ファイナルの展望として、チームスタッツを比較してみる。
オフェンスのキャブス対ディフェンスのウォーリアーズ
このプレイオフでは両チームとも圧勝してきている。平均得点は
キャブス 116.8
ウォーリ 118.3
これだけだとウォーリアーズのオフェンスが優っているようだが、試合のペースが異なる。
キャブス 97.7回
ウォーリ 102.6回
つまりキャブスはウォーリアーズより5回オフェンス機会が少なくて、得点は1.5点少ないだけ。そのためオフェンスレーティングは
キャブス 120.7
ウォーリ 115.8
100回辺りのオフェンス機会ではキャブスはウォーリアーズよりも5点も多くとれる事になる。ウォーリアーズの数字もクレイジーなのに、キャブスはそれよりも遥かに上をいく。まぁベンチメンバーの出場時間差もあるので一概には言えないが、スターターで120点オーバーがデュラントとカリーだけのウォーリアーズに対して、キャブスはトンプソン以外の4人がオーバーしている。
同じようにディフェンスレーティングをみると
キャブス 104.1
ウォーリ 99.1
ウォーリアーズは実はディフェンス力で勝ち上がってきたチームなのだ。なお、キャブスはペイサーズ相手に110なのでペイサーズにやられまくった数字。
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このシリーズはオフェンスのキャブスとディフェンスのウォーリアーズの戦いとなる。思い出されるのは2年前のファイナルMVPイグダラ。ディフェンスでレブロンを抑え(かなり得点されてるけど)、自身も得点を挙げた。チーム同士で見た時に同じようなケースが想定される。
試合の印象でもキャブスのオフェンスが機能した印象はあっても、ディフェンスが機能した印象はない。逆にウォーリアーズはディフェンスが機能する事でアーリーオフェンスに繋げたいチーム。キャブスのシュートが入ると得意のディフェンスリバウンドからの速攻にはならないので、デュラント&カリー頼みになる可能性も否定出来ない。それでは圧倒にはならないよ。
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キーポイントはキャブスの3P
こちらもウォーリアーズの特権のような3Pだけど、プレイオフでのキャブスは凄まじく決めている。チームで43.5%、40%切っているのはアーヴィングだけなのだが、セルティックス戦でのアーヴィングは50%でした。ラブに至っては2Pよりも高確率。
対するウォーリアーズは3Pを打たせ、さらにその確率を下げるのが特徴。平均28本打たせ32%に抑える。跳ね返ったリバウンドから速攻狙いなのも戦術の特徴。
ちなみに対戦してきた3チーム(ブレイザーズ、ジャズ、スパーズ)はシーズン平均が28本を下回り、32%を上回る。そもそも32%を下回るチームはいない。
3Pを多く打たせ、そのシュートを外させる。それがウォーリアーズディフェンス。
一方でキャブスはシーズン平均34本打って38%決めている。どちらもリーグ2位と3Pで勝っているチーム。シーズンの勝ち試合と負け試合では6.4%も確率が違う。点数にして6.5点。
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3Pをいっぱい打ちたいキャブスと打たせたいウォーリアーズ。利害は一致。あとは確率だけが問題なのよ、という戦い。
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ウォーリアーズのディフェンスポイント
そんな関係の両チームの中で、抑える側のウォーリアーズはマッチアップを選択する権利がある。普通はレブロンをどう抑えるかから考えるが、3Pの確率が問題になるなら考え方も変わってくる。
ポイントになりそうなのがイグダラ&デュラント。ディフェンスの良いイグダラと微妙なデュラント、というのが評価なんだけど、今シーズンと特にプレイオフではイグダラのディフェンストラッキングデータが非常に悪い。マーク対象の3Pの確率データでは
イグダラ 45.2%
デュラント 28.6%
イグダラのマークマンはかなりの高確率で3Pを決めている事になり、デュラントはかなり抑えている。
ファイナルで2人のマーク対象はレブロンとラブ。身長も高ければ手も長いデュラントのシュートチェックが気になるのは間違いないので、どちらを抑えにいくか、デュラントは誰をマークするか戦略は大きな影響を与えそうだ。多分ラブを抑えにいくとみています。デュラントは最強のストレッチ4なので。
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というわけでキャブスの3Pがキーになる。
キャブスは
3P入る→空いたインサイドにドライブ→ヘルプで空いたアウトサイドにキックアウト→3P入る
というコラボ技が最大の強み。
ウォーリアーズ側は、
速いローテーションディフェンスで相手のミスを誘い速攻
動かして動かして確率の低そうな3Pを打たせて、ロングリバウンドから速攻
こんな2つが狙い。ドライブに対する寄りが早いからね。でもキャブスはシャンパートや2ウィリアムスも決めてるから、打たせどころに困るかもね。
面白い分析だなと思いました。
私はキャブズファンなのですごく嬉しかったです。
なぜならほとんどがウォーリアーズ圧勝の言葉しか目にしないからです。
デュラントを獲得したのはちょっとないんじゃないと思っています。
キャブズも補強はしたけれど、スターターではないし。
なのでそこを数字では表せない流れとか気持ちとかそういうのでキャブズに打ち破ってほしいと思っています!
間違いだったら申し訳ないのですが、2012年のファイナルでは主にバティエがKDを守っていたような気がします
ごめんなさい。その頃も観てないので誰が守っていたかわかりません。なんか当然レブロンが守っていると思っていました。
バティエがついていたんですね。当時のサンダーなんてデュラント止めとけばなんとかなるチームだったのに、どんな戦略だったのでしょうか。
直接マッチアップのデータ調べ方わからないのですが、数シーズン調べた限りデュラントはレブロン(のチーム)相手には決めている傾向でした。
このファイナルもレブロンがデュラントにつくかは怪しいと思います。
「2017 ファイナル展望」へコメントしたものです。
返事を頂けてありがとうございます。
去年も圧倒的にウォーリアーズ有利の中でのキャブズの逆転優勝でした。
もうほんとに嬉しかったです。
数字は確かにウォーリアーズ有利だしメンバーを見てもKDが加入した時点でチーム力が断然上がっているのはわかっています。
でも数字では計れない部分や何が起こるかわからないミラクルに期待しています。
ただ、ボーガットはいてほしかった。これだけは悔やまれます。