さようならサンダー

なんだかオフにいろいろ事件が巻き起こりそうなサンダー

逆に起こらなかったらそれもそれで事件

 

〇スターが共存できないサンダー

 

カーメロが言った発言が全てのサンダーはスターの共存が出来ませんでした。ただ、それが予想以上に出来ませんでした。ウエストブルック編で触れたとおり、もがき続けてきたシーズンでプレーオフになって結局は同じ問題がぶり返し、そして元に戻って敗れました。

重要なのはウエストブルックがどうこうではなく、デュラントの時代からそんなチームだったこと。あの頃もそんなプレーをしていたよね。それでも強力すぎたデュオで勝てていたけど、デュラントはウォーリアーズでも同じような問題を発生させているっけ。

そんなわけでサンダーに根付いている問題は大きいのです。チームに蔓延するカルチャーを変えないと何も変わらない。

 

昨季はウエストブルックから始まるオフェンスパターンはロールプレイヤー達を輝かせるようになり、かなり評価していました。そこに突如としてスターを2人も加えてしまったことで、役割がグラグラしてしまったのもマイナスです。先に獲得していたポール・ジョージだけならば全く違うチームになっていた気もします。

 

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〇ジャズとのプレーオフ

 

その意味では非常に対照的だったジャズと対戦したことで、チームの強みも弱みもハッキリと出てきました。ハードワークとチームワークでは負けないけど、戦略と効率性では勝てない構図。そしてやっぱり問題だったカーメロのハードワークとディフェンスでした。これってシーズン前から懸念していたポイントなので、やっぱりチームに招き入れる選手像を間違えたプレスディ。

GMの問題でもあり、HCの問題でもあり、PGの問題でもあるからサンダーというチームの問題

 

ジャズとのシリーズでは第2戦の敗戦と第3戦の失敗が全てでした。勝てる試合だったのをカーメロとポール・ジョージが殆ど決められずに負けた第2戦。ルビオにやられた事よりもその後の試合まで響かせてしまった第3戦。第5戦の奇跡的なカムバックが示すように、ジャズの方が強かったという印象ではなく、ゲームプランを失わなかったジャズの方が自分達を見失いませんでした。

 

シーズンが濃縮されたようなプレーオフでした。

・ジョージの3Pを得点源にしたチームにして第1戦に勝利

・バランスアタックしたけどシュートを決められず負けた第2戦

・単純にルビオが素晴らしかった第3戦

・戦略を見直す必要がなかったのにウエストブルックにやらせて負けた第4戦

・完敗の内容からウエストブルック×ハードワークに戻して大逆転の第5戦

・ウエストブルックに頼りすぎ、ジョージが決まらず、カーメロを使えなくて負けた第6戦

シーズンストーリーと何も変わらないような6試合でした。

 

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〇ビリー・ドノバン続投

 

なかなかに衝撃的なニュースでした。ドノバンがお気に入りの管理人ですら「あり得ない」と考えていた続投です。そしてHCが変わらないならば、おそらくサンダーは何も変わらない。スターが出て行っても、スターが加わっても、特に意味がなさそうなチームです。

ここで気になるのはプレスディGMはどこまでポール・ジョージとコミュニケーションをとれているのか。ドノバンを気に入っているのであれば続投もわかりますが、同じ内容のシーズンを送る可能性を考えたらポール・ジョージが出て行きたいと考えてもおかしくありません。

HC続投はポール・ジョージの決断次第です。早まったとしか思えないGM発言なのです。

 

なお、HC続投であったとしてもAC達は入れ替えないと尚更苦しいです。明らかにシューティングに問題があったサンダー。なんかドアマットチームみたいな悩みですがフリースローも決まらないのではディフェンスのチームとしては苦しすぎます。それさえなければ、あと5勝位していた可能性もあります。

 

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〇カーメロについて考える

 

カーメロはよく我慢したし、サンダーにきてパスやディフェンスが向上しました。失っていた情熱を取り戻しかけたといえるかもしれません。しかし、結果的に問題はカーメロにありました。その中でハードワークについてはサンダーの特色でしかないので、カーメロに責任はないです。

問題はディフェンス面

 

このプレーオフの特徴として各チームがディフェンスの穴はハッキリと狙われる形になりました。そこを放置すると簡単に負けます。そしてカーメロもその1人でした。他のチームで狙われていた選手に比べればカーメロは守れる方ですが、ジャズが巧みすぎたのも運が悪かったです。

ここで問題なのはカーメロのサラリー問題を別にしても、優勝を狙うチームがカーメロを欲しがるのかどうか。ロケッツはGMが意味不明に欲しがりましたが、タッカーがカーメロだったら悪夢みたいなことになったはずです。ロケッツファンは誰も欲しがらないはず。

少なくともディフェンス面を重視しているチームはないので、オフェンスに振り切ったチームだけに可能性があります。それこそナゲッツとかね。ラプターズがどうしようもないから獲得したがるとか。デローザンとトレードしよう!

 

ニックスにフィッツデイルが就任したので残っていれば上手い組み合わせを考えたかもしれません。いずれにしてもカーメロをオフェンス面で欲しがるチームはそれなりにあっただろう昨季のオフに比べると、ディフェンス面で戦力として組み込みたくないチームが増えたのではないかと想像しています。

ベンチは受け入れられないという点や、そもそもサンダーがカーメロを活かせなかったのにHC続投ということもあり、残留するときはむしろ他のチームからの引き合いがなかった場合ではないかと思います。

 

この1年でカーメロはチームのためにガマンをし、細かな技術において向上しました。しかし注目されたことで優勝を目指すには致命的な弱点をさらしたことになります。そしてサンダーにいてもハードワークは身につきませんでした。あとはヒートで肉体改造するしかない。

 

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〇オラディポとサボニス

 

今となっては恋しい2人

ペイサーズでの活躍から移籍して成功だった2人ですが、2人のプレーはウエストブルックとアダムスっぽいのでサンダーにいても発動しなかった能力であり、サンダーで学んだプレーでした。一方でロケッツの成功から悔やまれるのは同じタイプのオラディポをウエストブルックの控えとして起用するのが最適だったことです。

変態過ぎるウエストブルックの控えなんて、ほぼ見つけられないのでオラディポは重要な存在でした。フェルトン自身は良い働きをしましたが、セカンドユニットを有効に機能させるタイプではないし、かといってウエストブルックにはほど遠い選手です。

 

サンダーのオフの補強は実はスターターよりもベンチをどうするかです。クリス・ポール×ハーデンのロケッツ型を目指すのか、ルー・ウイリアムスを探して個人で得点させるのか。

スターが共存できないサンダーですが、むしろウエストブルックからパスが出てくるスターターよりもベンチメンバーの方が深刻です。良い選手を揃えているのにベンチスコアはリーグ最低。全く有効に組み合わされていない選手達。ウエストブルックがどうこうではなく、そもそもベンチに座っている時の方がチームとしては全く機能していません。だから大問題なのはチームとしてのオフェンスシステムにあります。

 

えっ?ドノバン続投するの?マジで?

だからスターターよりもベンチメンバーを考えた時に、続投の判断は信じられないわけです。

 

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◉戦術革新

 

ウエストブルックを好きと書いたら驚かれたのですが、実は戦術的な側面から好きだったりします。単に破壊する存在と言うだけでなく、これまでにない価値観を創出してくれました。それはトリプルダブルという数字よりも、その運動量に起因するものなのでレブロンとは異質なものです。

かつてない形をもたらした存在は本当に異色であり、この先の育成トレンドになると思われたのですが、育成トレンドとして認識されるのは5年以上先の話だと考えていました。

 

ところが登場したのがシモンズとロンゾ、そして違う意味でドノバン・ミッチェル。

特にシモンズとミッチェルはある意味、ウエストブルックの完成形だと思っています。それはどちらの道に進むかで大きく役割は変わってきます。今シーズンのウエストブルックへの期待は「20点、10リバウンド、15アシスト」だったので管理人的には「シモンズ寄りのPG」になる事を期待していましたが、まぁ見事に違ったわけです。

この内容でそのうち1つ書きたいと思っています。重要なのは両者とも役割を減らすことで成功している例示ということです。本来はウイングだったシモンズはPGになり、本来はPGだったミッチェルはSGになりました。

 

詳細は別にして重要なことは今シーズンと真逆の方向性で取り組めるかです。

「困ったことはウエストブルック任せ」にした今シーズン

「極限までウエストブルックの役割を削る」事が求められる来シーズン

 

まぁ無理だろうな。だからあまり楽しみにしていない来シーズンなのです。理不尽な部分は観ていて飽きないので楽しいのですが、戦術的要素で新たな価値を見いだしてくれるのか。それをドノバンに期待出来るのか。ため息。

 

 

さようならサンダー” への16件のフィードバック

  1. ウエストブルックの周りに3&D並べてプラスアダムスなら昨季のロケッツ止まりですかねぇ
    うーん、ビジョンがみえない

    1. あのロケッツの真似事してもHCが本筋を理解していないと本家には勝てませんからね。それもサンダー仕様にしないと。

      ビジョンが・・・

  2. サンダーを見てて思ったのは「あんたらもっと楽に勝てるだろ」でした。メンツは豪華なのに掛け算になっていない。選手の特性が生かされない。KDが出て行ったのはチームのそんな部分が嫌だったのかなと思ったり。

    1. その点でデュラントがいなくなってサンダーはマシになったんですよね。もっと連動するようになりました。だから悪いことばかりではなかったのが昨季でした。それ故に今季の内容は寂しかったです。

  3. ラスは見ていて本当に面白くて好きなプレイヤーです。
    今シーズンのINDみたいなチームにラスがいたら面白そう
    スターターもセカンドもとにかく走れると。
    でも結局優勝するにはガードのエースプレイヤーでは難しいと思いますね。よりフィジカルとペイント付近での高確率なショットがほしいですから。FMVPは近年ほぼSFの選手ですしね。
    今年HOUが優勝したら本当にバスケがかわるかもしれませんね。

    1. 少なくともウイングから仕掛けられないチームに優勝のチャンスはないですからね。まぁでもレブロンもガードみたいなものですよ。

      ロケッツの変革には期待しています。

  4. さよならサンダー待ってました。
    PGを獲得したところまでは良かったですが、何故に走れない、守れないカーメロを、、、?
    との疑問は的中し、結局最後は使いにくいプライド高いベテランになってしまった感が見えますね。
    正直ドノバンは変わると思ってましたので、以外でした。
    ジャズとの試合を見ていても明らかにチームオフェンスの質はジャズが上でしたし、サンダーは同じようなパターンばかりで読まれてたように感じました。
    なのにHCはノーチェンジ、、、
    PGは娘さんを早々に転校手続きしたり、かと思ったら、ラスと仲良くTVゲームのイベント出たりと、残留するのかしないのか全く見えないし、、、
    ビックネーム獲得よりも、昔の様に若手をドラフトから育て上げるサンダーに戻って欲しいと思いながら、レナードをトレードで獲得しないかなと期待する今日この頃です。

    1. サンダーは指名権を放出しまくったので、ドラフトが現実的ではないんですよね。そこまで当たるものではないですし。

      カーメロへの対価は大したものではありませんでしたが、失ったアイデンティティは大きかったです。パターソンの補強までは良かったはずなのに。

  5. PGはディフェンスも3Pも良いからオフボールの動きを覚えれば使い勝手良いと思いますがメロはどうすれば良いでしょうかね……
    今のメロで勝てるならメロが居なくても勝てる、そんな気しかしません。

    1. オフボールの動きはその通りなのですが、それはオフェンスシステムなのでHC中心に作り変えてくれないとダメなんですよね。もっと積極的に打たせないとシューターとしての価値が足りないんですが、ドライブ選択しちゃうのが。

  6. まさかのドノバン続投でしたね…。
    何となくですが、プレータイムの配分が上手くない印象もあって、どうなんだろうという感じです。

    セカンドが良いメンバーなのに、活かしきれてないのも気になってました…。アブリネスやパターソンは、ウェストブルックと組ませれば合うけど、フェルトンだとそこまでじゃなかったので。

    ただ、フェルトンの個人技には、かなり助けられたので、個人的には残ってほしいですが。

    Whynotさんの言う通り、やっぱりチームとしての戦術が確立出来てないんでしょうね。チームオフェンス構築できるACがいれば…。

    今オフで、ポジョメロが出ていくでしょうから、何とかグラントやヒュースティスを残留させて、チームオフェンスを構築できるACを召集して、勝率5割というところでしょうか?

    今オフにサンダーと合わなかったメロが出て、ポジョとグラントが残留すれば、HCがドノバンでも、もっと上にいけるのでしょうか?
    オフェンスで停滞するかな…。

    ファンとしては、今オフはプレスティマジックに期待するのみです。

    1. プレスディが集める選手が偏っているんですよね。だからHCやACも工夫しなければいけませんが、そもそもフロント全体で方向性を見直さないと苦しいチームです。
      その良い例がフェルトンですよね。フェルトンのプレー自体には文句のつけようがないだけに、何でフェルトンだったのかと。

      ヒューステスやグラントを残して、もっとクレバーなタイプの選手を集めるのが改革の第一歩だと思うのですが期待薄です。
      オフェンスで停滞するのって、結局は工夫するタイプが足りないからだと思います。

      クリス・ポールがいれば・・・と全てのチームが考える所以でもありますね。

  7. メロはウエストブルック休憩時の1オン1アタック役をメインにすれば、特性も生かせる気はするんですが・・
    ロバーソンが帰ってきて、今のメンツ+少し補強で、上手く行かないでしょうかね?ドノバンが発想を少し変えてくれれば・・
    PG13はどうなるかわかりませんが、メロはプレイヤーオプションだし、出たらサラリーは大幅に減るし、その道を選びますかね・・??
    不満は多いようなので、オルドリッジのように、話し合って解決すればいいんですが。アイソレーションやらせてやるから、走れ!と。

    1. カーメロはいろいろガマンして、シーズン後にコメント出しているので出て行く前提でしょうね。でも自分の市場価値をまだ高いと思っているのではないでしょうか。

      個人的にはカーメロのアタック中心にベンチメンバーを組み立てるのは有効だと思います。特にポストアタックに対してカットプレーをしていくと良いのですが、アダムスやカンタータイプのポストアタックを好むので発想が違いそうです。

      カーメロが残るとポール・ジョージ関係なくサラリーキャップいっぱいなので、プレー以上にチームの体制を変えるため、そして選手を残すためには出て行って欲しいのではないでしょうか。

  8. OKCが良くなるためにはサラリーなど、現実的に考えて誰が必要で誰を放出するべきだと思いますか?

    1. カーメロは放出したいですが、ポール・ジョージは微妙ですね。残ってくれるならありがたい存在のはずです。
      出来ればアブリーネス、グラント、ヒューステス、パターソンは残したい。逆にフェルトンとブリュワーはサラリーの邪魔になるなら放出もやむなしかと。
      あまりキャップスペースがないので苦しいのですが、ルビオやエクサムみたいなPGを加えたいところです。相手チームがPGでダボつきそうならイシュ・スミスやディンウディーを2巡目指名権とトレードで獲得したいものです。

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