ウエストファイナル 第3戦

ウォーリアーズ 120
スパーズ 108
スパーズの健闘が見えた試合ではあるが、最終的なスタッツをみれば、ウォーリアーズが淡々と120点オーバーになるゲーム運びをみせた試合だった。
レナードは復帰せず、パチュリアもブーイングの場に現れなかったので、異様な会場の空気みたいな現象も起きなかった。
気を使うレフリー
第2戦から時間が空いて最も対策を施して来たのはレフリーだった。接触を許さず早めのコールで試合が荒れるのを防ごうとするレフリー。それはシュートファールをとられるウォーリアーズに不利に働く。元々ファールが少なく、かつマギーのシュートシーンが目立ったためスパーズ側は普通な感じ。フリースローで得点出来たスパーズはラッキー。なお、ホームコートアドバンテージな感じではない。
そして好調だったカリーが早々に3ファール吹かれる。大きくスパーズ側に傾きそうなレフリングだったが、ダニー・グリーンがカリーに突っかける場面でことごとくミス&パスでチャンスを逸してしまった。
そんなレフリーでした。



大丈夫なのか、スパーズ?
スモールラインナップ対抗で臨んだスパーズは激しいディフェンスと人もボールも動くオフェンスで良い入り方をする。ウォーリアーズはオフェンス面ではプレッシャーに対してボールを動かし、マギーでフィニッシュする流れなのでさほど問題はなかった。唯一、困った時のデュラントがターンオーバーを繰り返すという珍しい展開。
スパーズのオフェンスはスペースをもらったオルドリッジが動きを作る。スモールラインナップにしてインサイドが自由を得るというのは最近の流れだよね。
中外繋がると強いのがスパーズの特徴なのでオルドリッジからのシモンズラインは効果的。そして若返ったジノビリが躍動する。ジノビリはダンカン不在でシステム的な活躍出来なかっただけなのかもしれない。
そんなスパーズを見ていて思ったのは、このペースで大丈夫なのか、ということ。ベンチをみると控えにはズラッとビックマンが並ぶ。つまりこのハイペースを続けるには駒不足。しかも中心にいるのはオルドリッジで代役がリーしかいない。
そしてそのリーが大活躍ののち、大怪我の疑いで退場してしまう。うーん、災難に見舞われているようなスパーズ。
素晴らしいオフェンスを展開した反面、明らかにウォーリアーズが希望するペースで接戦に持ち込んだスパーズ。得点差以上にボディブローのように効いてきそうな前半だった。



フラグ回収が始まる。
そして前半のフラグ回収が始まる。はじめに回収されたのはウォーリアーズのマギー。活躍しすぎ&走り過ぎだったマギーは後半に沈黙する。象徴的だったのはアーリーで3Pラインの外でボールをもらったマギーはドライブでディフェンスをかわしながらレイアップ→当然ミスして逆速攻でオルドリッジに決められる。
そして戻るスピードがあからさまに遅くなるマギー。後半開始直後のスパーズの得点はほとんどマギー絡みだったのは偶然ではない。
スパーズで回収されたのは意外にもオルドリッジ。いつからそんなにスタミナなくなったのか、ブレイザーズ時代にはみられなかった気がする。ショットミスが目立ち始め、接戦を展開する機会を逃してしまうオルドリッジ。
スパーズにきて効率は高くなったけど、代償として個人能力を失っていったのかもしれない。タフに決めまくるオルドリッジってもう昔の姿なのかな。
軸が不安定になったせいか、それともオフェンスが重要になったからか不明だけど、スパーズのディフェンス陣はどんどん後手を踏むようになっていく。つまり1個目のアタックは守れるけど連続するアタックは守れない。デュラントについていきボールもらうのを守るが、バックドアに切り替えられると離してしまう。デイビッド・ウエストがアシストを連発したのはそんな感じから。
これまでバックドアを嫌がり守っていたスパーズだけど、インサイドヘルプの人数を減らしたことと、マギーがお疲れでウォーリアーズが更に小さくなった事でバックドアをされまくる後半になった。やり過ぎてミスも増やしてしまったウォーリアーズだったけど。
そうなってくるとデュラントは止められない。前半のミスを取り返すような活躍で3Qに19点を稼ぐ。
3Q自体はベンチの頑張りもあり、なんとかついていったスパーズだったけど、3Q終了時点で100点を取っているのは明らかにウォーリアーズのペースだったよね。
そんなわけでもう4Qになるとスパーズの主力は抵抗する体力が残っていなかった。点差的には可能性がある段階でポポビッチが諦めたのも得点以上にチームが消耗していたのを感じたからだろう。



何が正解だったのか。
表面的にみればスモールラインナップ対抗でチャンスを見出せる得点差に持っていったスパーズ。一方でどう考えてもウォーリアーズペースにならざるを得ないチョイスでもある。
そしてコートでもそれは明確に示されてしまった。単純な話、パーカーとレナードというアウトサイド2人分の人数不足だったともいえる。クオリティ以上にコマが足りない戦い方。
逆に言えば2人いれば最後まで戦えたし、クオリティ的にもレナードで勝率は大きく高まったはず。でも2人がいたらこんなペースにしないけど。
チャンスを見出すという点では成功したスパーズだけど、勝率を高めるという意味では微妙な選択だったと思う。



惜しいようで惜しくないスパーズだった。それでも若手は頑張っていたし、ジノビリも若手だった。ダニー・グリーンがより強気にカリーを攻め立ててファールトラブルに追い込めれば、ウォーリアーズといえどここまで落ち着いて自分達のゲームを続けることはムリだったと思う。
パーカーとレナードがいない中では評価出来るのだけど、なんかもう来年以降のための経験値得よう的な空気すら漂い始めた。
一矢を報いるためにレナードを使うのか、元気な若手を積極活用するのか、そんな事ぐらいしか楽しみがなさそうな第4戦になるのだろうか。

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