キャブスの分析はやってないよ。
理由はまじめに考えるだけムダだから
シーズンでトライして成功したこと、失敗したことを踏まえてチームの分析を行うわけですが、キャブスの場合は全てをなかったことにして大型トレードでウェイド・ローズ・トーマスという目玉になるはずだった新加入選手を大放出してしまいました。
そして全く違うパターン、というか昨季までのパターンに当てはめてやっています。ラブが復帰してから間もないし、データ観るだけムダです。おなじみの戦術レブロンへの回帰です。
まぁでもレブロン凄いよね。ラブが戻ってきてやりやすくなって、更にギアチェンジしてきた感じ。
ちょっと凄いと思ったのはウエストブルックみたいになったこと。残り1分で10点負けていたとしても「7回オフェンス機会をつくれば追いつける」みたいな計算から、リバウンドを取って3秒くらいでシュートまで辿り着けるようになっています。普通のオフェンスのはずが速攻にしてしまう理不尽さはウエストブルックの専売特許だと思っていたのに、キングがやれちゃうのかよ。
そんなわけで分析するのがムダなキャブス。
勝ちたきゃレブロン止めてみろ!みたいな感じ。
だから並べるデータは今季のレブロンストッパーランキングです。まぁレブロン止める選手って結構いるよ。止められないみたいな変な妄想抱くデローザンもいるけど、止められるからパス捌くことが多いときもあるし。
ちなみにレブロンについて批判したピアースにマグレディーが反論した言葉はそれを端的に説明してくれます。
「レブロンは試合を決めるシュートをカイリーに任すからダメだ」
「いや、だってカイリーの方が確率高いの理解しているから任せるんだ」
みたいな。逆説的には個人アタックは止められないわけじゃありません。レブロンファンは「レブロンのバスケIQの高さ」を誇る人が多いわけですが、IQが高いからこそカイリーの方が個人勝負に強いことを示しているという矛盾というかなんというか。
要は1on1においてはそこまで絶対的な選手ではありません。
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◉レブロンストッパーは誰だ
条件:今季20ポゼッション以上マッチアップした選手
〇FG部門
1位 ドリアン・フィニー・スミス 27.3%
2位 ルーク・バーア・ムーテ 33.3%
3位 ジュリアス・ランドル 37.5%
衝撃の結果です。マブスのドリアン・フィンリー・スミスって誰だよ!?
あと3位のランドルってどういうことだよ!?
他にもダンテ・カニンガムやTJウォーレンが抑えています。全体的にサイズのある選手の方が止めており、フィジカルで負けない事がディフェンスでは重要なことがわかります。まぁ中にはレブロンがシュートを外してくれただけの選手も混じりますが。
https://youtu.be/Vs-duRNHz9c
さて、早速分かりやすい結果が出ています。年間の対戦数が少ないので偶然の要素を多分に含みますが、5位まで全部ウエストのチームです。個人が守っただけでなく、ウエストの方がこの手の対策になれている面も大きいです。
デュラントやウエストブルック、ハーデンにお休み中のレナードと多種多様にオフェンスマシーンが揃っているウエストでは、個人に好き勝手やられるとディフェンスになりません。だから対策が進んでいるのです。
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シュートを落とすのは偶然の要素も大きいけど、ミスを誘うのはディフェンスの実力だよね。ということで次はターンオーバーを誘った選手達。
〇ターンオーバー部門
1位 トレバー・アリーザ 5回
2位 TJウォーレン 5回
3位 ウィスリー・マシューズ 4回
バーアムーテに続きランクインしたアリーザ。なんとFG9/11と決められまくっていますが、5回もミスをさせています。ハンドチェックの上手いアリーザらしい数字です。打たれたら決められるけど、ターンオーバーを誘えなかったとしても打たれる前に止めてしまうケースが非常に多くあります。
そしてTJウォーレンがまたも出てきます。ディフェンスの良い選手という印象は薄いのですが、身体能力型で気が合うのかもしれません。スピードでもパワーでも負けないタイプは貴重だし。
3位はまたもマブスからマシューズです。これは試合をみていましたが完璧に止めていました。途中からレブロンは嫌がっていました。ラプターズは補強するならマシューズでしたが、ドラフト1巡目と交換は出来ないね。
そんなわけで選手は代わったけどロケッツとマブスが抑えていることがわかります。4位に出てくるのがヒートのジェームス・ジョンソン。3試合やっているのに3.7回と毎回ミスを強いているのがわかります。5位はスパーズのカイル・アンダーソン。
やっぱり5人中4人がウエスト。
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〇DIFF部門
簡単に言えば「普段よりもどれだけシュートを外させたか」です。
1位 ルーク・バーア・ムーテ
2位 ダンテ・カニンガム
3位 ドリアン・フィニー・スミス
4位 ジミー・バトラー
5位 ジョナサン・アイザック
基本はFGと似ていますが、5位までからランドルが消えました。要は相手がランドルだから3Pを打って外していたレブロン。こっちは距離別のシュート率からどれだけ抑えたかなので、インサイドで抑えれば数字が上がりやすいわけです。
4位に登場したバトラー。あのブザービーターさえ決められなければ今季最高のストッパーと言えたかもしれません。まぁあれはレブロン担当を1人にしたシボドーも悪いよね。
そして5位には開幕直後の1試合だけ担当したマジックのルーキーアイザックがきました。アイザックのディフェンスにはかなり期待しているので、来季は飛躍して欲しいです。結局何のケガだったのか、いまいち良く分からない。
そんなわけでやっぱりウエストの選手ばかりだよ。なお、カニンガムはペリカンズ時代の数字です。
ゲームウィナーを狙ったドライブをレブロンにブロックくらい、逆に超難しいフェイダウェイを決められてしまったのでバトラーのアンチハイライトみたいですが、試合全体としては止めていたのでした。
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◉プレーオフを占えない
ここ最近はプレーオフに向けて各チームが何をするか考えるシリーズを書いていたわけですが、チームとしてはダメダメなキャブスにも関わらず、レブロン単体をみたときにはプレーオフで止めてくれる選手がジェームス・ジョンソンしかおらず、キャブスはヒートさえ避けられれば戦術レブロンでなんとでもなりそうです。
イーストのチームはドリアン・フィニー・スミスくらい補強しとかなきゃダメだよ。あんな無名なくせに止めてしまうのだから。ワンポイントストッパーくらいにはなったでしょ。
他にウエストで抑えた選手だとエバン・ターナー、ポール・ジョージ、ディロン・ブルックス、シダリウス・ソーンウェル、ケビン・デュラント、ジャカル・サンプソンあたりがFGを通常の5%以上抑えています。
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・・・多くね?
ウエストではむしろ抑えていないチームの方が少ないかもしれません。誰も名前が挙がらないのはジャズとナゲッツくらい。つまり対イーストでFG%を上げて、対ウエストでFG%を下げていることになります。
これはレブロンの移籍先はシクサーズだね。ウエストには行ってられない。
なお、ニックスに移籍もありです。ランス・トーマスとコートニー・リーは結構抑えています。ニックスを復活させにいくなら批判はしないよ。
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◉プレーオフチームを比較する
対戦するかどうかは別にして、20ポゼッション以上でDIFF順に並べてみましょう。
ジェームス・ジョンソン
OGアヌノビー
ボバン・ボグダノビッチ
ジェイレン・ブラウン
・・・以下は平均よりも決められている選手・・・
ロバート・コビントン
ヤニス・アンテトクンポ
オット・ポーター
マーカス・モリス(セルティックス)
ベン・シモンズ
『抑えた』という数字になるのはジェームス・ジョンソンくらいです。苦しいぜ、苦しすぎるぜイースト!
期待したいのはシモンズとアヌノビーの両ルーキーです。最下位のシモンズですが、実は3P55%決められて最下位なだけでFGだと44%になり、インサイドではやらせていません。逆にブラウンは3Pは決められていないからかろうじて、というくらいです。
残念だったのはピストンズ。スタンリー・ジョンソンはレブロンストッパーになれそうな数字でジェームス・ジョンソンクラスでした。
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「イーストのチームはレブロン対策が出来ていない」
ゲームレポートなどでそう書きますが、まさに証明するデータになっていました。これが単独チームじゃなくて、イースト括りってのがまた。
マッチアップデータで20ポゼッション以上というのは、逆に言えばディフェンス側が望んだマッチアップなので、試合中はスイッチさせて無理矢理マークを変更するのが基本です。弱点をつくのが現代NBAなので、ディフェンスの良い選手がレブロンを平均より抑えているのは当たり前でもあります。
その意味ではイーストが悪すぎる。
だからここに名前が挙がったイコール止められるってわけじゃないのですが、戦略的にマークマンを用意しとかないといけないのは間違いありません。
ヒートを除くと期待したくなるのがルーキーズってのはイースト全体として苦しいよね。
レブロンストッパーを探すことで、イーストとウエストのレベル差が露わになってしまうのでした。チーム比較ではウエストの方がオフェンス力が高いのに、個人比較ではディフェンス力も高いという結果です。
イーストでレブロンを止められないとなるとやはり今年もキャブスが圧勝も考えられそうですかね?
妄想デローザンとは2回戦であたる可能性がありますが、シーズン終盤の対戦試合を見る限りは今回もラプターズは厳しいと思います。
ラプターズは負けたことよりも、レブロンへの恐怖心を増長しすぎです。
レブロンストッパーを並べたときに無名の選手も出てくるように、対策をしっかりすれば2試合に1回くらいはそれなりに止められるはずなのですが。
ファニー・スミスは3月までケガでしたからねえ。タンクモードの中マシューズに代わって気張ってました。ドラフト外ですが、マブスではアミヌ的な使われ方をされています。スリーは入りません。
そうだったんですね。名前みても知らなかったので、3月以降だとほぼマブスは観てませんでした。
3Pが改善する選手は結構いるので、オフに良きコーチとの出会いがあると良いものです。
あっ、3ptファウルして同点にされかけたコビントンの名前があるぞ!
コビントンは学ばない人
結果的にピストンズはプレビューで危惧されてたようにレジージャクソン頼みなのが変わらなかったのが残念ですね。セカンドユニットからイシュが消えたとも言えますが。
そうですね。あれはレジー・ジャクソンにやらせ過ぎる、という意味なのですが、結果的にグリフィンにやらせ過ぎました。
それはレジー・ジャクソンがいないからでもあったので、どれもこれも難しいバランスでした。