バックスの今季を振り返る

バックスの今季を振り返る。シーズン前のレビューは公式サイトから。
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-bucks/6w6xf7m35rlo1jt1vhmzb8koh
昨季33勝→今季42勝
今季の躍進が期待されたチームはそれなりに満足のいく結果を手に入れた。それなり、というのは単に昨季が悪すぎただけで、勝率5割というのは現実的なラインではあったから。
アンデトクンポの躍進
今季のMIP候補アンデトクンポは得点、アシスト、リバウンド、スティール、ブロックの5部門でトップ20位に入った初めての選手となった。20位となると珍しいのはスティールとブロックだから、むしろ今までいなかったのが驚き。
既に昨季の時点でスーパーだったので、そこまで躍進した感はなかったのだけど、全部門で数字をあげたことは素晴らしい。
そしてアンデトクンポからこのチームの変化を推し量る事が出来る。縮図のような選手。そしてキッドHCのイメージとは随分違うチーム。



オフェンス効率を高める。
キッドといえばネッツに移籍した年に前年26勝だったチームを52勝まで引き上げ、イースト優勝しファイナルまで駆け上がった。
それはキッドによるファストブレイクがイーストを席巻した年でもあった。今でいえばウォーリアーズに近いよね。
そんなイメージのキッドだけど、バックスは逆で非常にペースの遅いチームである。リーグで5番目にペースの遅いチームであり、それ故に失点もリーグで9番目に少ない。なお、にも関わらずプレイオフではラプターズに遅いペースに持ち込まれて負けてしまったのは若さ故か。
ちなみに調べてみると当時のネッツはリーグで7番目に早いチームだけど、リーグ全体が遅かったので今のバックスより遅い。
速攻での得点 13位
ペイント内得点 3位
2ndチャンス 26位
リバウンド 29位
3P成功数 22位
遅いペースの割には速攻での得点が多く、ペイント内の得点が多い割にはリバウンドが少なくインサイドが強い訳ではない。また3Pは少ない。アンデトクンポの得点の仕方そのものな気もする。
あのサイズでドライブされたらダンクされてしまう。ただ1on1として抜く能力が高いわけではなく、3Pが得意でもない。
なお、3Pはアテンプトが少ないだけで成功率は高いのでアンデトクンポとチームでは違う。



アシスト 5位
FG成功率 4位
ペースは遅いが速攻やペイントで得点していき、ボールをシェアして得点の確実性を高めるオフェンスを展開した。このオフェンスが安定した事で得点を4.6点伸ばし、勝利数を増やした。
しかし、その割にオフェンスレーティングでは13位とイマイチ振るわないので来年への課題となる。



PG問題
シーズン前からPGに不安を抱えていた。確かにアンデトクンポがリバウンドからそのまま運んでいく形は悪くないが、ハーフコートでの展開力には欠けるし、何より3Pの確率が悪過ぎる。それはマイケルカーターウイリアムスも同様だ。さらにジャバリパーカーやミドルトンがケガをする事でアンデトクンポがウィングの役割をこなす方が大切になってきた。
それが意外にも良い方向に転ぶ。初の2巡目指名での新人王候補となっているブログトンが頭角を現した事だ。流石にここまでフィットするとはフロントも考えていなかったはずた。
PGが確定した事でアンデトクンポはウィングに専念させていける。3Pが突然上手くなることはないので、その方がチームとしても結果を残せるはず。
その点でもブログトンが台頭した事はチームバランスが良くなり、未来への希望が大きく膨らんだ。



チームバスケの徹底
バックスはチームバスケが徹底されており、チームで戦える選手ほど重用されているのは非常に良い流れだ。アンデトクンポは確かに凄いけど、1つひとつの部門では突出した数字ではない。それもチームを表している。
一方で上手くいっていない時間の解決策に乏しい一面もある。それは多彩なアンデトクンポだが1on1では高さに頼る以外にパターンが乏しい面とも一致する。キッドも同じ問題を抱えていたが全ての局面で力を入れる事で対応していた。トリプルダブルしちゃうような活躍。キッドって明らかにチームを勝たせたけど、個人スタッツ低すぎてMVP逃したんだよね。
ケガ人問題をクリア出来れば未来は明るいと誰もが考えているだろうけど、リーダーシップを誰が取るのかもチームの課題だ。ブログトンあたりの方が向いてそうだよね。



来季に向けて
パーカーが健康で戻れるかが最重要課題。あとは個人のレベルアップ前提で考えれば、特に補強ポイントもないチーム。FAでモンローが出ていく可能性は高い。こんなに高いサラリー払う価値のある選手とは思えないが、フィジカル系のFAが少なそうなので。
というわけでFAの狙いはリーダーシップとれるリバウンダー。
ボーガット リーダーキャラではないがリバウンドとってアシストするのでチームコンセプトに合う。プレイオフ経験もあるしモンローと同水準サラリーなら。
デドモン スパーズの控えでディフェンス&リバウンド。リーダーシップはない。
ガソル兄 勝負をかける年にするなら、高いサラリー払ってでも獲得する価値がある。リバウンド、リーダーシップ、アウトサイドショットと欲しい要素だらけ。
ルイス・スコラ ベテランミニマムで契約できそう。ベンチ要員だけど、エネルギッシュなプレーは苦しい時間に合う。
大穴でトレード利用して、シクサーズからオカフォーを取る。誰を出すかは問題だけど、アンデトクンポ、ミドルトン、ブログトン以外なら指名権含めて誰でも出せる交換相手。
一気に期待度高まるけど、トラブルメーカーになる可能性もある博打。
来季の目標を50勝にするにはガソルくらい取らないと厳しい。地道にプレイオフ経験を積んでいくしかないよね。

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