒートです。

スポルストラは素晴らしいのだけど、モチベーターや試合中の観察眼がブラッド・スティーブンスの存在で霞んでしまいます。ところが直接対決では「手を変え品を変え」が非常に効果的にヒットするのでした。

20171221 ヒートから学ぶセルティックス対策

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かつてがどうだったか知りませんが、戦術・戦略を張り巡らすHCが良い成績を収める傾向にあるので、新たなチームで職を得たHC達も注目されています。1番はやっぱりココスコフ。でもチームは簡単には勝てないだろうな。他にもウォーリアーズを目指すホークスはシクサーズ流のパッシングゲームを導入して、でも中心のヤングはダントーニサンズの象徴であるナッシュが手本とか、面白そうな案件もあります。

 

こうやってランキングにするのをやろうと思っていたのですが、網羅的に書くのが難しいのでした。次は違うランキングで書きましょう。

「再建チームを任せたいHC」とか「優勝を目指すためのHC」とか。

自分では考えないテーマがあると面白いので、観たいランキングがあればコメントして下さい。

 

HCをランキングしてみる①” への18件のフィードバック

  1. あれおかしいですね。
    イースタンを勝ち抜きファイナルまで導いたキャブスの名将が入ってないのはランキングミスでは?

  2. 良い感じですね。
    お給料は高いけどシステムが?
    のブルックスが選ばれてなくて良かったです。
    個人的にはジェイソンキッド推しなんですがね。

    1. システム的には悪くなかったのですが、どうにもモチベーションが低かったり試合運びが稚拙だったり。

      ジェイソン・キッドはわりとお気に入りでした。もう少しガマンして欲しかった。

  3. コーチと選手どちらも揃っていないと相乗効果が得られないので評価って難しいですね。
    コーチ各々にも適材適所があるのでACや育成担当を揃えられるチームがやはり強い。

    そういう意味でケーシーがDETでどんな結果を出すのか興味深いです。
    有能ACナース&カラミアン不在の状況でグリフィンポイントフォワード化計画まで成功させてPO進出したらぐうの音も出ませんが

    1. ケーシーはここまで上手く行く匂いがしないので、これで成功したらぐうの音も出ません。

      とりあえずグリフィンにカーダシアンの呪いがかからないようにするのが第一歩

  4. ホイバーグが2位で、ロケッツが3位なのはなんででしょうか?

    1. ロケッツはひとつ1つの発想は別に新しいとも言えず、他のチームでも導入されています。
      ただ、それらを非常にシンプルに構成して、わかりやすく発揮しているのが素晴らしかったです。

      ブルズは他のチームではみないシステムを使っています。それが高評価でした。

  5. ブーデンホルザーは数年前は高評価だったのに…
    レブロンに連続スイープ→解体で評価が急降下。
    未だに名将だと思うんですがバックスで返り咲きできますかね?

    1. HCとしては変わらず優秀で、ホークスは良いバスケをしていました。

      が、選手を見る目がないというか、ほどほどの選手にしかなれない感じもあるのが悩みです。
      既に選手が揃っているバックスに加入するのは良い方向だと思います。

  6. ポポビッチ好きという、すごいと思ってます。
    見てておもしろくはないですが、軍隊みたいですよね。

    1. 一点集中突破でしたがスパーズは良くやりました。
      残る選手もあのスタイルに見合う選手だけなのかも。

  7. 観客を呼べるHCお願いします
    選手にかなり左右されそうですがハイライト連発シャクティン連発みたいな破天荒なチームを作るなら誰に任せるべきでしょうか
    バリーハーディは無しの方向で

    1. ハイライト連発はまだしもシャクティン連発はHCの手腕ではないような。

      リバースみたいな選手の自由にやらせるHCや、ウォルトンみたいなランニングゲームを主体にするHCですかね。

      バリーハーディって意味分からない。

  8. ランキングの案を2つ考えてみました。

    選手の能力を最大化する適切な使い方ができるHCというのはどうでしょう。あるチームで評価の低かった選手が、別のチームに行ったら適材適所で能力を活かされることで活躍したり、良いロールプレイヤーになったり。その逆もありますよね。

    もう一つは、選手個々の力の合計以上のチーム力を生み出せるHCです。上手く選手を組み合わせたり、お互いの良さを活かし合えるようなシステムにより相乗効果を生み出すイメージです。

    よろしくお願いします。

  9. 今年のHCランキング、一位はやっぱりブーデンホルザーでしょうか?
    記事楽しみに待ってます。

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