20180311 サンダー vsスパーズ

ウォーリアーズにあと一歩で勝てそうだったスパーズ。しかし、ブレイザーズが教えてくれたのはウォーリアーズの方が酷かった事。真意はどちらか?

ブリュワーを補強したサンダー。サンズ相手に守れたと言われても信用できないよ。



◉ブリュワーのディフェンス

 

ロバーソンの代役にファーガソン君やアブリーネスだとそれは完全にオフェンスへのシフトですが、ヒューステスだと攻守のバランス型です。ちなみに大事な時はグラントですけど。

そこにブリュワーというのはどんな意味があるのか?ブリュワーはドノバンHCの教え子らしいです。

「個人のディフェンス力が高い」というだけでロバーソンを評価するのは違う気がしています。なぜならばヒューステスだって守れるからです。ポール・ジョージはいうまでもない。

 

でも事実としてロバーソンがいると守れるのは単に個人を止めるのでなく、相手の速攻やルーズボールを制してイージーな失点を減らすことと、ヘルプディフェンスにあるはずです。

セルティックスはスマート&ブラウンが強力ですが、それも2人が複数のディフェンスを担当できるから。ブリュワーがロバーソン並に個人を守れるわけはありませんが、ヘルプディフェンスが強いならば話は変わってきます。



試合はスパーズがフリーの3Pを打ちますが、自分のマークを捨てて飛んできたポール・ジョージのチェックがあったせいか外れて始まります。このヘルプが失点を減らします。イグダラ先生の得意技。

ブリュワーはスクリーンなどでマークを外されるケースが多くありますが、味方のヘルプがくると挟んでしまったり、パスコースに入ってそもそもパスを出させないディフェンスをします。

それは個人を守っているようで、他の選手からパスの選択肢を奪うことにも役立ちます。またウエストブルックが突破した際にコーナー3Pを決めるだけでなく、ハリーバックをする事を重要です。カーメロがコーナーだと弱くなるポイントです。

 

つまりはディフェンスに対する戦術眼と献身性がありそうです。なお、ロバーソンよりもシュートが上手い。下手な選手を探す方が難しい。

そんな意味では個人を守りブロック力のあるヒューステスも良いですが、相手のパッシングを阻むブリュワーを使いたいドノバンなのかもしれません。

1Qフルで出たブリュワーはスティールあり、コーナー3Pありで活躍し、サンダーがリードを得ます。



◉デジョンテ・マレーのディフェンス

 

ポポビッチは手の長いマレーがカリーをどう守るか試したかったそうです。この試合の相手は怪獣ウエストブルック。

マレーはウエストブルックの弱点を上手くついていきます。シュートが下手なのでドライブ以外の時はパスカットだけを狙い、ドライブされたらシュートチェックだけを狙います。

共に手の長さが存分に生きる形でウエストブルックは止められ続けます。



ブリュワーがヘルプディフェンスをもたらすのであれば、スパーズは誰もがそんな感じ。しかし、単純に怪獣のボディガードであるアダムスを止められません。しかし、アダムスはファールトラブルとなります。

そしてとにかくミスが多いスパーズ。ウエストブルックも多いので、お互いのオフェンスが機能しない1Qとなりました。

アダムスの分だけサンダーリードで1Qが終わります。カーメロは何もしてなかったな。この時期にきてそれは苦しいよウエストブルック。



◉サンダーのセカンドユニット

 

ラプターズのセカンドユニットはリーグ最強ですが、サンダーのセカンドユニットもかなり強いです。守れるメンバーが揃い、個人のオフェンス力も高い。
しかし、やっぱりヘルプが弱く、そしてゲームメイク力に欠けています。

 

スパーズは何度も裏のスペースを使います。それはサンダーが前へのプレッシャーをかけているからです。そんなパスはディレクションなどで防げるのですが、どうしてもきれいに通されてしまいます。1人1人は守れるけどチームの強さに換算出来ていない。

オフェンスではリバウンドは強いし、シュート力ある選手もいるのですが、そんな強みを活かすプレーメイクがイマイチでフェルトンが打つパターンが多くなります。
そもそもサンダーはウエストブルックの異常なゲームメイク能力で成り立つので、そこは弱みでもあります。

 

そしてセカンドユニットにウエストブルックが混ざると、アブリーネスの3Pにヒューステスのダンクがウエストブルックのパスから生まれてサンダーが9点リードします。

更にアダムスとカーメロが戻るとディフェンスも強化され、ヒューステスの3P、ウエストブルックのターンシュートと最大14点差になります。



バータンズがウエストブルックを止めようとした時に腕が強くあたりダウンします。当たりどころが悪かった。

スターターになったサンダーは素晴らしいボールムーブを見せます。そこにはノールックパスを通すカーメロがいます。フィットしたのかカーメロ。

しかし、全くシュートが決まりません。アダムスのフローターがエアボールする始末。

 

プレーメイク出来ていないセカンドユニットが得点して、ボールムーブ出来ているスターターが得点出来ない寂しいサンダーのオフェンスでした。



◉スパーズのオフェンス

 

前半は52-43のサンダーリードで終わります。しかし、この点差は内容に見合わないサンダーの得点であり、それでいてスパーズもまた内容に見合わない少ない得点でした。

1Qはサンダーのディフェンスの良さもありつつ、ターンオーバーが多かったスパーズ。

2Qはとにかくイージーシュートミスが多くなりました。

 

◯ラマーカス・オルドリッジ
3点 5リバウンド
FG1/8

今回はサンダーのヘルプが1つのテーマになっており、その意味ではオルドリッジのイージーシュートに対して、ウエストブルックがブロックするなどよく守りました。
しかし、オールスターのオルドリッジです。「それはないだろう」というシュートミスを連発しました。アダムスを抜いたのにミスするとか。

 

◯3P
サンダー 7/17
スパーズ 6/11

サンダーもよく決めましたが、スパーズの確率は非常に高かったです。これだけ決めているのに、得点が伸びないのはショートレンジのシュートを落としすぎました。



今のスパーズはオルドリッジが決められないとベンチから出てくるゲイくらいしか代役が務まりません。その意味では生命線になっているオルドリッジのインサイド。

チームとしてミスは多いものの、しっかりと攻めているのに、肝心な部分でミスが出ています。

 

ウエストブルックもFG1/5と酷いのですが、サンダーの方はウエストブルックが決めなくてもそこまで問題になりません。というか打たない方が勝てるらしいし。

打たない方が勝てるのか、打たされて負けるのか。それが重要なのは忘れてはいけません。



 

◉アダムスがいないと変化が沢山

 

そんなオルドリッジがショートレンジをしっかり決めて、アダムスがオフェンスファールをコールされて後半が始まります。

そしてマレーのドライブに立ち塞がったアダムスが足首をひねってロッカールームに戻ります。

 

アダムスがいなくなると少し面白い状況が生まれます。ウエストブルックのドライブを全く止められなくなります。インサイドからサンダーの選手が誰もいなくなったので、スパーズのヘルプが間に合わないのです。

その前に個人でアッサリ抜かれすぎなのですが、そこはアダムスがいなくなってウエストブルックがギアを上げたからの気がします。



一方でサンダーもスパーズを止め難くなります。それは単に圧倒的なアダムスの存在感。
前半と同じようにヘルプが飛んでくるけどオルドリッジはしっかりと決めます。マレーもピックを使ってドライブで決めます。そこにリムプロテクターはいません。

 

ウエストブルックが止められないスパーズは早めのダブルチームで止めに行きます。そこから簡単にキックアウトしてフリーの3Pを打たせますが、全く決められないサンダー。

カーメロもパターソンが打っているので、オルドリッジをインサイドから追い出す狙いはあっているけど決まらなければ守る必要もないし。

 

そして4点差まで縮まります。ウエストブルックが止められなくて点差が縮まるって苦しいサンダー。

オルドリッジが客席にパスしたり、ブリュワーがダンクミスしたり、ウエストブルックが足をかけられてノーファールだったり、かなり訳のわからない拮抗した状態になります。



◉SFセンター時代

 

再びウエストブルックが加速します。バスケットカウントにグラントへのアシストで10点差になり、ベンチに戻ります。

すると少しの間ですが中々面白い状態になります。こんなのばっかりの試合だな。

 

サンダーのセンターはグラント。本来はSFのグラントですが、クイックネスとウイングスパンがあるのでパワーでの押し合いは全くしないで、スペースを使っていく機動力時代には適したセンターと言えます。

そのグラントが何度もゴール下で活躍します。要はゴール下に行く時点でディフェンスを置き去りにしています。

◯ジェレミー・グラント
15点 8リバウンド
FG5/5

 

スパーズのセンターは名目上はバータンズですが、ほぼ3Pシューターです。インサイドにいるのはこちらもSFのゲイ。SFとしてはパワーがありフィジカルの強さを活かすタイプです。

広いインサイドに合わせでボールをもらい、サンダーのディフェンスに囲まれながらも力強くダンクでフィニッシュしていきます。

◯ルディ・ゲイ
14点 6リバウンド
FG7/14

 

お互いにマッチアップはしていないのですが、両チームがSFをセンターにする作戦で戦いました。そして本職センターがいた時間よりもゴール下で得点していきました。

サンダーはプルアップミドルが多いのは問題で、スパーズはミドルを多用して成功しているチームだったりします。
ある意味どちらもゴール下まで斬り込めないから選択する訳ですが、本職センターがいなくなるとゴール下を使える訳です。

もちろんお互いにいないからこそドライブしやすいわけですが、それだけでなく自分達の都合としてもやりやすいわけです。サンダーはともかく、スパーズでもこんなシーンが見られるのだから、時代は変わっていきます。

サンダー9点リードのまま4Qとなります。



◉レジェンドの登場

 

パターソンが3Pを決めますが、アダムスの負傷からプレーしており長くなってきたので、4Q2分を過ぎたところでニック・コリソンが登場します。

会場からは大きな歓声が上がります。おそらくマリナーズの試合で代打イチローだとこんな感じでしょう。コリソンはシアトル時代からの選手です。

 

フェルトンとのピック&ロールから早速コリソンが決めます。さらにフェイクでガソルをかわしてレイアップを決めます。イチローがヒットを打った時の盛り上がりを想像してください。

戻ってきたウエストブルックのパスからコリソンのフリースロー、ウエストブルックが速攻でフリースローと稼ぎ、ウエストブルックのアシストからコリソンがゴール下を決めて残り7分を切って17点差となります。

 

◯ニック・コリソン
7点 2リバウンド
FG3/5

まさかのコリソン大活躍ですが、伏線としてはアダムスの強さとグラントの速さに苦戦したスパーズという事情があります。その中間の本職PFコリソンにしてやられました。

そんなコリソンに太刀打ち出来ないガソルという構図はスパーズとしては苦し過ぎます。



フォーブスとバータンズを使うスパーズは3P攻勢に出ます。ちなみにラヴァーンも出てきます。ポポビッチはこんな選手が達を上手く活用していたイメージなのに、こんな時間にしか使われないのは何故なのか?

 

◯ブライアン・フォーブス
10点 3P2/2

そしてフォーブスが次々に得点していきます。6分で10点を稼ぎます。サンダーファンからすると安全圏まで点差が開いだはずが、残り2分で7点差まで縮まります。

 

この時のサンダーディフェンスはよくやられる崩し方をされます。ヘルプが早いサンダーはコーナーからコーナーまでパスを出されると追いつけない事が多くあります。いわゆる攻略法を試されているような状態です。

それでも最後にはドライブしてきたところをポール・ジョージがブロックし、ウエストブルックのトリプルダブルも決まって逃げ切ったサンダーでした。



◯ラッセル・ウエストブルック
21点 12リバウンド 10アシスト
FG7/15

後半はほぼショートレンジを選択していたウエストブルック。アダムスがいない事が良い方向に出ました。

 

◯カーメロ・アンソニー
2点 FG1/8

◯ポール・ジョージ
11点 FG4/16

後半のウエストブルックはほぼ完璧だったのですが、この2人はどうしたことか。しかし、チームは勝利しました。それはディフェンスが良かったという事にはなります。カーメロも守っていたし、スパーズにはそこにアイソレーション仕掛けるパターンはないし。

「いやーサンダーは強かった」という試合ではなく、「スパーズは酷かったな」という試合でした。

 

アシスト26 、6スティールと弱いというスタッツではないのですが、試合運びの上手さは皆無でした。19分でたジノビリはシュート打っていないし。

なんだかよくわからない問題を抱えているようなスパーズ。信じられないパスミスも多く、全く流れないパスでした。さすがにここまで悪い感じたのは今季初めてなので、たまたまなのでしょうか。



サンダーもサンダーで、ウエストブルックからの効率は良かったけど、肝心なところでフリーのシュートが決まらないし。アダムスいなくなった後にウエストブルックからのキックアウトが決まっていれば、そこで一気に点差を開いたはずです。

 

ウルブズもセルティックス戦で同点に出来る場面だけ3Pを外していましたが、両チームが停滞している理由がわかる気もしました。

毎試合のように勝てるチームはあの場面で決めるよね。

 

残りは15試合程度なので、プレーオフまで時間はありません。いろいろ試してきて良い面と悪い面がハッキリしてきたけど、未だに迷っているようなサンダーです。

結局はディフェンスでパワーを発揮するのが勝利への近道でしょうか。一応、5位にはなりましたが、この後待ち受ける強豪達との試合に向けては不安な面がある大きいサンダーでした。

20180311 サンダー vsスパーズ” への2件のフィードバック

  1. 最近なんでスパーズは負けが混んでるのでしょうか。直近で2勝8敗。現在7位。プレイオフ圏内のチームにはまず勝ててないです。そこまで負けるか⁈って思ってます。レナードが最速で今週末には復帰するようですが、レナード仕様にしてるんですかね?

    1. むしろ前が内容の割に勝ちすぎていたので、他のチームが仕上がってきた中では致し方ないのかと。

      ただ客席に投げ入れるレベルのパスミスも多くて、変なミスが増えています。ポポビッチもやり過ぎなくらいのクレームをしてテクニカルもあります。

      内容そのもの以上に、メンタルやコンディションが悪いように感じます。かなり苦しいと思います。レナードだけで解決する気はしないのですが、どうなるのか。

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