イーストファイナル 第3戦

セルティックス 111
キャブス 108
ホームで連敗した上にエースのトーマスが離脱したセルティックス。スイープの空気が漂いまくっている試合は似たような展開となるが、後半に一気に崩壊したキャブスがウォーリアーズとの無敗対決の夢が儚く散らしてしまった。
蹂躙するラブ&キャブス
前2戦と変わらず、またもキャブスがセルティックスをいたぶる展開となる。その中心はレブロンではなくラブ。3Pが決まりすぎる。タイミングもムチャクチャだけど、自分のリズムで放つシュートはセルティックスディフェンスにはノーチャンスだった。なお、決めたのは全部同じサイドだよ。
更にアーヴィングが続いたのは驚き。ラブが生み出した雰囲気はチーム全体に波及するらしい。シャンパートまでが思い切りよく打ち出し決めてしまう。レブロンだとこうはならないので、ラブがチームのバロメーター。
まるでウォーリアーズみたいと言われそうだけど、ウォーリアーズはカリー以外はこんな風には打たないんだよね。あくまでもパス交換されてから打つ。
少し前のバルサのティキタカみたいなもので、世界でマネをされたけど、「あれはバルサの個人能力があるから出来る事」と言われる。このキャブスもチームオフェンスなんだけど、個人能力ありきのオフェンス。普通は崩壊して速攻食らってしまう展開。
その間、セルティックスは何してたの?うん、ちょっと諦めてた。試合を諦めてた訳ではなくて、流れがキャブス側に大きく傾いていて今はどうやっても抗えないと捉えていた。なので、ベンチメンバーを積極活用して目先を変えていく。トーマスいないから総力戦だ作戦。
残念ながらジェイレン・ブラウンが好調を維持出来ず、というか外のシュートを打たされてベンチメンバーは機能しなかったけど、パターンの違うオフェンスは悪くなかったと思う。



おいおい、またも楽勝するのかよ強すぎるぜキャブス!!な展開だけど、16点のリードという結果に対し内容は伴っていなかった。異様に3Pが入っただけだよ。
一方でセルティックスの、特に1Qのオフェンスは非常に良かったよ。こちらは内容は良かったけど結果が伴っていなかった。レイアップ外し過ぎ。ベンチメンバーになって内容変わったので、HCはやれる事はやった感じ。あとはこれは続ける事とキャブスのシュートが外れるのを待つこと。ポジティブに待つか、ネガティヴに待つかは性格出るけど。
そんな前半だった。



第3Qに何が起きたのか?
21点差まで開いた第3Q。そこから一気に5点差まで縮められたキャブス。一体何が起きたのか。
答えは何も起きていない。強いて言えばレブロンがシュートへの積極性を欠いていたくらい。
例えばラブ。ゲームトータルで3Pは54%決めた。後半は3本打って全部外しただけ。それを攻めだしたらみんな怖くて打てなくなる。タッチが悪くなったので自重しただけだ。
アーヴィングやJRスミスもトータルでは高確率だ。3Qが少し悪かっただけ。
そして全員がそんな感じだっただけ。そしてそもそも前半から良いオフェンスをしていた訳ではない。個人が決めてただけだよ〜なオフェンス。
キャブスの問題点はそんなメンバーをレブロンが2分休んだのを除き、ベンチで休ませなかった事。ちなみに4Qに休みをもらい、コートに戻ってからは決めているので、誰か1人くらいはさっさと休ませれば展開が違ったはず。
では、セルティックスがそこまで良かったのか。
オフェンスの流れとしては前半同様に良い流れだったが、やっぱりシュートは入らない。3Qだって49%のFGだった。
その代わりさっさとホーフォードを引っ込めて、ジェレブコやオリニク出して、その2人が決めるという展開はHCの力量差だよ。



そんなこんなで、前半のプレーをお互いに継続した事で流れがセルティックスに移ったのだった。ある意味正当な展開で接戦になって4Qに突入した。
レフリーがキャブスびいきでなければ、トンプソンがいなければ逆転しててもおかしくなかった。レブロンがドリブルミスると全部ファールになるのは何なんだ。NBAレベルのディフェンス相手だとありがちなミスでも、ピーピー鳴る笛。
そしてラブの演技に騙されるレフリーは会場の雰囲気に負けてるよ。



レブロンを抑える。
レブロンは11点しか取れなかった。しかし、この理由を紐解くのはかなり難しい。クラウダーが良いディフェンスをしたのか? いや、彼はずっと良いディフェンスしてるよ。この試合から何が変わったのかを分析するのは難しい。
1つ言えるのはクラウダーは駆け引きには勝ったという事。前半のレブロンは何もしてなかった。それは周りが大活躍してやる事がなかっただけ。後半になって自分の出番がやってきたが、それは周りのシュートが入っていないことを意味する。
その気になれば打てる場面はあったけど、ドライブを選択しパスを出したがるが、セルティックスはあまり寄ってこないからフリーの味方がいない。では自分で打てば良いのだけど、クラウダーはレブロンがミドルレンジから打ってこないと踏んでいるので、最後のゴール下まで踏んばって守りに行けた。ある意味、ドライブとアウトサイドシュートの自由を与える選択が上手くハマった。元々カーメロやデュラントに比べて1on1のスキルが劣るレブロンなのでフィニッシュの選択肢を狭めたクラウダーの駆け引きが成功したと言える。デュラントならドライブからのミドルをガンガン打ってそうなディフェンスでした。
シリーズ前のレビューでレブロンを敢えて止めに行かない作戦を選択すべきとしたけど、まさにそんな展開。ただ、その結果としてレブロンの得点が伸びなかった事は予想外過ぎた。



価値を示したスマート
話をそらすとスマートの置かれている立場は微妙だ。シックスマンだけど実質ベスト5の扱いで、チームをリードし、トーマスを補完し、ディフェンスであらゆる相手にマッチアップする。今のセルティックスにおいてホーフォードと共に役割としては最も重要な存在。
素晴らしい選手だが、レベルの高いPGというポジションにおいてリーグ全体でみれば市場価値は低い。だってスターにはなりそうにないでしょ。
そしてセルティックスはイースト1位でありながら今年のドラフト1位指名権をゲットしており、まず間違いなくフォルツを獲得する。レベルが高いとされる今年のドラフト候補の中でも最高のスターPG候補だ。つまりスマートは来季以降のプレータイムが保証されない状態に突如陥っている。
そんなことは考えていないと思うが、トーマスも不在になり、より自身の存在価値を証明すべきスマート。後半になり、少しアグレッシブさが不足していると踏んだのだろう積極的にシュートを狙い始める。3P決めているのはもちろんドライブやオフェンスリバウンドまで、どこにでも顔を出すようになる。
そんなスマートのところからキャブスのディフェンスは綻びを見せ始める。ある意味、トーマスがいればそこに注力するけど、スマートにやるのは何か違う。そしてフィジカル強過ぎて密着マークは損をする。
後半だけで19点5アシストのスマート。特に素晴らしかったのはアシストの方。ハイライトはラストプレーで、スマートにレブロンをつけてきたキャブス。レブロンとの1on1に入りながら冷静にブラッドリーがフリーになった瞬間のベストタイミングでパスを出し、決勝点をアシストした。正統派PGなお仕事でした。



連勝に加えトーマスの不在、そして前半の大量リードでキャブス側が足元が定まらなくなった感じの試合だった。こんな試合なのにベンチ陣の出場時間が短いのもナゾ。
トーマス不在はキャブスのマークを緩くする事に繋がった。昔のJRスミスはこんな感じ。3P決めてうぇ〜い、オレ仕事したぜ!みたいな。マークが緩いのでプレイオフ平均よりも5本も多くの3Pを打てたセルティックス。必ずボールが回っての3Pなので個人頼みのキャブスに負けるのはシャクだよね。
第5戦のチケットが売れそうな試合でした。

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