2018Bリーグファイナル 雑感

 

普段全くBリーグを観ません。理由はNBAばかりみているからです。そりゃあこんなに観ていたらBリーグに割く時間なんてないですよ。はい。

NBAのゲームレポートやらなんやらで分かるとおり、基本的には連続的に観ていく中でチームの特徴や狙いが理解出来るようになり、そこから戦略的な部分を探していくわけですが、全く観ないのでそれがわからないわけです。レベルが低いとか、そんな事を書くつもりは全くなくて、全然わからないから正しいかどうかわからないよ。

だから雑感です。適当に思ったことを呟くだけです。

 

◉千葉の特徴って何?

 

それはオフェンス力らしいです。そうなると「オフェンスがどうなの?」と言いたくなりますが、初めに気になったのはディフェンスです。得点が多いチームは大抵はペースが早いわけです。そこはムダな失点が増える可能性があるけど、早い展開を生みやすい形になっていることが多いです。弱いチームなら難しいけど、ファイナルに出てくる強いチームならそれなりに特徴があるはずです。

えっ?キャブスにはないって。そうだね。あのチームおかしいよね。

 

試合開始から気になるのは頻繁に東京が逆サイドでフリーになることでした。ゾーンなのかマンツーなのか、ちょっと良く分からない形です。

前半の東京はそこを上手く活用しましたが、途中からパスの判断が悪くなりました。わかりやすくダブルチームに来てくれなかったこともあります。もうひとつはこのパスが上手かったのが小島元気でした。小島がこんな舞台に上がってくるとはね。この小島については後述します。

 

千葉は後半になるとオフボールであっさりとスイッチする場面が出ていました。なお、放送で前半は途中をばっさり切られたので前半からやっていたのかもしれません。

スイッチすると田中大貴がスピードでぶった切るシーンもあったので、簡単に言えばこのサイドでの攻防は東京側が非常に攻めやすいポイントになっていました。田中、ザック、ウイリアムズが3Pを決めていました。スタッツみるとザックは外しまくっていましたが、それだけ空いていたいうことでしょうね。

前半は3P1/6だった東京。決まった1本って前半最後のブザービーターだから数に入らないよね。実質全部外したと言うこと。後半は5/10ですから逆サイドできっちり決めて点差を離した感じでした。

 

ボールサイドを強く守り、プレッシャーからボールを奪って早い展開に持ち込む。それが千葉のパターンなのかもしれませんが、見事に逆手にとられたと言えます。

前半はシュートが外れていただけで、内容的には圧倒していたイメージです。

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◉富樫を止めろ

 

東京のプランは富樫を止める事でしょうね。それは安藤と小島の役割でしょうが、小島の方はわりと失敗した印象です。インサイドへのドライブからライオンズへアシストしたり、自分で決めきったりしていたのはvs小島の時間だった気がします。不正確なら小島さんごめんなさい。大学時代よく見に行ってましたよ。

安藤はサイズで富樫を上回りますが、両手を完全に下げてドリブルコースとパスを意識した守り方をしていました。『富樫の高確率のシュートが』みたいな実況でしたが、実際にはサイズ差もあるので張り付いて3Pラインから遠ざけ、ゲームメイクを阻害する事を目的とし、シュートへの警戒は薄かった気がします。

富樫に決められることを恐れるのではなく、プレー全体のリズムを奪うことが目的の安藤のディフェンスだった気がします。昔、知り合いがこの2人と練習していたと言っていたので、お互いのことが良く分かっているのかな。

 

もうひとつ東京のディフェンスは馬場に代表されるようにオフボールでのプレッシャーが強く、サイドに出てくるパスを防ぐ意識も高かったです。やっぱり『馬場、馬場』ってうるさかった実況でしたが、馬場が目立ったのって、このオフボールのディフェンスが抜群に良かった事くらいです。

なので、安藤と馬場の合わせ技で富樫のプレーメイクは極端に制限されていた印象です。もちろん馬場だけじゃなく、チーム全体で共有されていた守り方です。それが東京の狙いであり、大成功していました。

 

千葉のターンオーバーは17です。千葉にとって多いのか少ないのかは知りません。ただスタッツをみると多かったのはライオンズとパーカーの2人で9つです。富樫は2つだけ。普段は富樫やエドワーズが多いのに他の選手が多くなったのは、プレーメイク出来ない富樫の代わりにアクションしようとしたからでしょう。多分。

少なくともこの試合では千葉が得点の多いチームだという理由は理解し難かったですが、プレーメイカーの少なさは目立ちました。「富樫を抑えきればなんとかなるという計算」vs「富樫が輝いてくれる計算」だったのかもしれません。

 

そしてターンオーバーが少なかった富樫、小野、エドワーズの3人はFG25%前後なので、見事に全員を何らかの形で困らせた東京でした。

 

そういえば馬場はテクニカルでも目立ったか。NBAみているとあんなの日常茶飯事だから、テクニカルもらうほどクレームしちゃダメだよね。

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◉現代型のカーク

 

逆サイドを崩される千葉ですが、それは言い換えればローテーションの悪さでもあります。トップの田中とカークのピックプレーは鮮やかに決まりまくりましたが、そこまで完璧だったわけではないので、千葉の対応の悪さも目立ちました。まぁこの部分で弱みがあるからオフェンス志向なのでしょう。完璧なんて存在しません。

 

目立ったのはカークの万能性です。カークはアウトサイドまで守れるけど、千葉のビックマンはカークを外まで追いかけられないし、インサイドで合わせたときの巧みなステップに対しても無力でした。高さではなくカークの平面に負けた感じでした。

探してみると、まさにそんな発言をしているカークです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kikuchiyoshitaka/20180124-00080835/

「自分もしっかり走り回れることを目標にしているし、世界の中でも優秀なビッグマンになりたいと思っている。もちろん決して簡単なことではない。ただNBAもプレースタイルが変化してきて、ビッグマンが更なる運動量を求められるようになってきている。」

 

211cmでアウトサイドまで守れて、運動量があり、平面でのプレーが出来る。

それってまさに現代型NBAのセンターです。これが出来なければ全く通用しなくなっているNBAの世界。カークはクイックネスもパワーもNBAには足りないけれど、プレースタイルとしては悪くないので、よりスピード面に磨きをかけて欲しいです。

 

そしてBリーグもこのタイプのセンターを求めるようになるならば、基準値が大きく変化してきます。東京はプレーメイカーがPGだけではないし、逆サイドのスペーシング3Pを効果的に使ったし、ビックマンは万能系だし、やっぱりバスケの質として一方上をいっていました。

上というよりも、こちらも現代的だったという方が正しいかもしれません。カークのサイズとか、田中とか馬場という名前が目立ってしまいそうだけど、それよりもバスケが現代的でした。必ず2人のゲームメイカーから始まり、スペーシングするウイングとスクリーン&ダイブするビックマンという構成なので、ロケッツを一般的な選手でやるとこんな感じかも。ディフェンスハードワークだし。

 

このタイプのチームが増えるのかどうか。そこが「外国人選手のクオリティ」とか言われちゃうと話は進まないけどね。ただプレッシャーを受けてボールロストした田中、シュートの選択がミドルになってしまう馬場と個人スキルには課題があったのが国際試合でうんたらかんたら。

 

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◉7戦あったらどうなるのか

 

答えは知らない。Bリーグ観ていないからね。

プレーオフで面白いのは相互に対策と修正をしてくる部分です。一発勝負とは違う戦略的な部分で勝敗が揺れ動くわけです。この試合は東京が勝ったのだから、主に千葉側が修正しなければいけません。

 

個人的に大学時代の原修太が好きだった事もあり、やるとしたらオフボールピックから3P連打です。ちょっと簡単にプレッシャーをかけられすぎていた千葉なので、左利きのシューターをフリーにするプレーから、マークのズレを誘っていきたい所です。

インサイドショットに3人くらいプレッシャーをかけられるシーンが多かったので、まずはアウトサイドに広げないといけません。同時にコーナーに移動させての富樫3Pも希望ですが、そこのパスがずれていたね。

 

一方でディフェンス面では対策する柔軟性を持ち合わせているようには思えませんでした。オフェンスのチームだしね。

だから悪いって事ではなく『対策&修正が必要』という前提でチーム作りするケースとリーグ戦&一発勝負トーナメントみたいな構成だと自然とこうなる気がします。Bリーグは毎週同じチームと連戦なので、2日目に強いチームを分析すると面白いかもしれません。

 

さぁNBAに戻ろうかな。クリス・ポールがいない中で何をするのか。そこに柔軟性と論理性があるのかどうか。ギャンブル好きではないダントーニ。頭を悩ませているでしょう。

 

 

 

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