20180415 シクサーズvsヒート

 

◉飛ばすよシクサーズ!負けないヒート!

 

はじめから飛ばすのはシクサーズ。だってそれが16連勝の要因です。走って動いてシモンズからのパスを待ちます。このシリーズはヒートがそんなシクサーズの走りを止めるところからスタートするわけです。

 

しかし、全く止められず気持ちよくシュートを打っていくシクサーズ

 

シモンズがアーリーで運んでくるとマークのジョシュ・リチャードソンがつくのですが、勢いの強さに周囲がヘルプポジションを取りたがります。そんな時に瞬間で足が止まるから決まっていくバックドアカットの餌食です。

 

さらにホワイトサイド問題が発生する前にアミール・ジョンソンにオフェンスリバウンドを許します。パスアウトで3Pも決められて全く止めていないヒートのディフェンス

 

 

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しかし、得点差はつきません。ヒートもしっかりと得点していきます。

ジェームス・ジョンソンのドライブが決まれば、シュートが落ちてもホワイトサイドが拾ってくれました。これによりオフェンスで対抗出来たヒート。

 

さらにベンチメンバーが出てくるとその傾向が強まります。

 

 

オリニク&アデバヨになると、走り負けないのでシクサーズの良さが失われていきます。ランニングゲームになってもしっかりとブロックアウトしてくれるアデバヨにより、リバウンドを抑え、逆にカウンターから頻繁に空いているオリニクが3Pを連続で決めていきます。

 

ウェイドもフェイクで飛ばしたり、ミドルを決めたり、ボードの上に当てたりとなんか良く分かりませんが、二桁点差を奪うヒートでした。

 

しかし終わり方が最悪だった1Q。

最後のオフェンスをスティールされると何とか繋いでいったシクサーズがコビントンの3Pでフィニッシュします。さらにそのスローインでルーズなパスを出したため、フルツがスティールしてフリースローをもらい、35-29と6点差になったのでした。

 

勿体ないヒート

 

 

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◉ヒートのオフェンス

 

そんな6点のリードもシュートを外している間に追いつかれます。走りたいシクサーズはボールを持ったら早いわけですが、ヒートのシュートが決まっていると思うように走れないわけです。しかし、そもそもヒートは確率の高いチームではありません。

 

そして疲労からかオリニクはイリャソバに裏をとられ、そっちを警戒すると3Pを決められます。サリッチの3Pで逆転するシクサーズ。

別にシクサーズのシュートが高確率で決まるわけではありません。ただ、ランニングゲームに持ち込めるから自分達の良さを十分に発揮しているだけで、オフェンスリバウンドに繋げています。

 

ヒートは自分達のオフェンスの確実性をあげるために、ドラギッチやジェームス・ジョンソンを戻すとドライブが増えて少しずつ得点出来るように。そうするとシクサーズの勢いも少しずつ落ちてきます。

 

ただ、次第にシモンズが止められなくなっていきます。ジェームス・ジョンソンにスイッチしてレブロンと同じ対策にします。ただ、走られるとそんなマッチアップに出来ないし。

 

 

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ヒートが盛り返したことで残り4分でも同点の展開

オフェンスリバウンドから押し込んでいき、リードするヒート。イリャソバがオフェンスリバウンドを押し込んで返すシクサーズ。走っているしシューター揃えているけど、実はオフェンスリバウンドがキーになっています。

 

残り2分からウェイドが出てくると相変わらず全く守れないベリネリの所から崩していき、ヒートが60-56で4点リードになり前半が終わります。

 

 

でも、ベリネリが守れないっていうのが逆にオフェンス志向を高めているので、これが何とも言えません。やっていることはキャブスと同じです。まぁシクサーズの場合はそこに走る要素が加わるから、より収支があってきます。ヒートが早く打ってくれれば自分達もはやくなるわけで。

 

気になるのはオリニク。セルティックスにいたからか、走る形に慣れていて相手の虚をついたり、少し遅れてオフェンスに加わってフリーになったりと上手さがあります。しかし、それは同時にヒートのオフェンスの時間を短くもしています。それって本当に有効なのかな?

オリニクの時間が長すぎる気がします。そしてホワイトサイドは出てこないよ。

 

シクサーズはこのままやれば何の問題もない前半です。エンビートいないから走るしかないし、走りやすいよね。

 

 

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◉走り続ける効果

 

前半の内容からもっとホワイトサイド使えば、とも思いましたが見事にイリャソバにやられていきます。イリャソバはボールとホワイトサイドをみていて3Pラインの外に構えます。しかし、ホワイトサイドが視線をボールに向けた瞬間に裏を取ってゴール下を決めてしまいます。で、インサイドに集中すると3Pと好き放題。ホワイトサイドを攻略しまくり。

 

さらにオフェンスリバウンドに飛び込むホワイトサイドからギリギリでリバウンドを確保すると、早い展開で置き去りにされるホワイトサイド。シクサーズの速攻が決まり流れが一気に傾きます。

 

徹底的にホワイトサイドなのですが、プレビューで書いたとおり、ホワイトサイド1人くらいカバーしろよって部分もあります。多分、それをしないで個人が自分の空く割を果たすのがヒートクオリティなんだよね。

 

 

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タイムアウト明けからしっかりと走って戻り、オフェンスリバウンドも積極的になるホワイトサイド。しかし、それでもサリッチに3Pを打たれ決められたのでオリニクと交代になります。これはサリッチが良く決めたと褒めるべきです。

 

ちょっと凄いなと思ったシーン。ショットクロック3.4秒しかない中でのジャンプボール。自分の所に落とせと指示するシモンズ。でもそれって3Pラインあたりです。本当にそこにボールが落ちてくると慌てずに押し込んでペイント内から打っていました。なんて言うか走りまくるチームなのに、シモンズの落ち着きでミスを発生させないというメンタルの怪物っぷり。なお、シュートは外れましたよ。

 

 

ヒートは少しスローダウンします。それは良かった。しかし予期せぬ問題はレフリーがシクサーズよりになっていきます。トラベリングコールされたり、ゴール下でコールされなかったり。

まぁ真実はわかりませんが、「ヒート側に疲労が出てきてほんの少し足がついていっていない」「レフリーも疲れている」こんな状況なのではと予想しています。レフリーがジャッジ出来ていないとは思っていません。

 

次第にオフェンスミスが増えていき、その間にシクサーズがリードを奪います。ここはそんなに優れていたわけではなく、ヒートがついて行けなかった感じです。走る事への慣れの差が出てきた感じ。

シモンズのクロスオーバーに反応できなくなっているオリニク。

 

 

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イリャソバが出てくると3Pで13点までリードを広げます。しかし、シモンズが4つ目のファールで下がります。当然のようにヒートペースになるのですが、所々でイリャソバがオフェンスリバウンドを押し込んでいき、ベリネリが外から決めてしまうのでなかなか点差が縮まりません。フルツのムーブも決まり、予定外のヒート。

 

またオフェンスではアデバヨでストップしてしまいます。基本ダンクの人なので、ショートレンジで渡されても困る。酷いときはフルツがマークを捨ててウェイドにダブるチームをしかけアデバヨはドフリー。しかし、アデバヨはアリウープに来なかったのでメンタル負けています。

 

3Qは34―18と大きなアドバンテージを得たシクサーズ

シクサーズの走る形が活きたとも言えるし、単なるヒートのミスが響いたとも言えますが、3Qで90-78と90点に到達したのだから、完全にシクサーズの目論見通りとなった試合です。

 

多分、走ったからヒートにはミスが増えた。

 

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◉乗ってしまったシクサーズ

 

レディックのレイアップで4Qがスタートしますが、完全にアデバヨのミス。あり得ないコースの切り方なのでメンタル負けている。なお、フルツのディフェンスは結構めちゃくちゃです。わけわかんないから、1500mだろうが50mだろうが何も考えず全力疾走みたいな。能力高いからさ。

 

乗ってしまったレディックなのか、ついて行けなくなったエリントンなのか。好き勝手打ち始めます。そしてオリニクもまたイリャソバに全くついていけなくなります。スポルストラはアデバヨもエリントンも無理と踏んだ瞬間に代えているのですが、オリニクは交代しないのね。それが傷口を広げている雰囲気です。

マークのイリャソバはもちろんですが、レディックもベリネリも基本的にイリャソバのスクリーンを使っているので、実は全部オリニクとの連携だったりします。対応が悪い以上に足がついていかない印象。

 

12点差でシモンズが戻ってきます。

 

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ウェイドが行きます。ミドルを決めるのですが、マークが代わるとシモンズに対してオフェンスファールをコールされます。

決めまくっていたレディックが今度はスクリナーになってサリッチに打たせます。この辺はコンビとしての素晴らしさと、シモンズならパスが出てくるという安心感です。

シモンズが嫌らしいのは時にポストアップからこのパスを出してくることです。ヒートはレディックを活かすスクリーンに対して、いくつかの用意をしてきているはずですが、パスの角度が違うと全てに対応するのは難しくなります。11月にレブロンがやっていたやつです。やらなくなったよね。

 

そして今度は自分で行き始めるシモンズをファールで止めるヒート。当然フリースロー問題を考えてのことです。

 

〇シモンズのフリースロー 7/10

しかしこれを最低限決めたシモンズ。そして落としてくれたのにサリッチにリバウンドを取られてしまったヒート。

 

残り7分でサリッチが3Pを沈めて22点差になってしまったのでした。

ヒートはドラギッチを中心に走る形にして追いかけようとしましたが、そうなるとアデバヨは良かったです。誰よりも走れていたし。ただ、もうレディック、ベリネリ、サリッチが調子に乗りすぎていて手がつけられなかったです。

 

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止まらなかったシクサーズ止められなかったヒート

 

〇3P 64.3%

ベリネリ 4/6

レディック 4/6

サリッチ 4/7

イリャソバ 3/4

コビントン 2/4

 

諦めよう。それしかないぜ!

 

しかし、これは非常に痛かったです。何故かというと、正直効いていたのはイリャソバの3Pくらいで、ベリネリとサリッチなんかはシクサーズが有利になった状況でのシュートでした。いわば大量リードのための3Pばかり決められてしまいました。

完全に調子に乗せてしまったわけです。

 

このシリーズはヒートがシクサーズを止めてからスタートします。第1戦は大失敗でした。ここから追い込んでいくのは簡単ではありません。64%なんてふざけた確率は続きませんが、気分は非常に悪い。34アシストはダメだよ。

 

〇オフェンスリバウンド

ヒート 10

シクサーズ 17

ヒートも奪ったのですが、シクサーズにこんなにとられてはいけません。シーズン中の対戦でもエンビート不在時にトレバー・ブッカーにリバウンドを取られまくる間にベリネリのシュートが決まり始めてシクサーズが勝っています。

だからブッカー放出を批判したのですが、アミール・ジョンソンが6オフェンスリバウンドです。完全にやられてはいけないことをやられたヒート。

 

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〇プレータイム

ホワイトサイド 12分

オリニク 31分

アデバヨ 21分

 

まぁ前述の通りホワイトサイドがボコられたので納得いくプレータイムではあります。ホワイトサイドが出ていてもリバウンドがとれたわけではありません。

しかし、ゲームを通して走られたのが敗因なのでホワイトサイドを使ってスローダウン徹底が出来なかったのかな、とは思うわけです。

 

〇ペース 100.7

オフェンスリバウンドが多すぎてペーストしては遅かったのですが、数字はあてにならないパターンです。実際はもっと早かったです。特にシモンズとアミール・ジョンソンがいると早いので、それはホワイトサイドを狙われてもいました。

 

つまりヒートの選択は「不利にならない」方法論の採用です。

ホワイトサイドを起用して「有利になる」選択肢をとれるかどうか。イリャソバにもてあそばれるなら無理だし、2点しかとれないなら無理です。

 

ホワイトサイドに20点とらせるか、10分しかプレーさせないか。次の試合のヒートの選択には注目です。

 

 

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リバウンドが足りなくてトリプルダブルを逃したシモンズ。1本くらい譲ってやれよ。

しかしまぁ本当にシモンズ仕様だな。エンビートいたら無理って感じです。OGアヌノビーが普通のルーキーにしかみえないよね。

 

エンビート不在もあり、シクサーズのディフェンスが無力になっていくのですが、でも走りまくっているから次第にヒートのシュートは外れるし、ミスは出るし、そして走り続ければ疲労から止めるようになってくるので、試合トータルでは守れています。

 

そんなわけで上手くいきすぎているシクサーズの勢いを何一つ崩せなかったヒート。崩させなかったのはギャンブラー達ではなく、シモンズ、アミール・ジョンソン、イリャソバの3人です。賢者達が支えるシクサーズ。

 

 

管理人の予想は次の試合までにヒートが解決策をみつけられないならば、シクサーズによるスイープです。見つけられると予想していますが自信がなくなる1戦でした。

 

 

 

20180415 シクサーズvsヒート” への2件のフィードバック

  1. シモンズがただただ末恐ろしいです。
    フリースローの改善とジャンプシュートをもう少し身に付けたら誰も止められないのでは。

  2. シモンズが出ているフルゲームを初めて見ましたが、whynotさんの今までの記事に納得です。無理してる感じを一切出さないのにゲームを支配しているのは圧巻でした。才気に走りすぎないことと、昔ながらのハードディフェンスをするプレイヤーに対する対応ができれば、ヤニスを追い抜いてスーパースターになれるかもと思いました.
    ウエストの試合見たあとなので、ディフェンスがザルに見えてしかたなかったですが。
    ちなみにこの試合で一番笑えたのは、ウェイドのポンプフェイクですね。テクニックと言ってしまえばそれまでですが、最早シュート決める気0.

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