さようならバックス

バックスのプレーオフはとても考えさせられるシリーズでした。褒めたい部分が多いです。

 

〇アンテトクンポは偉大

「選手の価値はプレーオフをみないとわからない」

そんな意見には賛同しかねる面もあるのですが、一方で事実として存在する部分があるのを今季のファーストラウンドは示してくれました。それは結果的に勝ったかどうかではなく、7戦シリーズという中で最後まで対策が見つからない選手の偉大さでもあります。最後に勝つとか、クラッチで決めるとかはあまり関係ありません。とにかく対策不可の選手です。

スター選手は多くいますが、そこまで辿り着ける選手は10人に満たないです。今季は新たにアンテトクンポも仲間入りしたと感じました。セルティックスとのシリーズではティップインでの決勝点もあり、常にアンタッチャブルな存在で居続けました。

 

確かにアウトサイドシュートに課題はあるものの、それとは関係なく様々なパターンで相手を苦しめることが出来ます。唯一、ダブルチーム等に対して有効なキックアウトが出来なかったのですが、これは本人が悪いのか、チームが悪いのか。

いずれにしてもキッド先生がPGとしての仕込みもしてくれたことが今季の内容に役立っていたので、そんな面からキッドを高く評価しています。短期的にみるのではなく優勝から逆算していたイメージが強いのもこんな部分です。キッドの采配を褒めることはありませんが、プランニングは優れていたし、選手に求めるものも興味深かったです。

 

そういえば、コービーのキャンプに参加したいとしていましたが、コービーもHCなんて無理だろうけど、個人スキルを上げていく面では天才的なコーチだと思います。天才過ぎて求めるものが違いすぎるのですが。ナッシュも上手いよね。

 

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バックスでもう1人見直したのはミドルトンでした。あそこまで決め続けるとは驚異的です。

クリス・ミドルトンのプレーオフ7試合の成績

24.7点 FG60% 3P61%

 

アンテトクンポとミドルトン。全く止められない2人がいたのに負けたバックス。だからこそ問題があったと言えます。3P61%決める選手が、それもしっかりとマークされているのに決め続けた選手がいたのに負けたのは奇妙でしかありません。セルティックスはオフェンスのチームでもないし。

 

先に少しセルティックスについて触れておく必要があります。ファイナルまで進む可能性も十分にあるチームなので、結果的に「バックスは強かった」と見直される可能性もあります。第1戦でシクサーズを手玉にとったセルティックスですが、とにかく弱点をついていくのが強さの秘密で、個人が勝てるように仕組んで攻めさせるのが非常に上手い。しかし、バックスには弱点が殆どありませんでした。

弱点がないだけで、チームとして強みがあったわけでもありませんが。

 

圧倒的な存在のアンテトクンポに、大活躍のミドルトンがいながら、FG57%で25点なんて2人が板にも関わらず、「チームとしてどう戦うのか、どうやって活かすのか」が足りなかったのがバックスです。

 

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〇フィッツデイルみたい

カットプレーやトライアングルを駆使したオフェンスがバックスだと思っていたのですが、今シーズン前半の感想はグリズリーズとそっくりでした。その理由をアンテトクンポを怪物スコアラーとして育てるためだと考えていました。

5人がスペーシングすることでアンテトクンポが勝負しやすい状況を作り上げると共に、キックアウトから3Pを狙う戦法です。グリズリーズは微妙なラインだけど個人で勝負できる選手を大量に集めて、選手交代を繰り返しながらオフェンスを構成しました。ある意味それはセルティックスの弱点をつく戦い方に似ています。

バックスに弱点が少なかった理由は、ベースとなる発想が似ているので個人勝負できる選手ばかりだったからかもしれません。

 

管理人はメイカーが3Pを打つことに否定的ですが、ベインズやガソルに打たせているように両チームの発想の中でビックマンの3Pは必要な要素なので、実は理解出来る面もあります。

 

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グリズリーズにはコンリーとガソルがいて、2人でパス交換を繰り返しながらディフェンスを動かし、有利なポイントで個人勝負を仕掛けさせます。ガソルはシモンズ登場までリーグで最もパスをする選手でした。オフボールのゲームメイカーでもあります。

セルティックスにはスマートもいますが、ブラッド・スティーブンスは初めから勝負すべきマッチアップを決めているタイプです。選手はそのゲームプランを理解して攻めていきます。

 

同じようなシステム構成をしていてもバックスにはコントロール役が足りませんでした。プランティーHCの発想はわかりませんが、こんなオフェンスを好んでいなかった可能性もあります。なお、ブレッドソーの獲得は個人勝負の集合体としては非常に有効なトレードでした。それは困らされたロジアーも感じているはずです。

結局の所、バックスには頭脳が不足していました。それをどう解決するかは非常に難しい。PGを変えるのか、HCを変えるのか。

 

そして現状では新しいHCの選択をしています。フィッツデイルが候補だったように路線は変更しません。ブーゲンホイザーやポポビッチの弟子達とインタビューしているので、非常にわかりやすい路線です。求めているのはチームに知性をもたらしてくれるHCです。それは基本的には間違っていないと思います。

 

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◉いつ優勝すべきチームなのか

 

問題なのは優勝という目標に対して逆算しているのかどうかです。シクサーズとセルティックスに先にいかれた今、この両チームを倒すことを目標にしなければいけません。今シーズンが始まる前は「キャブスを倒せるか」というのがイーストを制するための条件であり目標でした。バックスというチームはそれが手の届く範囲にありそうなチームではあります。

それはひとえにアンテトクンポとレブロンを比較したときに、勝ち目がありそうだし、勝てなくても良い勝負になれば周囲の選手達で勝てそうだからです。それはあくまでもキャブス対策という1点においては。

 

しかし、あっという間にイーストも様々なチームを倒さないと勝てない世界になりました。ペイサーズのような異色のチームも登場しています。バックスが苦しそうなのは得手不得手が出てきてしまいそうな部分です。どうも集まっているのは「相手に合わせて柔軟に対応する」というのが苦手そうなメンバー達(ブログトンとパーカーを除く)

バックスは多分強い。アンテトクンポもミドルトンも素晴らしかった。

でも、個人勝負をベースにしているので圧倒するような「自分達の強さ」を発揮することはないし、その一方で「相手に合わせて対応する」ような柔軟性もありません。

 

新HCの手腕が求められるチームですが、落とし込むのには時間がかかりそうです。果たして周囲のチームの成長速度を上回ることが出来るのか。

 

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◉FAを集められるのか

 

バックスは高額サラリーは何人もいますが、巨額サラリーはアンテトクンポしかいないし、それは働きに見合った額です。本来は動きやすいはずなのでこの夏にトレードやFAで新HC好みの選手を集められるかが注目されます。

そして目玉となるジャパリ・パーカーをどうするのか。マッチする権利はあるし、マックスのオファーはないでしょうから、残す前提で構築可能です。スピードとスキルで振り切るビックマンは個人勝負が多いチームでは非常に有効なオプションのはずなのに、契約延長を公言されることもなければ、プレーオフで出番を制限されたことも気になります。正直、第1戦に長く出していればシリーズ制した可能性も。

 

昨年の夏に書いたときには、バックスのスカウトは優秀だとしました。ドラフトする選手をあてているので大きなトレードなしで今のチームを構築しています。しかし、今シーズンの迷走ぶりもなかなかでした。ブレッドソーとジョーダン。どちらも本当に必要なタイプだったのか、悩んでしまいます。

特にジョーダンに関してはメイカーが活躍したように、トレードしなくても手元にいたじゃないかと。

 

ちょっとフロントが迷走しているのも頭が痛い部分でチームに本当に必要な選手を見極められるのかどうか。そんなフロント力も勝負をわけてきます。

 

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今シーズンのバックスは、多分そんなに悪くなかったはずです。しかし個人的には圧倒的に面白くないチームでした。何がしたいのか分かるけど、何をしているのかわからないようなチーム。

せめてそこからは脱却して欲しいのでした。

 

新HCは誰になるのかな?

 

 

 

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