試合の感想とは別に気になる数値で振り返る編です。データ更新されるのに少し時間がかかるため、試合から少し時間が必要になります。
試合のペース
実質的にペースが重視されるのは3Qまで。4Qはウォーリアーズが時間を使ったので。104回ペース。これはウォーリアーズ寄り。
まぁ今季はキャブスが早いペースを好むので不思議ではない。ただ、次戦は落としてくるかも。個人的に印象に残ったのはコーバーがアーリーで3Pを打ったシーン。ベンチの目の前だったので構わず早く行くぞ、という意思表示にもみえた。
,
,
,
FG%
ウォーリアーズ42.5%
キャブス 34.9%
キャブスが勝てるわけない数値。とはいえウォーリアーズもかなり低い。どれくらい低いかもいうと、シーズン最下位のグリズリーズでも43.5%だから普通は負けるレベル。
つまり両チームのディフェンスが機能していた。
ウォーリアーズの確率の低さはクレイ・トンプソン19%とグリーン25%。リビングストンとウエストも気になったけど、基本はこの2人。
トラッキングデータからシュートの状態を調べると、()内はレギュラーシーズン
クレイ・トンプソン
・0ドリブルでシュート割合 43%(66%)
・オープン3P数と確率 3本0%(6.3本 43%)
普段はスクリーンからフリーになってシュートの流れが、出来るだけドリブルをつかせるようにシュートチェックに出ている事がわかる。
グリーン
・オープンシュート数と確率 6本17%(4.3本 39%)
こちらはフリーで打てていたという内容。そもそもグリーンはフリーじゃなければ打たないけど。6本打たせて1本だからキャブスが打たせる相手に選んだのも納得の数字。
クレイ・トンプソンには打たせず、グリーンに打たせる作戦は成功している。逆にいえばこれだけ成功したのに、あの点差は残念だ。
,
,
,
キャブスはレブロンとアーヴィング以外が悪い。前半は41%だった3Pが後半は29%に落ちる。逆にウォーリアーズは23%から45%まで上げた。ウォーリアーズというよりカリー&デュラント。ほぼこの差が後半の差と考えても間違いではない。
レブロンは8アシストしたが、前半は4つ全て3Pのアシスト。後半はラブへの1つだけ。これもオマケみたいなアシストだし。
つまり良いキックアウトが出てこなかった事とも繋がる。後半はオフェンスシステム変えていたキャブス。ハイピックからレブロンのアシストが2本あって効果的だったけど、そこからのワイドな展開には乏しかった。
キャブスはチームでのトラッキングデータをみてみよう。
・オープン3Pシュート 24本 29%(27.5本 40%)
・アーリーオフェンス ショットクロック2秒〜9秒でのシュート数と確率
31本 23%(27.4本 51%)
実はかなりオープンで打てているキャブス。入らなかったのか、リズムを狂わされたのか。ちなみにパスの本数は246本と決して少ないわけではない。
アシスト数は変わらず、後半はターンオーバーを減らしたレブロン。それでもチームの得点が伸びなかった。
更に異様に低いアーリーオフェンスの確率。
ウォーリアーズのディフェンスが良かったのは事実だが、それだけで済ますには低すぎる数字だ。キャブス自体も調子が悪かったと見るべきだろう。
,
,
,
ルーズボール
昔のファイナルでは「ルーズボールへのダイブのようなスタッツに現れない部分が大切になる」みたいな発言があったが、現代ではルーズボールもスタッツで記録されている。
ウォーリアーズ 22
キャブス 6
これがどれくらいの意味があるかというと、プレイオフ平均で最も多いのが、ブレイザーズ15.3。少ないのがブルズ8.2。
まぁどこまでをルーズボール扱いしているかわからないし、ウォーリアーズはターンオーバー4しかないからキャブスがルーズボールを掴める機会が少なかったかもしれない。
ただ、キャブスがレブロン、ラブ、アーヴィングのビック3が2つずつ記録しただけなのに対し、ウォーリアーズは9人が記録している。つまりチーム全体で足を動かしてボールを取りに行けていた、という事。
ディフェンスが良かったというのは個々のスキルではなく、チームディフェンスだったのが想像つく数字だ。
,
,
,
◯試合は早いペースで進んだ。
◯早い展開でシュートを決められなかったキャブス
◯ルーズボールへの寄せも早かったウォーリアーズ
◯ディフェンスの作戦自体はキャブスは機能していた。
◯キャブスがオープンなシュートを決められなかった。
こう捉えるとキャブスの調子が悪かっただけで、ウォーリアーズが特別良かったわけではない。
また、試合の印象も含めるとキャブスは全体としてコンディションが完璧ではなかった。これはポジティブに捉える事もできる。なぜならまだアウェーの第1戦に過ぎないから。
第3戦にピークを持っていければ十分と考えていてもおかしくない。アウェーで1つ勝てればラッキー!勝負は第5戦からさ!!くらいの考え方。
そうすると、
◯1Qで成功していたカリー狙いのオフェンスを減らした事。
◯スモールラインナップを先に行ってオフェンスパターンを変えた事。
◯早い展開を継続した事。
◯諦めるのが早かった事。
こんな部分に納得性が出てくる。まだまだ1つずつ試している段階という事だ。第2戦では極端にペースを落としてみるかもしれない。それを試してチームにリズムが生まれるのかを試す余裕はまだあるのだ。
,
,
,
最後にカリーについて触れておこう。カリーはかなり省エネモードでプレー出来ていた。省エネというのは悪い意味ではない。シュートに力を残せているという事。
時折、変に強気にファイトする姿勢があったけど、チームが勝っている事もあり、かなり良い調子になっている。デュラントの影に隠れているけど、余力のあるプレーが続けばシュートは入り続けるかもね。