20180426 サンダーvsジャズ 第5戦

観てないのですが第4戦のサンダーは酷かったらしいですね。ウエストブルック頼みになってしまう今シーズンの特徴そのままだとか。

 

〇取捨選択出来ていない

サンダーのディフェンスが酷い。なんでこんな事になっているのか?

第2戦までの感想として「ルビオをチームとして止めるのを諦めている」としました。それよりもウイングまでワイドに使われての3Pが怖いからです。しかし、第3戦で切り裂かれたからか、完全に怖がり始めたサンダー。真ん中を攻略されるのを恐れすぎるあまり、コーナーへなんどもキックアウトされていきます。

プレビュー時点で「サンダーとジャズの3P能力の差はコーナーでしかない」と書きましたが、そんなコーナーから打たせまくるので、アンストッパブルになっていく1Qのジャズオフェンス。

「サンダーはジャズのハイピックに全く対応出来ない」という指摘がありますが、細かい修正は必要であるものの、そもそも全部止めるなんて無理な話であり、それくらいのオフェンスの深みがあるジャズでもあります。それはサンダーを批判するよりもジャズを賞賛すべきです。ルビオの活躍は諦めるべきだったサンダーが過敏に反応して完全に裏目に出ています。というか過敏に反応しても大して止めていません。3人寄っているのに何故かインサイドでフリーシュートになるのはルビオのパスの上手さであり、諦めた方が良いよ。

そうなれば当然、キックアウトからの3P連発になります。面白いように決まって行くキックアウト。それは止めていたはずなのに、イングルスに広げられると深みにはまっていくと書いたのに。

 

全く取捨選択出来ていないサンダー。

 

 

〇インサイドを攻略する

サンダーのもうひとつの問題にして,ジャズディフェンスの狙いはインサイドに蓋をすること。加えてサンダーのシューターポジションは足が止まる傾向があるのでパスカットが狙えます。ここでインサイドを攻略する役割はウエストブルックの個人能力しか用意出来ていないのがサンダーの苦しい部分です。

間違えてはいけないのはジャズだって苦労しています。ウエストブルックがシュートを外してくれるのを祈っています。その祈りはミドルを選択させることで叶う願いです。つまりは何も変わっていません。それでもまだコートにウエストブルックがいれば、インサイドを攻めていくのでオフェンスバランスは悪くありません。効率が悪いだけ。

ところがいなくなると、ちょっと手をつけられない酷さに陥ります。ポール・ジョージが横断パスを出しますが、そもそも逆サイドのマークは全く外れていません。理解不能な選択に対して、受け取れなかったアブリーネスに文句を言うポール・ジョージなので完全に崩壊しているサンダー

 

それでも時折、ポール・ジョージが個人技で3Pを決めてくれるからむやみに期待してしまうのが間違いなんだろな。34-29でジャズがリードした1Qです。

 

 

〇マネジメントの世界

ちょっと書くことがない1Qの戦い。ジャズはたいしたことはしていません。極めていつも通りだし、サンダーのディフェンスアクションに合わせて空いた選手を活用しているだけ。そのアクションが悪すぎるサンダー。第2戦までそんな感じじゃなかったじゃん。理解に苦しむ管理人。

一方のジャズのディフェンスはちょっと苦労しながらも、サンダーの強い部分だけは抑えておこうという形です。つまりは完全にマネジメントの世界です。90点取られることを諦めている代わりに110点は許したくないジャズと80点に抑えようとして120点取られてしまうサンダー。

そこにゲームプランはあるのか?

 

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〇ヒューステスとグラント

驚くほどに2Qになっても何も変わりません。つまり1Qのゲームプランはあれで正しかったと言うこと?

ただ、サンダーのディフェンスはメンバーで差が出てきます。グラントとヒューステスが出ている時間、それってカーメロとブリュワーがいない時間は、フリーの選手にパスがでても運動能力で追いついてしまいます。ローテーションが優れているのではなく反応が速いだけ。データ上はブリュワーよりも遙かに守れるヒューステス。個人を追いかけ回すのと、コーナー3Pの確率でブリュワーが上回るだけで、実際に機動力ディフェンスするにはブリュワーは苦しい事が皮肉な感じで出てきます。カーメロは言うまでもなく。

今季のシーズンストーリーが間違っている事を示しています。ヒューステスはミッチェル止めてるし。

 

そんなわけでジャズがラッシュできるわけではありません。明確に上回っているのではなく、マネジメントの世界で勝っているだけ。それは徐々に、かつ確実にリードを広げていきます。ルビオにレイアップされるよりもイングルスにフリーで3P打たせる方がダメだって。そんなこと誰でも知ってるよ。

 

 

〇走り勝つジャズ

二桁リードを奪ったジャズですが、ヒューステス&グラントの時間に追い上げられ、2人が下がると再び15点差になります。うーん、「ウエストブルック酷い」という話を聞きましたが、それよりも全く突破出来ていない上に、パスミスするポール・ジョージの方がどうかと思います。ヘルプを集めていないのに追い詰められてキックアウトしてしまうのは苦しすぎる。それは当然パスカットされます。

第1戦から言っていますが、このシリーズでジャズはサンダーの得意分野で上回っています。それは走ること。走ることがサンダーのハードワークを支えますが、逆にジャズの方が明確に走っています。「トランジションディフェンスが悪い」というよりも、純粋に走れていないし、ジャズはシーズンよりも全員が走っています。

クラウダーがウエストブルックのキックアウトをスティールしたとき、戻れない以上に戻らないポール・ジョージとワンマン速攻なのに4人が走っているジャズ

 

あっこれダメだわ。もう完全にサンダーは気持ちがキレています。だからスターターが出てくるほどに点差が離れていきます。「気持ちが」星人が大嫌いな管理人が言うくらい気持ちが切れているサンダー。特にポール・ジョージ。問題外の切れ方。

 

〇ファンブログな言い方

なんか、完全にファンブログみたいな感情的みたいな言い方だけど、

「ウエストブルックにはアダムスとロバーソンがいないとダメ」

そんな事を言いたくなるような2Qです。試合をしていれば良いことも悪いこともあるよね。視野の広さと圧倒的な突破力でチームを構成するウエストブルックだけど、頻繁に呆れるようなミスもするよね。そんな中でも常にハードワークするのがサンダーのチームカラーです。そのチームカラーを忘れてしまったサンダー。違う意味でキレそうになる管理人。

プレーオフになって色濃くなってくる補強の失敗。その失敗は実力の部分ではなくマインドの部分での失敗です。

 

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◉濃縮して還元しなかったサンダー

 

後半を観ながら書いています。もう試合内容に触れる意味があまりありません。何かやり始めたら書きます。「何かやり始めたら」って要は予期せぬ内容って事です。今季の内容とは全く違う予期せぬ内容じゃないと絶対に追いつきません。それくらい振り切らないと何も変わらないでしょうね。

ちょうどウエストブルックが理不尽速攻に行きました。そこで4人に囲まれますが、カーメロとポール・ジョージはまだバックコートにいます。外したシュートのオフェンスリバウンドにいるのは、ウエストブルックとアダムスだけ。おい、誰かロバーソン呼んでこい!!!

 

〇カーメロとポール・ジョージ

ビック3として手に入れた2人です。「3人は成り立たない」とか「役割が被っている」とか、いろんな指摘がありますが、その辺は来季のHCに考えてもらうとして、それ以前にマインドの問題がありました。走らないこと。逆にサンダーが輸出して走るようになったペイサーズとニックスなので、走らない星からやってきた2人のマインド問題は解決しませんでした。

フラットに考えれば「ウエストブルックが無謀な特攻をしている」ではありますが、それはあくまでも何も知らずにフラットに考えた場合の話です。しかし、ここはサンダー。ウエストブルック以前にビリー・ドノバンのチームです。ドノバンが育てた選手達は誰もが走ります。ハードワークこそがチームのアイデンティティー。

 

そこに加わったポール・ジョージとカーメロにハードワークを徹底出来なかったのが、チームとしての大失敗です。まぁディフェンスで走りまくっていたポール・ジョージも、トランジションディフェンスするようになったカーメロも前のチーム時代よりは相当頑張っています。否定してはいけません。本当に頑張っていると思っています。

結局の所、ウエストブルックが理不尽速攻して生まれてくるチームの流れ。それは周囲のハードワークに支えられています。ここで無謀な面も含めて突撃しなくなればチームが勢いを失います。失いまくったよね今シーズンは。

だからビック3の能力とか、活躍度とか、そんなことの前にドノバンがドノバンのチームにカスタマイズ出来なかった今シーズンでした。なお、まだ後半始まって4分

 

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〇ゲームプラン

プレビューで触れたとおり、開幕戦でのサンダーはウエストブルックによるパッシングゲームでした。それが次第に困り始めていろんな事を変えていきます。そこで困ったことは全てウエストブルックの理不尽さで解決していくサンダー

このプレーオフでもその傾向は強く出ています。前述の通り、ルビオをチームで止めるのは諦めれば良かったのに、そんな当初設計を破棄して崩壊しています。崩壊させたのはウエストブルックのようでいて、そもそもそんな事をチームでずっとやってきた今シーズンです。困ったらウエストブルック任せだけど、そんな事を許してくれた多くのチームに対して、許すわけがないジャズ

 

結局はゲームプランが乏しすぎました。これは別にプレーオフの話ではありません。シーズン通しての話。毎回のように同じプレー選択して試合中の変化に乏しければ、相手を攻略する方法論にかけていました。

ジャズの変化に対してどうするのか、自分達がどの部分で勝つのか。何処をみてもプランが乏しすぎるサンダーです。

 

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〇諦めたサンダー

 

試合は3Q始まって3分半で25点差になります。もう終わっています。どうしようもない感じ。

それがどうなっているのか、メンタルぼろ負けのサンダーはもう完全に諦めました。諦めてメチャクチャになります。

 

特にディフェンスはメチャクチャ。もうとにかく人を捕まえて、スクリーンでかわされるならスイッチして、プレッシャーかけて追いかけ回しているだけ。パスを読むとかローテーションとかメチャクチャ。

メチャクチャになるとどうなりますか?

個別のマッチアップにおいては個人能力の差が出始めます。なので個人能力で勝っているサンダーがジャズのオフェンスを理不尽に抑え始めます

 

例えば個人には激しいプレッシャーがあるので、ジャズはしっかりとキックアウトを狙います。そこにローテーションがきたりプレーを読まれていたらカットされますが、サンダーからそんな匂いは全くしません。

読んでいるのではなく、単純に全力でジャンプして弾いてしまいます。断言しても良いけど、ジャズのオフェンスを読んでなんかいないよ。反射神経だけで止めてる。忘れてはいけないのは今季のハッスルランキングです。ディフレクションもルーズボールも1位はサンダーですし、ルーズボールで2位に大差をつけてトップなのがウエストブルックです。ハードワーク!

だから論理性がないディフェンスだけど、サンダーがボールを抑えていくことには理由があります。

 

 

オフェンスはウエストブルックです。

突然、自重していたはずの3Pを連続で決めてモードが変わり始めます。理不尽生物が動き出します。でも、唯一論理的なのは3P連発で18点差になるとカーメロを、そして後にブリュワーを下げました。理不尽アタックについてこれない選手は下げて、走って走ってフォローできる選手だけになります。一気に復活するサンダー!

 

上記の今シーズンの問題はある意味そのままです。アイデンティティの問題。ドノバンのチームはハードワーク出来るかどうか。出来ない選手がいるから上手くいかない。もう振り切って諦めて、外れようがなんだろがリングに向かってまっしぐらになるサンダー。

冗談みたいだけど、3Q残り8分半で25点差だったのに3Q終了時点で追いついてしまいます。細かい説明は不要です。

理不尽生物が帰ってきました。

 

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〇理不尽ではない理不尽さ

 

一応、解説しましょう。理不尽で通してはウエストブルックが可哀想です。それ以上にジャズが可哀想です。

まず、サンダーのオフェンスはジャズに読まれていました。しかし、そもそもジャズは唯一ウエストブルックは抑えられていませんでした。ただ、本人はそれなりにシュートを外してくれるので、インサイドアタックだけは止めようとします。それが止められなくなりました。

理由は2つです。そもそも全員が走るようになったので、トランジションでマークが分散せざる得なくなります。そうなってくると少しずつウエストブルックが空いてきます。少しのズレで止められない突破力があるのは誰もが知っています。

 

理不尽だったのはもうひとつの理由です。バカみたいに3Pが決まったこと。そんなのジャズは諦めるよね。30%も決まらない選手の3Pなんか。でもそれが決まってしまいました。これぞ理解を超えた理不尽生物。それにより、ウエストブルックに対して前に出ないと行けなくなります。前に出たら抜かれます。

後手後手になっていくジャズ。正直、理不尽だったのはシュートだけなんだよね。

 

〇予定外のこと

そこに予定外のことが加わりました。これはジャズにも予定外ならサンダーにも予定外。管理人も予想外。

ウエストブルックについてきて、個人技でインサイドを決めていくポール・ジョージです。確かにマークは緩くなりましたが、このシリーズどころか、今シーズン外しまくっていたインサイドを突然スコアし始めたのでジャズには予定外です。サンダーからすると「初めから決めろよ」って感じです。

そうなると益々ウエストブルックは止めにくくなります。25点差を8分半でチャラにしてしまったサンダーでした。その混乱にはさすがについていけなかったジャズ。

18点差、13点差、6点差と細かくタイムアウトをとり、少しずつ盛り返すスナイダーHCなのですが、その度に一気にラッシュされてしまいました。こっちはシボドーと違いちゃんとやってるよ。

 

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◉4Qで冷静さを取り戻す

 

ジャズは4Qになって少し冷静になっていきます。ウエストブルックには徹底的にミドルを打たせていきますが、これがそれなりに決まりまってしまいます。それでも気にしないことにしました。諦めるしかない。その一方でオフェンスではアブリーネスとカーメロを狙ってドノバン・ミッチェルにやらせます。

ちなみにサンダーファンは止められない印象を抱いているみたいですが、実際にはやっぱりウエストブルックの方がかなり強烈です。ところがマネジメントの面で「ミッチェルを止めよう」としすぎているので、インサイドをぶち抜かれています。アブリーネスが良かったのは打たれる前提で守っていたので、連続得点での大けがにならなかったこと。要はウエストブルック同様にミドルを打たせておけば、そこそこ抑えられるわけです。

第4戦までFG45%、3P34%のミッチェルを怖がりすぎていたサンダーです。アブリーネスは諦める面をハッキリ出してミドルをブロックする事もありましたが、全体的には止めようとし過ぎました。

これにより、ジャズは一方的にやられる展開を避けることが出来ました。この辺のコーチングは大切ですが、ジャズですら3Qの間には修正できませんでした。それはサンダーの恐ろしさ、というか理不尽なわけです。

 

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〇1プレーの解説に意味がない

 

もう1プレーを触れていく意味がありません。書いてしまえば「ウエストブルックがミドルを決めた」だし、「ミッチェルがフローターで返した」です。

しかし、得点差はなんの関係もなくなってきます。どちらがより試合を支配しているのか。それまで異常に決まっていたクラウダーの3Pは決まらなくなり、こぼれ球を抑えるのはいつだってウエストブルック。

ルビオによるゲームコントロールは何も変わっていないし、サンダーはそこを潰せてもいないけど、完全にコントロール出来ない状態になっていきます。少し付け加えるとジャズのオフェンスストーリーで触れたように、終盤のミッチェル勝負の段階で3Pへの意識を傾けているはずでした。しかし、それがメチャクチャだったサンダーのディフェンスにより進んでいなかったので、ミッチェルの突破は効率性を失います。4Qのジャズは10本の3Pを打ちますが1本しか決まりませんでした。

 

そんなわけでただひたすら理不尽だったウエストブルック

その支配力が何故か、ポール・ジョージを復活させ、全員を走らせ、メチャクチャなディフェンスを機能させました。結局はサンダーってウエストブルックなわけで、そのプレーで周囲を引き上げていくわけでした。

でも忘れてはいけないのは、ウエストブルックの前にドノバンHCのアイデンティティーがハードワークにあること。それを体現しているに過ぎないので、ブレてはいけないのはウエストブルックではなく、ドノバンHCということを明確に示した試合でした。

 

観てないけど第4戦ってブレブレだったんでしょ。ウエストブルックなんて止めようがない選手を活かすも殺すもHC次第なわけです。

 

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◉可哀想なジャズ

 

もうそれしか感想が出てきません。完璧だったというか、完璧すぎたというか。

相手が悪かったとしか言いようがありません。普通のチームなら絶対に追いつきませんでした。というか25点差にしないで10点差くらいだったら、そのまま勝ちきった気がします。完全に諦めたサンダーが、諦めたが故に1年前の姿で突進してきました。

ルビオのゲームコントロールは何一つ変化していませんが見えない力に押しつぶされました。

 

 

さて、これで第6戦に突入しますが、試されるのはクイン・スナイダーがビリー・ドノバンより優秀であり、ジャズはサンダーよりも正しいシーズンの過ごし方をしてきたか、という点です。前半の内容通り、サンダーは第2戦までのプランを忘れ、取捨選択出来ない状態に陥り、一番初めに止めなければいけないコーナー3Pを決められ続けました。

だから第6戦でジャズがウエストブルックに対して何をしてくるのかは注目です。

少なくとも第5戦3Q残り8分までは完璧に機能していた「ウエストブルックは諦める」という選択肢に対して、ウエストブルックは3P5本という答えを出してきました。ジャズにこれまで通りで戦える勇気があるのかどうか、それは「これまで通りの内容ならば、残り2試合のうち1試合は絶対に勝てる」と曲げない信念があるかどうかにも繋がります。

 

管理人の予想はジャズは信念を曲げません。仮に第6戦で負けても第7戦も同じ事をやってきます。そしてどちらかで勝利するはずです。それはひとつにはゲームプランへの自信があるからであり、もうひとつは変化して勝てるような個人力がないからでもあります。今まで通りやる以外には何も手段はありません。それをするのがジャズであり、だからこそ強いのがジャズです。

あとは選手達がゲームプランを信じ抜けるかどうかだけ。

 

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〇思わず呟いてしまったこと

基本的にゲームレポート書くときには結果がタイムラインに流れないように、試合結果が想像できる事は呟かないことにしています。まぁそんなことしなくても、結果を知りたくない方は観ないでしょうが。しかし、あまりにも酷すぎた前半のため、呟きまくりました。

前半終了時につぶやいたこと

 

25点差になってウエストブルックが3Pを連続で決めた頃

4Q残り5分くらいでカーメロが出ている頃

まぁものの見事に振り切って1年前に戻して理不尽速攻かまして、そのためにディフェンスもプレッシャーかけまくるだけになりました。タイムアウト明けから始まったのでHCの指示もあったかもしれませんが、ウエストブルックが個人でやり始めた時に、ついていった周囲が凄いです。これもまたウエストブルックの持つカリスマというかリーダーシップなんでしょうね。それは周囲から得ている信頼ともいえます。

25点差で突然のように1人で特攻を始める。でも周囲がついてくる。

そんな事が出来るくらいのリーダーシップもっている選手がNBAでさえ他にいるのか?だからこの人は、人というか生物と表現したくなります。

 

さて、書きたいのは「当てただろ、すげーだろ」ではありません。外した部分です。「グラントとヒューステスを使え」というのは「カーメロとブリュワーを出したら負ける」という意味でもありました。その意味ではカーメロが出てきた段階でジャズが逆転すると考えていました。その時点で残り8分で88-87とサンダー1点リードです。

カーメロが出たら負けるというのは、上記の内容通り本人の問題ではなく、チームとしてメチャクチャになっているので、スキルよりも全てをカバーしていく運動量が求められるからです。結果的には本人の頑張りもありリードを得たサンダーでしたが、戦い方としては危ない内容でした。

 

〇カーメロ登場後のサンダー

FG8/17

オフェンスリバウンド 1(ウエストブルック)

速攻での得点 3(アブリーネス3P)

 

カーメロ自身はアテンプトゼロなので何の責任もありませんが、そもそもシュートが高確率で決まるチームではないので、フォローしてくれる選手の方が必要だったはずです。そりゃあそうだよね。だってカーメロのアテンプトゼロですよ。カーメロの無駄遣い。

だから個人的には、サンダーが勝ちきったことは計算外だったりします。そこには論理性がないし、気を使いすぎているドノバンHCです。第6戦以降に不安要素が存在しているのもまた今シーズンのサンダーらしさになってしまう悲しさです。

 

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うーん、本当に第2戦まではお互いが止める部分と、諦める部分とを考えていて、それでいて作戦が存在して面白い戦いだったのに、随分と変化してしまったものです。面白いというと語弊が出てきそうなので表現を変えると「興味深い戦い」から「笑える(笑えない)戦い」に変化してしまいました。

サンダーの細かい部分には期待薄なのですが、この勝利により少なくとも「イングルスをはじめとするジャズのコーナー3Pを阻害する」という基本戦略には戻って欲しいです。

 

後半のようなメチャクチャディフェンスし始めたら、それはそれで面白いことになるでしょうが、そのときに笑うのがサンダーファンなのか、それともジャズファンなのかは全く予想できません。

 

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◉3Q残り8分半で71-46とジャズ25点リード以降のスタッツ

 

サンダー 61-28 ジャズ

 

〇ラッセル・ウエストブルック

33点 9リバウンド 4アシスト

FG12/20 3P5/7

〇ポール・ジョージ

21点 FG8/15 3P1/2

〇サンダーの他の選手

7点 FG3/5

12リバウンド 4アシスト

 

おかしな数字がいっぱい混ざっています。ほぼ2人しか打っていないのに、ボールが回ってきたら決めてしまう周囲もちょっと変です。「ボール独占しすぎでリズムが生まれない」と考える常識的なバスケ感覚では語れません。プロの世界でHCやるには多様性を受け入れないとダメという典型的な部分の気もします。

常識から外れたプレーが出来るからプロ選手なのであって、それを論理的にどうやって活かしていくのか。NBAの世界でも止められないウエストブルックを手元におけるHCは幸せ者ですが、同時に世界一苦労するHCかもしれません。

融合させたようなドノバンHCでいて、自分のアイデンティティとの間で迷っている気もします。

 

 

〇ドノバン・ミッチェル

10点 FG5/16 3P0/5

〇ジャズの他の選手

18点 FG6/20 3P1/11

 

しかし、それ以上に奇妙なのは突然ジャズにまで影響が出てくることです。それまでチームで12/22だった3Pは全く決まらず、FG4/6だったドノバン・ミッチェルも飲み込まれました。

 

だからウエストブルックは支配力が理不尽なんです。自分達が良くなるとか、鮮やかな連携でチームが回転するとか、ディフェンスで相手の動きを読むとか、ぜーんぶ関係ない生物

またひとつキャリアハイライトになりそうな試合でした。

何度も言いますがジャズファンが可哀想な試合

 

 

 

 

 

20180426 サンダーvsジャズ 第5戦” への15件のフィードバック

  1. ペリカンズがホリデー、ムーア、ミロティッチなんてけしてめちゃ派手ではないキャストたちがADを支えてるのを観ると、サンダーも”ウエストブルックで勝ち切る”ことを徹底させた方がいいのでは?と思いますね。

    要はカーメロ、なんならポジョも不要派です。

    1. 間違いないと思いますよ。ロケッツもハーデンとCP3が活かされるメンバーですし、戦い方もCP3っぽく変えてきましたからね。

      カーメロは加入時から爆弾だと思っていましたが、ポール・ジョージのあり方は悩まなければいけないでしょうね。能力的には合うはずなので。

  2. 西ブルかっこよかった…。あまり好きな選手では無かったのですが、今日の試合でファンになりそう。途中で観るの止めなくてよかったです。

  3. 今年のサンダーは2番ポジションがロバーソン抜けてから安定してないですね。
    > というかあまり信頼されてないですよね〜。
    > ヒューステスもっと使ってほしいです。ガタイいいしディフェンスもいいし、オフェンスも邪魔せず仕事してるイメージなんですけどあまりでないですね。
    > アブリネスも多分ディフェンスであまり信頼されてないんだろうなと出場時間短いから思います。
    > しかし、デュラントが最後にいた年のウォリアーズとのシリーズみたいに、
    > 個人の能力だけで試合とってしまう恐ろしさがあるんでそこに期待をしながらこのシリーズのサンダー見てみたいなと。
    > 来年はグラントがスタートのPFでお願いしたいです。
    > その前にドノバンとジョージは残るのかな。

    1. 昨季のサンダーは面白かったのですが、そっちの方がドノバンらしい気がしました。SGが問題なのではなく、走る選手を優先する気持ちが足りなかったのかと思います。

  4. ゴベールの5つ目で一気にかわりましたね
    管理人さんのラスへの愛がすごい笑
    アテンプト39もすごい笑

    1. 正直言うと、この記事はちょっとした反抗です。ウエストブルックを間違った叩き方しているひとが多くいたので。
      残念ながらまだベストな使われ方をされていないのがウエストブルックだと思っています。だからHC次第では大きく変化するはずです。

      ドノバンも後半のような使い方をするのがベストだとは考えているのだと思います。

  5. 出場時間44分、FGA39本とかほんとどんな体力してるんでしょうか。

    ウェストブルックのこういう姿が見たかったんだよ、とは思いつつも私はジャズを応援していたのでなんともいえない気分です。

    1. 全てのサンダーファンはジャズファンに謝るべき試合です。こんな事やられたら価値観をぶち壊されます。

  6. OKCファンです。今季のレビューはいずれも読ませていただき、深く頷くところです。正直、前半はもうサンダーファンをやめようかと、心が折れそうになっていました。おっしゃるとおり、サンダーのアイデンティティはハードワークで、それができない、プライドがそうさせないなら、観ていて辛いだけです。

    サンダーは、かっこ悪くても、効率が悪くても、セオリーを無視していても、とにかく走って、手を出して(swing first)、相手を上回ることがチームカラーになってほしい。それは、KDがいた最後のシーズン、SASに勝ち、GSWを追い詰めたシリーズで感じたことでした。

    今日の試合で、あらためてそれを感じました。正直、シリーズの行方はもうどうでもいいです。走る、手を出す、競る、立ち向かう。それがカラーとして定着するなら、スターは来なくてもいいです。まだフランチャイズとしての歴史が浅いOKCだからこそ、それがカルチャーになってくれたらと思って観ています。長文かつ垂れ流しの感想で失礼しました。

    1. ペイサーズファンも勝ち負けを超えた部分で今シーズンのチームが大好きらしいです。

      勝ち負けとは違って、そんなアイデンティティの部分が勝利に繋がるものなので、変にビック3とか考えない方が良いんですよね。

      ロバーソンやアダムス作り上げたように、そんな選手を育てる事と必要なアクセントを他のチームから手に入れる手法が確立出来れば安定して勝てるようになるのでしょうね。

  7. 3Q途中までは、完全にサンダー完敗だと思ってました。
    勿体ないターンオーバーがあまりにも多いし。
    ジャズにはフリーな3P打たれまくるし。
    クラウダー、めっちゃ入るし。

    今シーズン終了かと思いながら、観戦してたら、
    まさか3Q終わって追いつくとは・・・。
    まさか勝つなんて思いもしませんでした。

    去年のウェストブルックじゃんと思ってたら、whynotさんも同じこと書いていて笑いました。
    こんな無茶苦茶な活躍して勝つから、ウェストブルックファンはやめられない。
    めっちゃたたかれるけど(苦笑)

    第3戦とか、ウェストブルックがドライブで切り込んだ後に中途半端なパス出して、逆速攻喰らうシーンとか結構あったから、らしくないな、自分で行けばいいのにと思ってたので、今日の試合を見てすっきりしました。
    ウェストブルックらしさがでてましたね。

    ポジョも前半ひどかったけど、後半戻ってきましたね!
    二人で79点って、なんか昔を思い出しますね・・・。
    メロ・・・(泣)

    さて、第6戦ですが、
    8割方、ジャズが有利と見てます。
    ラスがあんな3P入る試合なんてそうそうないし。
    ただ、今シーズンは強豪とのアウェイにも勝ってるし、
    この勢いでwhynotさん曰くのムチャクチャなディフェンスでいけば、
    可能性はゼロではないのかな、と。

    今回同様、メロの出場時間を抑えてグラントを多めに出していくのもポイントとなるでしょうね。メロにも頑張ってほしいところですが。

    Whynotさんは、どちらが勝つとみてますか?
    ジャズは全員がバランスよく攻めることができ、一人二人不調でも問題ないのが強みなので、ウェストブルックがイマイチだと厳しいかと思ってますが、サンダーが勝つためのポイントがあれば、ご教示いただけますと幸いです。

    長々と失礼しました。
    サンダー寄りですみません(笑)

    1. サンダーが逆転した中で、わかりにくい理由が1つあって、バンバン打ってしまいました。これがジャズのトランジションオフェンスを防ぐ事になりました。そもそもパスしないからスティールされないので。

      この試合前にはジャズのオフェンスもそこまでサンダーを崩していたわけではなく、スティールからの速攻で誤魔化している部分がありました。なので、3Pが決まらなくても速攻で失点しないのは重要です。
      ジャズのオフェンスはすべては止められないけど、少しでも確率の低い選択をさせるマネジメントは必要です。

      要は共にいかに守るかが重要でしょうね。無理な事をしない方が勝ちやすいです。

  8. 戦術や周りを気にする事より大事な事を思い出しましたね・・・
    こりゃ残り2戦分かりませんね。

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