2017 ファイナル第1戦

ウォーリアーズ 113
キャブス 90

キャブスの設計を受けて立つウォーリアーズの構図

試合は予想通りキャブスの対策から。ディフェンスではしっかりとプレッシャーかけながら、グリーンを空けてシュートを打たせます。パチュリアにラブ、グリーンにトリスタン・トンプソン(以下トリトン)なのでドライブへのヘルプを優先しています。

 

オフェンスはスクリーンをかけてラブ対クレイ・トンプソン(以下クレトン)でポストアップ。
なお、どちらも外れたのはファイナルっぽい。

キャブスの方が良い形が出てきます。ひとつはJRスミスが難しい3Pを決めた事。カリーにマークされてるので、これが決まる事でスクリーンからのスイッチをしてもらえます。アーヴィングとレブロンにスクリーンをかけに行き、カリーへのマッチアップを促す。

 

加えてトリトン。オフェンスリバウンドが機能する。ひとつは単純にパチュリアとは個人能力に差があった。もうひとつはキャブスがスクリーンを多用したのでローテーションに追われてリバウンドに行くのが遅くなってしまうウォーリアーズのスモール陣。

両方の合わせ技でレブロンがフリーになる場面もでてきます。

 

というわけで、序盤はキャブスペース。でも得点差は生まれない。ウォーリアーズがデュラントを多用して確率を高めると共にしっかりとしたオフェンスの終わり方にしてミスを減らします。堅実かつ今季の仕様。唯一マッチアップ出来るレブロンがやられてるのは、やな感じだろうね。

 

 

この状態を繰り返して行くと自然にウォーリアーズにペースが移っていきます。

チャージングをとられたグリーンに代わってイグダラが出てきた事で、ウォーリアーズのディフェンスローテーションが楽になり、全員のリバウンド意識も高まります。

ディフェンスリバウンドが増えると、それもパチュリアとマギー以外がとれば、そのままアーリーオフェンスに移行するのが特徴。展開が早くなる事でリズムが生まれる。今季のキャブスはこの速いペースに付き合うし。

そんなわけで、キャブスペースの時間が長かったけど早いスコアリングゲームはウォーリアーズ優勢な1Qでした。

 



◉機能しているキャブスのディフェンス

 

1Qのイグダラに続きベンチメンバーに変わり始める時間になると、むしろウォーリアーズらしさが出てきます。デュラントがいないからチームオフェンス徹底だよね。

キャブスはメンバー変わると対策は無効になる。誰が誰を攻めるのか、って難しいよね。困ったらレブロンかアーヴィングなのだけど、レブロンが休むと途端に停滞する。アーヴィング自身は好調なんだけど、他が緩くなってダメなのよね。空けられた選手がしっかり決めないと。あとリバウンドとれない。
でも、ウォーリアーズもシュートが入らない。レイアップやゴール下ミスが多いウォーリアーズ。でも、それはキャブスがインサイド重視しているためでもある。

前半はペイント内得点が42-16とウォーリアーズが圧倒しているけど、だけどゴール下やレイアップミスが目立つというのは、外にプレッシャーをかけながらインサイドで勝負させるキャブスの策が機能しているともいえる。3Pはカリー2本、イグダラ1本しか決められなかったのでキャブスのディフェンスは良かったと評価して良い。5本全て外したグリーンを空けるのは成功するはずだ。



前半の差は何なのか。

キャブスは41%の3Pを決める。17本のアテンプトは多いよね。打ちたいキャブスと打たせたいウォーリアーズ。そして決めたキャブス。特にラブはよく決めたわ。

アーヴィングも1on1で決めまくる。ここはウォーリアーズがスモールラインナップを使わなかった事も大きい。スイッチさせれば楽勝なアーヴィング。

 

さて、オフェンスでは3P決め、ディフェンスは機能したキャブスなのに、勝っているのはウォーリアーズ。なんで?

それはデュラントとレブロンの差であった。スタッツこそ残しているレブロンだけど、デュラントに勝てないレブロン。止められてキックアウトをスティールされるなど、7つのターンオーバー。

ディフェンスでもデュラントに何度もダンクを許す。こちらはまともにディフェンスシチュエーションを作らせてもらえないのは、ウォーリアーズ全体が動くから。オフェンスは止められてディフェンスは勝負すら出来ないのはフランストレーション溜まるわ。デュラント23点。レブロン19点。

そんな前半。でもこれだけターンオーバーに差があって8点差は悪くない。ウォーリアーズがミスしなすぎ。
後半はウォーリアーズの3Pとレブロンの1on1どちらが火を噴くかの対決かな。



ウォーリアーズの調整で3P

そんな事を考えて迎えた後半早速デュラントが3Pを決める。続いてカリーのミドル。カリーの3P。外に広げないとペイントの確率上がらないからね。多分、ある程度指示が出ていたはず。
5人を3Pラインの外に出し、インサイドを空けたウォーリアーズはキャブスの対策対策。ハーフタイム挟んだということは、スティーブ・カーの指示かな。

1人のれないクレトンさんは何なのか。



先にスモールラインナップにしたのはキャブス

21点差まで開いたけど、ビック3の個人技で繋いでいくキャブス。困った困ったオフェンスが続いてしまうので先にスモールラインナップに切り替えた。

これがハマった。レブロンへのハイピックを使うのだけど、スクリナーが小さく、直ぐにリングへダイブするのでウォーリアーズは追いかけざる得ない。それもパチュリアなので、スイッチすればレブロンと勝負。追いかけては乱れたギャップへレブロンのドライブ。

これが連続して成功する。点差を詰めるキャブス。対応の遅いウォーリアーズベンチ。さっさとスモールラインナップにすれば良いのに。変えたら止まったし。マイク・ブラウンらしさすら出てこない。



スモールラインナップになったウォーリアーズは走ってリードを再度奪い返した。でも結構危うい内容で、カリーのアーリーからの3Pなんて、その前のオフェンスでドライブから倒れたレブロンが1人残っていたから、外れたら逆速攻だったよ。賭けに勝って大きなリードをとれて4Qへ。

なお、3Qのスモールラインナップは面白いマッチアップを生み出していた。カリーに対してレブロン。逆にアーヴィングに対してデュラント。デカくて動ける2人が小さな2人を止める作戦は共に成功していた。



後は流して終わりかな。

点差が開いた事とキャブスの得点が少ない事もあり、流す感じになったウォーリアーズ。流すっていうのはそこまでペースを上げないので、ボールを回してクレトンやデュラントが打っていく。

覇気のないキャブス。まぁ覇気がないというか、レブロンが機能する事でコンボ技で活躍するのがキャブスのベンチなので、このメンバーで反撃するのは結構難しい。

デュラントにトリプルダブル狙わせたのだろうけど、味方のシュートが入らなかったよ。



デュラントが良すぎた試合

キャブスはトリトンをなかなか出さなかった。ウォーリアーズがスモールラインナップにした時点で出せばもっと点差を詰めれたと思う。ディフェンスリバウンドはラブとレブロンで取れてしまうから、トリトンの必要性を感じられなかったのかな。

アーヴィングの1on1もあまり使わなかったし、ちょっとこだわりすぎたかな。対策を徹底して試して次戦以降に備えたともいえる。

ウォーリアーズは昨年との対比で触れたようにデュラントの存在が大きかった。キャブスの流れの時間に得点をとり、トランジションでリバウンドを奪うのはバーンズには出来なかった仕事。目立った部分だけでなく、チームを支えた。そしてカリーがトドメをさす方式はこのプレイオフずっとやってるね。

不満はもっとクレトンを外から打たせるべきとマコーにプレイタイム与えて慣れさせるべき、という贅沢すぎる注文くらいだわ。



キャブスも対策もハマり悪くなかったよ。ただデュラントの活躍でレブロンのフランストレーションが溜まってしまったのが敗因だった。
確かにここでデュラントを守れる選手不足だったな。

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