ウォーリアーズが抱える不安要素

ロケッツと並ぶ優勝候補筆頭であるウォーリアーズ
実は連覇はしていないよ。

 

 

ウォーリアーズを語るのは好きではありません。理由はいろいろありますが、その1つは有名になりすぎたから、そのプレーを誰もが知っていることに加え、内容的にも昨季と変化していないからです。

つまり今更「戦術は・・・」なんて語ったところで殆どのファンが知っている内容です。ウォーリアーズファンじゃないそこのあなたも知っているでしょ。

ある意味ロケッツも知れ渡ったからこそ、「ラン&ガンではない」「3P乱れ打ちではない」「成熟こそが最大の武器」という視点で書いたわけですが、そんな要素が何かを考えるのも難しいくらい有名になっています。

 

だから何を書くかは非常に迷う部分です。しかも今季はケガ人に悩まされるプレーオフスタートです。戦術がどうとかいう以前の問題だったりして。そして最近の試合は観ていません。

だから今回敢えて触れておくのは、今季の誤算と不安要素になってしまいます。

・・・・・・・・・・

◉罪深きウォーリアーズ

ウォーリアーズの罪は重いです。リーグ全体のパワーバランスをぶっ壊し、全てを変えてしまいました。ある意味、それはウォーリアーズというかデュラントかもしれませんが。

各チームは悩みに悩み、自分達が優勝する方法論を描いていった結果として、ウエストのとんでもない状況を生み出しています。それはまた、ウォーリアーズですら1回戦から気が抜けない対戦が待ち構えている状況を作り上げました。

 

なお、同時に下位グループを形成する要因にもなりました。これはシクサーズも悪い。レイカーズ以外は早々と負け数を競うレースに参加したことも、普通にやっては勝てないと考えているからです。

来年のことを考えると恐ろしくて仕方がないウエストです。

・・・・・・・・・・・

ウォーリアーズの誤算に触れる前に、その罪によって生まれた状況をピックアップしましょう。

・高速化のオフェンス合戦
・爆発力あるチーム作り
・スモールラインナップの戦い
・スターターに頼らない戦略

ここ数年の流れですが、オフェンス力がないと勝てなくなりました。それは「爆発すれば勝てる」みたいなギャンブル的要素をもつチームも増やしています。
ペリカンズはその代表例かもしれません。ディフェンスは守っているのか不明だけど、パッシングから3Pに繋げて打ち勝つオフェンススタイルはもっと賞賛されてもよいものです。セルティックスにも打ち勝っているのでイーストだったら優勝候補です。

ペリカンズが怖いのは「シュートが当たったら負けない」スタイルでもあることです。絶対王者としては負ける要素が少しでもあるのは嫌なものです。爆発力あるって怖い。

 

・・・・・・・・・・

 

そんな高速化時代にはスモールラインナップが欠かせません。誰もがオールラウンドに活躍するからこそのオフェンス勝負です。ディフェンスのスパーズですら対抗するために走り負けない体勢を構築しています。

 

そして機動力ディフェンスを打ち出したのがロケッツとサンダー。オールスイッチでも守り切れるディフェンダーを揃え、もはやウォーリアーズのスモールラインナップがマッチアップの優位性を生み出す時代は終了しました。

 

もっと怖いのはジャズという存在です。スモールラインナップの戦いでありながらゴベールとフェイバーズを同時に起用しても対応できるチームディフェンスを構築しました。それは同時に「高さの優位性」を使えると言うことでもあります。

タウンズやヨキッチに代表されるオールラウンドなビックマンだけでなく、ベーシックなタイプで個人能力では厳しくても十分に時代の流れについていけるチーム戦術が磨かれています。

そしてスターターにオールスターを4人も抱えるウォーリアーズに対抗するためには、スターター同士の戦いを制するのは簡単ではありません。しかし、試合ではベンチで休む時間も必要です。そんな時にリードを奪える方法論があれば対抗することが出来ます。

中にはスターターにオールスタークラスを4人揃えてきたウルブスのようなチームもありますが、スパーズやロケッツのように常に同じ力で戦える方法論を模索してきたチームもあります。

ある意味、ウォーリアーズがもたらしたリーグの変化に最も対応してきたのはブレイザーズかもしれません。オフェンス力では勝ちきれないと踏み、ディフェンスに大きくシフトし全く違う強さを発揮して3位の座を手にしました。誰でもどこでも守るアミヌという存在が強力な武器に変わりました。
そして頼りにならないベンチ陣をシーズン当初からガマンして育て続け、今ではネイピアーを筆頭に標準レベルまで引き上げてきました。

これでウエストのプレーオフチームは全て名前が出てきたかな。
クリッパーズ? あそこにはそんな要素はありません。それでもあれだけ勝てる強さがあったと言うことです。

・・・・・・・・・・・

 

そんなわけでウォーリアーズは罪深い

 

あまりの強さは他のチームの戦略を大きく変化させ、それはウォーリアーズのクビを締めたのが今季の敗戦数に現れています。前半戦で振り返ったとおり、ウォーリアーズが弱くなった以上に他のチームが強くなったのです。

『ウォーリアーズで振り返る前半戦』

 

デュラントを得て強くなったウォーリアーズですが、それ故に他のチームが対抗策を築き上げてきたので負けることが増えてしまったような状態

それでもケガ人が、それもカリー、デュラント、トンプソンの全員が離脱なんてこともあったというのに、ロケッツ以外はウォーリアーズを上回る勝率は達成できませんでした。ここにも成熟したチームが存在します。

成熟しているウォーリアーズが持つ絶対的な強さ

しかし、ケガ意外にも様々な計算外があったであろう今季のウォーリアーズ。昨季までと変わらぬ強さを感じられる反面、それ以上に苦しい側面も出ているのが今季です。

 

・・・・・・・・・・・・

 

◉クイン・クックを起用せざる得ない

「クックは出来る子だからピックぐらいしてあげなければ」

そんな事を書いた後にケガ人続出でクックに頼ることになってしまい、この言葉の正しさを証明してくれるという皮肉もあった今シーズン。まずはクックについて考えます。

というのも、PGの控えはウォーリアーズの昨季の開幕時点から懸念事項でした。カリーがコートにいるかどうかでオフェンスレーティングが著しく上下してしまうのは非常に苦しいものがありました。

しかし、ここを補強してこなかったのは2つの理由があります。その2つを崩してでもクックを起用しなければいけなくなったのです。

 

1つはディフェンス問題。スイッチを頻繁に使うので基本的にサイズの小さい選手は使わないのがウォーリアーズスタイルです。

「スモールラインナップ」という言葉に騙されそうですが、ロスターの中でカリーの次に小さいのがイグダラという実はサイズが大きいチーム構成をしています。

ヘルプディフェンスの上手さでカリーがいることは耐えられても、他のPGを連れてくるまでは考えがたかった中で、控えPG不足からクックがツーウェイ契約なのにスターターという状況を生み出しました。

・・・・・・・・・

 

もう1つは成熟したチーム故に「ゲームメイカー不要」という強さです。

 

カリーがゲームメイク出来るかどうかは別にして、ウォーリアーズは「チームとして何をすべきか」という共通意識が出来上がっているため、プレーメイカーが存在していれば十分でした。

その分、PG代役をこなすのはグリーン、イグダラ、マコーの3人でしたが、ここにもケガが増えたために思い描いた通りには話が進みませんでした。

単にカリーのケガを発端にPG控えのクックを必要としただけでなく、ゲームメイカーがいないと少し問題を生じるようになってきたのが、今のウォーリアーズです。クック自身はそこまでゲームメイクはしていませんが、ボールをハンドルしパスを回し、自身が動いてスペースを作る。しっかりと動くタイプが必要でした。

ただし、これはカリーが戻るだけで解決してしまいます。だからそれほど大きな問題ではありません。捉えておかなければいけないのは、「ディフェンスのリスクを負う必要があった」「ゲームメイカーを必要とした」という2点です。

 

・・・・・・・・・・

◉ベンチの弱体化

相変わらず強いチームではありますが、ベンチ陣の弱体化についてはかなり目立ちました。

その主な理由はケガ人が多かった事に過ぎないので、気にするほどではありません。それでもわざわざ書くのは、明確な問題ではないけど、昨季よりは劣ってしまう部分がある事実からきます。

 

「ウォーリアーズのベンチメンバーは強い」

そんな認識がありそうですが、実はイグダラを除いてそこまで優れたメンバーを揃えているわけではありません。他のチームに移籍したら鳴かず飛ばずの選手が多くいます。

それでは何故、強いのかというとカリー、トンプソン、デュラントのエース3人が誰かしらはコートに立っていて、エースを活かすための選手で成り立っているからです。

ただ、さすがに3人では不足するので個人で得点してくるリビングストン、シューティングセンターのウエスト、シューターのヤングを用意しています。つまり実質この6人を活かす構成になっています。

 

・・・・・・・・・

 

誤算となったのはヤングです。昨季まではクラークの役割だったカリーやトンプソンの代役をヤングにグレードアップしたのは、間違いなく戦力アップに繋がるはずでした。

〇昨季のクラーク/今季のヤング
プレータイム 14.8分/17.2分
得点 6.8点/7.3点
FG 48.7%/41.1%
3P 37.4%/37.3%

同じようでいて全く違うのがFG%です。3Pは変わらないので、単純に速攻やカットプレーなどのイージーシュートの数が全く違うからです。3Pはウォーリアーズのお得意のプレーですが、そこにはインサイドのスペースにカットする逆をとるプレーが存在して活きてきます。

つまり昨季のクラークに比べると「プレーの共通認識」が劣っているヤングです。これがケガ人続出時にゲームメイカーを必要とした理由でもあります。

ウエストがケガをする程度は予想の範囲内だったでしょうが、そこにもカスピを加えて厚くしていたのにカスピまでケガをしたのは痛かったです。ウエストのコンディション次第ではヤングの負担が増えてきます。

プレーオフでの不安材料は「ベンチのスコアラー不足」です。

 

・・・・・・・・・・

 

とはいえ、ヤングの問題はファーストラウンドを突破し、カリーが戻ってくれば概ね解決します。カリー、トンプソン、デュラントを長く使えば良いだけです。だからファーストラウンド限定の話だし、その分デュラントが頑張れば良いだけ。

その先の話となると、より読めない問題が出てきます。それが「イグダラの衰え」です。優勝を目指す上ではこれが最も深刻な問題です。

チームのリズムを円滑にし、ディフェンスを強化するイグダラの存在感は圧倒的でした。

 

ファイナルでレブロンを相手にするシーンは有名ですが、それだけでなくヘルプディフェンスでは誰よりも早くフリーの選手をみつけてチェックにいき、何度もチームを救っています。

オフェンス面でもボールをプッシュして、早い展開を促し、自分にマークを引きつけてシューター陣をフリーにするかと思えば、ディフェンスの死角をついてフリーになり自分で決めもします。

 

しかし、ケガが多いせいか今季のイグダラは衰えたような傾向をみせています。

 

〇イグダラの変化 昨季/今季
アシスト/ターンオーバー率 4.5/3.1
速攻での得点 1.9/1.4
FG 52.8%/46.5%
3P 36.2%/29.2%

ディフェンス面も衰えているイメージがありましたが、数字上はさほど問題ありませんでした。しかしオフェンス面は少し苦しくなっています。

イグダラはチームの核となるので非常に重要です。ここでも代役のマコーのケガも響いており、本人がコンディション万全で望んでもらう必要があります。

 

・・・・・・・・・

 

◉レフリーを敵に回す

題名のとおりではありますが、そもそもウォーリアーズディフェンスはNBAのコーチ陣は学ぶべき点が多く、「いかにファールコールされないか」というNBAのレフリング基準を捉えたコンセプトが存在するチームです。

それがイメージとなり、ボールに触れていないのにブロックが成立するなど、他のチームのファンからすると「ウォーリアーズはレフリーに贔屓されている」と感じていたはずです。

しかし、今シーズンが進んでいく中でそのイメージは覆されてきました。相変わらずのドレモンド・グリーンだけでなく、デュラントが酷くレフリーにくってかかるようになりました。その結果として、あまりレフリーにリスペクトされなくなってきています。

最近はパチュリアでなくマギーが起用されていますが、複数の理由はあるものの、ファールの多いパチュリアを使わないことで総数を減らしに行っている気がしています。

ここで気になるのは、レフリーがどうこうという話ではありません。
彼らが接戦になるほどクレームが多くなっている事が問題です。なお、管理人はウォーリアーズウォッチャーではないので、接戦で多いというのは完全なるイメージです。

 

・・・・・・・・・

 

直近のペイサーズに敗れ、今季の対戦成績は0勝2敗でシーズンスイープされました。これは2013-14にスパーズとボブキャッツにされて以来の出来事です。スパーズ以外に負け越したのもボブキャッツ以来です。恐ろしく強かったウォーリアーズ。

この試合でペイサーズは得意のハードなディフェンスでボールを奪い、速攻に結びつけました。その中でグリーンはスティールされると追いかけるよりもレフリーにクレームを優先します。2回目は自分が出したパスをマークマンにカットされるのですが、やっぱり追いかけません。

何が言いたいかというと、接戦の時にグリーンとデュラントの2人がみせる態度は『成熟したチーム』とはほど遠いものだということです。

ウォーリアーズの強さに疑う余地はないのですが、そのメンタリティの部分は昨季までとは少し違うと言うことです。まぁグリーンは昨季もこんなもんか。

 

・・・・・・・・・

〇勝ち/負け試合のスタッツ
ターンオーバー 14.9/17.0
ペイント内得点 46.2/38.9

今季はターンオーバーが増えてしまったウォーリアーズ。サンダーに2敗していますが、スティールからの速攻を繰り返されています。一番の負けパターンです。

 

同時にペイント内を攻められなくなりました。これは最近の試合で負けている面も大きいので一概には言えませんが、平均でも昨季より2点下がっています。

 

デュラントは負け試合でもFG50%を超え、3Pに至っては勝ち試合よりも多く打ち、なおかつ確率も高いという安定っぷりです。
管理人はデュラントを非常に高く評価していて、レブロンより上のリーグ最高の選手だと考えています。史上最高のオフェンスマシーンでもあります。

その類い希な能力で終盤のクラッチ勝負では絶対的な強さを誇るので、ウォーリアーズはさらなる強さを手に入れました。

しかしながら、今シーズンは時にゲームを壊しているのもまたデュラントだったりします。
それはターンオーバーだったり、テクニカルファールだったり、ペイント内を攻め込まなかったり。

つまりは少しチームバランスが崩れてきている一面があるということです。

 

・・・・・・・・・・・

 

◉ひねり出したような弱点達

ここまでに挙げた弱点なんて大した問題ではありません。
でもそれくらいしかないから重箱の隅をつつくしかないウォーリアーズ

こんなに捻り出したくなるのは、ちょっとした空気感の違いを感じ始めたからです。なんとなく絶対的な正義だったウォーリアーズですが、「そろそろ負けるところをみたい」という空気感。

 

1年前はスパーズファンを除いて、正直勝てる要素を全く見つけられなかったであろうvsウォーリアーズ。プレーオフでは12連勝でウエストを制しました。ブレイザーズ、ジャズが4連敗することは「そうだろうな」と思わせる部分があったわけです。

 

しかし、今年はどうなのか?

少なくとも各チームのファンは「厳しいのは確かだけど、勝つ可能性はある」と考えているだろうし、「4連敗はない」と考えているはずです。

それはウォーリアーズが作り出した絶対的な強さが生み出した各チームの補強策の成功を意味します。強いからこそ、他のチームに負けるようになったわけです。

・・・・・・・・・・

 

〇今季の対戦成績
ロケッツ 1勝2敗
ブレイザーズ 1勝2敗
ジャズ  1勝2敗(残り1試合)
サンダー 2勝2敗
ナゲッツ 2勝2敗
ウルブス 2勝1敗
スパーズ 3勝1敗
ペリカンズ3勝1敗

そして実際に勝ち越したのは僅かに3チームだけとなります。
ケガ人問題が多かったウォーリアーズですが、直近の大量離脱時に負けたのはジャズとスパーズだけで、それなりのメンバーの時に負けています。

カリーがいないファーストラウンドに倒してしまいたいと考えているチームはありそうです。そんな事を考えていそうなのは、サンダーとナゲッツの2チーム。サンダーはまぁいろいろね。ナゲッツは名前を挙げるには絶好のシチュエーションです。

その前にプレーオフ出れるのかな。

・・・・・・・・・・・

◉勝つために必要なこと

ウォーリアーズ目線でみていきましょう。
ロケッツとの対戦はカンファレンスファイナルなので無視しましょう。

ウォーリアーズが勝つために必要なことはなんなのか。
それは実にシンプルで「ディフェンスで相手を止めること」だったりします。

〇クォーター別レーティング差
1Q 2.9
2Q 8.1
3Q 19.0
4Q 4.4

強いイメージのあるウォーリアーズですが、その中身を分解すると3Qの強さに集中されます。前半の終わりから後半にかけて大きくリードを奪っていくのが勝ちパターンです。

〇3Qの得点と3P
カリー 10.0点 51.4%
デュラント 7.8点 37.9%
トンプソン 4.6点 47.5%

その内容はカリーの爆発なのですが、トンプソンの3P確率の高さも目立ちます。いうまでもなくカリーはとんでもない3Pです。

ここで面白いことにクックまで50%だったりします。カリーが高確率なのはシュートが上手いからではありますが、3人も確率が高くなるのは怪しい側面があります。ハーフタイムにリングの高さ変えてないかな?

〇チームの3Pアテンプト数
ショットクロック15秒以内 13.1本
ショットクロック15秒以上 15.6本

〇3Qの3Pアテンプト数
ショットクロック15秒以内 4.1本
ショットクロック15秒以上 4.2本

微妙な差ではありますが、全体の中で3Qのアテンプトが多く、それもボールを持ってから9秒以内に打つ割合が増えています。しかもこの9秒以内の確率が47%と超高確率です。

カリーといえども47%決めるのはワイドオープンの時だけです。この3Qにチームとしてワイドオープンを多く作れていることになります。

 

しかし、考えてもみて下さい。
カリーをドフリーにするチームがどこにありますか?

つまりこれらのシュートの多くはアーリーオフェンスでカリーにマークがつききれないケースで生まれています。

だからディフェンスが重要で、相手にシュートを決められた場合はそんな状況が生まれにくく、リバウンドからのパターンは得意技のウォーリアーズでもあります。

 

・・・・・・・・・

 

3Qに強いウォーリアーズですが、そのデータを勝った試合と負けた試合で比べてみましょう。

〇3Qの勝ち試合/負け試合
レーティング差 31.0/△12.9
得点 32.6点/24.6点
3P 46.7%/32.9%
被FG 40.6%/48.1%

いくら勝ち負けで分けているとはいえ、3Qのみにも関わらずレーティングで44も違うというのはものすごい差です。試合トータルでの勝ち負けのレーティング差は25なので、3Qの異常性がわかります。

これも理論上はアーリーオフェンスで外すとカウンターを食らう事が関係します。ちなみにカリーは負け試合でも3P43%ですが、アテンプトが0.8本少なくなります。理解しているチームは徹底している傾向があります。

ウォーリアーズは3Qに勝負を決める
そこにはリスクも存在している。

多くのチームは分かっていてもやられてしまいます。

・・・・・・・・・・

◉デュラントで勝つ

昨季のウォーリアーズはデュラントを加えて強くなりました。それはチームのアイデンティティーであるスプラッシュブラザーズに強力なオプションが加わったからです。
ただ、一部で批判されていたようにデュラントがいることで「ウォーリアーズらしさ」を常に発揮するのが難しくなるときもありました。

とはいえ、3Qのスプラッシュブラザーズを中心にラン&ガンスタイルを貫いて大きなリードを奪って勝つ形が主流のパターンであれば、相手が強くなってきたときに接戦を勝ちきるために個人で得点していけるのがデュラントでもあります。

リスクを負って走る形を選択せず、ワンポゼッションを重視しながらコントロールしても勝てるようになったわけです。

しかし、2年目を迎えカリーの離脱が多かった今季は少しそのスタイルに陰りが見えます。

デュラントが40点以上を記録したのは4試合ありますが、全て負けています。

 

だからといってデュラントを批判するのは少し違います。負けそうだから得点していったデュラントです。実際に4試合のFG%は63%、62%、78%、57%と超高確率なのでそれで負けたというのは、こじつけにしか聞こえません。

FG78%で40点奪って負けるとか・・・

 

・・・・・・・・・・・・・

 

しかし、こじつけに聞こえなくなってくるのが4Qの得点での勝敗です。

 

〇デュラントが4Q8点以上の試合 6勝7敗

しかも、この13試合でFG50%を下回ったのは1試合しかありません。同じ条件で昨季は12勝4敗なので何かが変わっています。

デュラントで勝てなくなっているウォーリアーズ

これがデュラントがやり過ぎて負けたなら話は簡単ですが、アテンプトも多くて7本しかありません。直近のペリカンズ戦は完全にデュラント(とグリーン)がボールを回さずにターンオーバーして負けたのですが、このペリカンズ戦以外はターンオーバーも2以下です。

 

エースが4Qに大活躍して勝率が下がるとか苦しい話です。その理由はなんなのでしょうか。

・デュラント一辺倒になりリズムを失う
・そもそも苦しいときのデュラントだから単なる偶然
・ディフェンスが悪い
・周囲が決められない

どれもそれなりありそうですが、裏付けるのは難しいです。どれも当たっているかもしれないし、外れているかもしれない。複数の要因が重なって偶然というのが有力です。

 

・・・・・・・・・・

デュラントがボールを長く持ち、その高確率を警戒するのであればディフェンスが集まってきます。割と簡単に捌いていくデュラントなのですが、そのパスの先がグリーンだと危険です。

ディフェンスからするとカリーとトンプソンに打たせるのは最悪のケースなので、グリーンを空けておきます。グリーンは喜んでボールをもらいに行き、3Pを外すケースは多く出てきます。以前ならばスモールラインナップでイグダラがここに入るのですが、前述の通り、今季は非常に調子が悪い。

イグダラかグリーンに打たせれば問題ない

 

 

よくわからない中でも1つだけデータ的にはわかりやすいものがあります。

〇4Qの得点差別レーティング差
11~15点リード +5.3
6~10点リード +11.1
1~5点リード +8.0
同点 +32.6
1~5点ビハインド △5.5
6~10点ビハインド △13.4
11~15点ビハインド △14.9

つまり今季のウォーリアーズはビハインドの状況に非常に弱い傾向があります。同点の時のあまりの強さは意味分かりませんが。

これらの数字でオフェンスはそこまで悪くありません。悪化していくのはディフェンス面です。そしてディフェンスリバウンドをキープ出来ない傾向にあります。

守れなくなった理由を考えるのは難しいです。なぜなら、昨季よりは悪くなったとはいえ、チームとしてゲームトータルでディフェンスが良いチームである事に変化はないからです。何より勝っていれば守れるという事実もあります。

なかなか理解し難いですが、デュラントで勝つパターンが弱くなってきた中には、チームとして追いかける展開が苦手になったからです。

・・・・・・・・・・

◉ウォーリアーズの不安要素

これまでの内容をまとめる形になりますが、不安要素としてはこんな部分があります。

・基本的には昨季同様の強さがあるが、ベンチメンバーの弱体化があり、ケガ人も多かったため、十分な強さを発揮出来ていない。

・他のチームが大胆に戦術、戦力を強化してきた上に、ウォーリアーズを基軸として考えられているため、スモールラインナップなどの戦術的優位性がなくなってきた。

・接戦、特にビハインドの状況に弱くなっている。それは特にディフェンス面で顕著

完全にイメージだけで言えば、カリー、トンプソンが揃っていれば十分に強いです。しかし、それは他のチームが強くなってきたので2年前のような優位性は全くありません。

 

それでもデュラントの存在が大きいのですが、レフリーへのクレームが増えたように精神的に安定しているとは言いがたい状態であり、グリーンと共に失点に繋がるミスが多く出ています。

特に自分達が優位に立てていないときほど、精神的に不安定な状態になりがちです。テクニカルを稼ぎまくるデュラントとグリーン。

 

チームを落ち着かせ、ディフェンスの要となるイグダラが不調のため、追いかける展開では起用が減っており、代役にヤングを使いますが3Pの確率は悪くないものの、チーム戦術の理解度が低く、イージーシュートに結びつきません。

 

・・・・・・・・・・・・

 

基本的にリードを得ることが多いウォーリアーズなのでシーズン中はこれらの欠点が出てくることは少ないです。

しかし、管理人がウォーリアーズをみるのは「注目の試合」と「何故か負けた試合」しかありません。後者はジャズに大敗したときとブレイザーズとの壮絶なバトルだった時かな。
これしかみていないと負ける事も多く、そして負けるときはだいたいこんなパターンが多く出ています。

 

特に気になるのはドレモンド・グリーン。いつの間にかガード的な仕事ばかりやりたがり、肝心のインサイドで働かないので、よりフリーにしやすくなっています。

〇グリーンのオフェンスリバウンド 1.1本

年々オフェンスリバウンドが減ってきているグリーンですが、今季目立つのは単に減っただけでなく、負け試合での本数も1.0しかないことです。負ける試合はシュートが落ちるケースが多いのでリバウンドは多くなるものなのですが、チームを助けることが出来ていません。

〇グリーンの3P
勝ち試合 1.2/3.5
負け試合 1.0/3.9

同時に負け試合の方が打たされています。これだけならば良いのですが、FG%も大きな差があります。

〇グリーンのFG
勝ち試合 49.6%
負け試合 36.1%

アテンプトはどちらも約9本とあまり変わらないのですが、基本的に3Pとイージーシュートしか打たないはずのグリーンだったのに、イージーシュートを打たなくなっているということです。ちなみに昨季は勝ち試合で41%、負け試合で46%です。負けているときの方がリングの近くで働いています。

 

そして何より負けているときほどに、苛立ちをみせていきます。恒例行事のようなテクニカルはそんなときにばかりもらっています。

昨季のプレーオフでは3Pを決めまくり、快進撃の立役者となったグリーン。今季の内容は他のチームがグリーンを空ける対策をとってくる可能性をより高めました。

グリーンが決めまくればウォーリアーズは楽勝です。外しまくれば負けます。そんな状態になり可能性があります。

 

・・・・・・・・・・・

そんなわけで、あまり脈絡のなかったウォーリアーズ編

 

冒頭のとおり、基本的に昨季までと変わっていないので、やっぱり強いよ。数字的にはケガ人が多すぎたのでいろいろ変化していますが、それが正しいかどうかよくわかりません。

ただ、一方でネガティブな要素は探せばみつかりますが、ポジティブな要素はジョーダン・ベルの登場くらいしかありません。それもケガもあり、どこまでやれるかわかりません。

 

この先のプレビューはプレーオフの内容をみて考えましょう。

しかし、だからこそ各チームは1回戦からジャイアントキリングを狙っています。
ウエストのプレーオフ出場全チームがシーズン中に1回は勝利しており、勝てるイメージをもって向かってきます。カリーのいない間に倒してしまおうと狙ってきます。

果たして予定調和となるロケッツとのカンファレンスファイナルへ進めるのか、
それとも自らが強くした他のチームに沈められ、来季からのリーグを更に面白くするのか。

注目の1回戦の相手はまだまだどこになるかわかりません。

 

 

ウォーリアーズが抱える不安要素” への2件のフィードバック

  1. デュラントとグリーンで今年のテクニカル数1、2位で笑いました。グリーンはリーチかかってるし、デュラントは14個。退場もKD5個、グリーン3個。どちらもフレグラントは無しで、ファールもそこそこって事は、審判に楯突いたんでしょうな笑。こりゃ審判のイメージは最高に悪いですね。同じテクニカルなら、CP3を押したウルブズ若手をぶっ飛ばしたGグリーンの方が気持ちいいです。

    1. デュラントはともかくグリーンがフレグラント吹かれていないのも変な話なんですけどね。めちゃくちゃ顔叩いてますからね。

      自分たちに有利に吹かれないとレフリーを罵倒する2人なので、そりゃあレフリーとの関係性は険悪になりますよ。

      レフリーと選手の話し合いを持つ時も、デュラントは無駄だと言ってますからね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA