2017 ファイナル第4戦 データ編

第4戦をデータで振り返ります。試合の印象はキャブス決め過ぎだろ!です。元も子もない感想です。だからデータで見た時にその理由を解析出来るのかがポイントです。
何もなければ好不調が激しすぎるチームとなり、次戦以降の期待はできません。


ついに落としたペース

99.7回

遂に100を下回ったペース。キャブスがオフェンスで上回ったのは確かだけど、試合のテンポも下げられていました。早いペース、とティロン・ルーが言い続けたのはなんなのでしょうか。
しかし、これが本来のキャブスの試合。ハイスコアは良いけどハイテンポはダメ。第3戦でも同じ事を書きましたが、より下がったテンポと増えた得点。

オフェンスならウォーリアーズな気がするけど、あくまでもハイテンポで相手のマークを困難にしイージーシュートを増やすのが本質。フリーなら3Pもイージーに含みます。逆にキャブスは1つのオフェンス効率の高さが売り。相手のミスより自分達の強さ、みたいな。



オフェンスレーティング

キャブス 136
ウォーリアーズ 117

さてキャブスが良かったのは触れるまでもない。ウォーリアーズの117がどんな数字かというと、ウエストファイナルまでの平均が116。シーズン平均が113でリーグ1位だ。
つまり117を残せればNBAで最高のオフェンス力を誇れる。得意の速攻で9点しかとれなかった割に凄い数字だったといえる。
あくまでもキャブスが良すぎた。それも歴史に残るくらいに良すぎた。そんな試合に過ぎない。



何故、あんなに3Pが入ったのか?

答えはわからない。なんせディフェンスが寄っている場面でも50%以上決めている。ワイドオープンでも決められなかったのに。
第3戦後のデータ分析でレブロンからのパスからシュートになる確率が高すぎるとしていた。それがどうなったのか。

第3戦まで の平均
パス64本中28本44%がシュート (3P13本)

第4戦
パス67本中23本34%がシュート(3P14本)

ちなみにイーストファイナルまでは35%だったので、データ的にも良い時の形になったといえる。
このデータが示すものは何なのか。1つはレブロンからのパスで打ち急ぐな、という事。早打ちはダメよ。これはペースダウンにも繋がる。
もう1つはこれまではレブロンがプレーに関与し過ぎ。この試合はアーヴィング様の試合だったともいえる。

ちなみにレブロンは3P37.5%と1人蚊帳の外だった。

また代わりにトリスタン・トンプソンからラブとアーヴィングが3Pを3本ずつ決めている。インサイドアウトの基本が2人の確率を支えていた。
レブロンのパスから打てるのはウォーリアーズのワナの気がしてきたのは第3戦。そして他の選手からのパスで打つ機会が増えて勝った第4戦。ロケッツがスパーズに負けた理由を見直してみたくなる数字だ。



他に3Pが入った理由として、入る選手に打たせた側面もある。第3戦まで決まっていなかったキャブスだけど、JRスミスは43%、レブロン39%、アーヴィングとラブが30%とスターターは悲観するほどでは無い。アーヴィングとラブは第3戦が酷過ぎただけ。

前半13本決めたキャブスだけど、全部この4人だった。ベンチメンバーは打ったのも2本だけ。

これが狙った結果だとしたら、レブロンのパスからシュート数が減った理由にも繋がる。打たせるべき選手に回るまで打たなかったのだ。
特にラブはオープンな状況で打つ場面が多い。第3戦で1本だったワイドオープンが5本まで増えている。セットされたシュチュエーション。

アーヴィングに関しては理由は特にない。強いて言えばボールを持って6秒以上かけてからの3Pが増えており、それを高確率で決めている。普通は確率が落ちるシュートなので、クレイ・トンプソンが聞いたら嫉妬しそうなデータだ。

後半になるとベンチメンバーも決めるようになった。余裕からくるものなのか。

そしてコーナーにキックアウトされたパスから3本くらいエクストラパスで決まる場面があったが、これまでそんなシーンはなかった。その理由はそもそもそこにポジショニングしていなかったから。

あのパターンにレブロンとアーヴィングは絡まないのだが、45°かトップには必ずどちらかがいるわけで、ドライブするとポジションから人が消える。でもこの試合では人がいた。そして打った。

そんなわけでショットチャートを比べるとトップの位置からの3Pが増えている。戦術調整されているでしょうが4試合を見直してプレー分析する余裕はないので辞めときます。

キャブスの3Pが決まった事には理由があった。アーヴィングを除いて。



キャブスファンが懸念すべき事

キャブスがオフェンスリバウンドを奪った事が勝利に貢献した。それは間違いない。ディフェンスリバウンドをとれなかったから速攻が出せなかったウォーリアーズ。

トリスタン・トンプソンが4つのオフェンスリバウンドを奪い、ファイナルでやっと存在感を示した、なんて言われるが単に出場時間が長くなっただけ。

では、何故出場時間が長くなったのか。キャブスのペースで試合が出来たからだ。逆に言えば、これまで出場時間が短かったからペースが早くなり過ぎた、とも言える。ここが意図されたものかどうかが気になる。基本的にティロン・ルーを信用していないので、単にウォーリアーズの速攻が少なかったから出番が長かった気がする。原因が結果を生んだのではなく、結果が原因を生んだケースはスポーツでは珍しくない。



さて、異様にシュートが決まった印象のキャブスだけど、見直すとFG53%と驚くほどではない。3Pだって53%。100回を切るペースで、この確率で130点オーバーはちょっと想像し難い。

その理由はフリースローの多さにあった。キャブスが31本、ウォーリアーズが36本を打っている。確かに中断も多く、流れが切れる形が増えた試合だった。

なお、プレイオフで1番多かったのは負けたセルティックス戦なので多い事がキャブスに有利なわけではない。
いずれにしても、フリースローからの速攻はまずあり得ない。少なくともウォーリアーズがペースを上げようと早打ちしたがってもしっかりと待ち構える事ができる。ペースダウンに大きな役割を果たした。



何が言いたいかというと、この試合のペースはキャブスが意図して実現したペースなのかが、ちょっとわからないのだ。
レフリーが試合のペースを落としてくれ、だからトリスタン・トンプソンの出場時間が長くなり、さらにキャブスペースが進んだ、そんな可能性すら出てくる。

その答えは第5戦を待たなければならない。早いペースだからってウォーリアーズが勝つとは限らないが、少なくとも勝率は上がるはずだ。キャブスファンが懸念すべき事はレフリーがこれぐらい厳しく吹くことを願う事だ。



ウォーリアーズを見直す。

さて、ウォーリアーズを見直そう。これまでは負けたキャブスの問題点を挙げていたのだから、本来はウォーリアーズの悪かった部分を分析したいところだ。でも、単にキャブスが良過ぎたのが事実。ちゃんと得点もとれているし、ディフェンスではアーヴィングを止める術があったのか? いやない。

第3戦までデュラントを止められない事を分析した記憶もないし。

 

特徴的な事実だけ挙げてみよう。

ドレモンド・グリーン
16点 4アシスト 14リバウンド

批判し難い数字だ。数字だけなら。ウォーリアーズはグリーンの得点が目立つとろくな事がない。問題はカリー&トンプソンより多い16本もシュートを放った事だ。なんか昨季もこんな事して負けていなかったか?

キャブスがシュートを決めた理由は主力ばかりに打たせたから。その点でウォーリアーズはデュラントに次いでシュートを打ったのがグリーンというのは問題がある。本来は打たせるのが役割。
118点とった第3戦と比較してみる。

ボールタッチ 78→92
パス 62→66

パスを出す頻度が大きく下がっている。それだけ自分でアクションを起こした事になる。
プレイオフ平均でグリーンのパスは38%がカリーに渡る。そしてトンプソンとデュラント、イグダラが13%程度だ。つまりほぼ均等にパスが渡る。

この試合では42%がカリー、17%がデュラント、トンプソンは9%だった。バランスが悪くなっていたといえる。
カリーはアーリーオフェンスで迷いなく3Pを打っていく日本の指導者に怒られそうな選手だ。プレイオフ平均で

9秒以内のシュート 5.1本 47%
9秒以上のシュート 5.2本 38%

しかし、この試合では
9秒以内のシュート 3本 0%
9秒以上のシュート 6本 33%

確率の低かったカリーだが、それはアーリーオフェンス不足に繋がる。チームとしてもアーリーでの3Pが17%しか決まらなかったのが、確率の低下に繋がっていた。プレイオフ平均は39%だから半分以下になっている。

それも早くするためにデュラントやトンプソンがムリにでも打っていた感がある。それは確率悪い。まぁ悪くても早くしたいからだろうけど。
シュートまでを早くする意識の高かったウォーリアーズだが入らなかった。試合全体のペースは遅かったのでトランジションでもキャブスが振り切られずに守れたともいえる。




ディフェンスレーティング

チーム 136
トンプソン 119
イグダラ 117

ウォーリアーズはトンプソンがいない時間のディフェンスも問題だ。トンプソンのディフェンスレーティング119はかなり悪い数字だが、少なくともトンプソンが出ていた34分は互角に近い。

更に凄いのはこんな大敗にも関わらずイグダラはレーティングがプラスになっている。(オフェンス128)イグダラの21分は勝っていた、という驚愕の事実。なお、イグダラは接戦の第3戦でも17のプラスと圧倒的なデータを残している。

この試合では共に早々にファールトラブルに巻き込まれた2人だ。出場時間が短くなった事がウォーリアーズに大きく響いた。
ディフェンスからの速攻こそがウォーリアーズなので、そのディフェンスが効かないとこんな結果になる。

また、イグダラがいるとPG的な役割も担い、それはグリーンのボール保持を減らす事になる。ボールが効果的に回るコツでもある。
ともに変なファールをしない2人なので、レフリーとの相性が悪くなければ、出場時間を伸ばすだろう。それだけでもウォーリアーズには良い知らせだ。



キャブスが自分達の良さをしっかりと出せた、いや出過ぎた第4戦だった。こんな状態が2試合連続で出るわけない、と思っていたが、3Pが決まった事のポジションにそれなりに理由があった。わかんないのはアーヴィングくらい。

ウォーリアーズがアーヴィング対策を優先すると他の選手の3Pが決まり続ける可能性がある。キャブスがどれだけオープンで打てるか、エクストラパスが回るかに注目しよう。

そして多分、ウォーリアーズはより走ってくる。走りに対抗する事がムダなのは3試合もレッスンを受けたはず。走る前に止めなければいけない。ウォーリアーズからすると走るきっかけを逃してはいけない。ポイントはディフェンスリバウンド。特にデュラントとカリーのディフェンスリバウンド。これが増えればプッシュして3Pが決まる場面が増えるよ。

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