ラプターズのセカンドユニットはリーグ最強!

イースト首位のラプターズ。その強さの理由は何なのか?

デローザンのスコアリング?
ラウリーのアシスト?
イバカのブロック?
バランチューナスのリバウンド?

全て違います。

それはリーグ最強のセカンドユニット!




◉リーグ最強!?

 

ゲームレポートでリーグ最強のセカンドユニットと書いてもツッコミを受けないくらい認知されています。とはいえ、管理人のように全てのチームを網羅的に観ているか、ラプターズファンか、イジメられた記憶のあるチームのファンしか知らないと思います。

そんな方もメンバーをみれば納得です。

 

◯ラプターズのセカンドユニット
フレッド・ヴァンフリート 24歳
デロン・ライト 25歳
CJマイルズ 30歳
パスカル・シアカム 23歳
ジェイコブ・ポエルト 22歳

 

誰だよ!?

マイルズ以外は実績も何もないメンバー達。しかし、これが圧倒的なリーグ最強なんです。

 



強さを示すのにレーティングは便利です。今季のレーティング差順に並べるとこんな感じです。見事にトップ4チームが並びます。

◯レーティング差
ウォーリアーズ 10.6
ロケッツ 9.0
ラプターズ 8.3
セルティックス 4.3

リーグでレーティング差が『4』を超えるのは僅かに4チームのみ。『4』を越えれば強豪チームであり、『8』を越えれば立派な優勝候補です。

今季のラプターズはイースト首位に相応しい数字を示しています。まぁレーティング差の割に勝てないのがラプターズの伝統ではあるのですが。逆に勝つのがブラッド・スティーブンス。

 

今季のラプターズのスターターは素晴らしい数字を残します。

◯ラプターズのスターター
ラウリー、デローザン、アヌノビー、イバカ、バランチューナス

オフェンス 112.8
ディフェンス 100.7
レーティング差 12.1

 

それはそれは立派な数字です。しかし、それを遥かに上回るのがラプターズのセカンドユニットです。

 

◯セカンドユニット
ヴァンフリート、ライト、マイルズ、シアカム、ポエルト

オフェンス 121.0
ディフェンス 94.7
レーティング差 26.3

なんとこれが恐ろしい数字を叩き出します。攻守にリーグトップを上回る数字です。

 

どれくらい恐ろしいのか、有名なユニットと比較します。



リーグトップの3チームのメインユニットの数字をみてみます。

◯ロケッツ
クリス・ポール、ハーデン、アリーザ、アンダーソン、カペラ

オフェンス 119.4
ディフェンス 111.7
レーティング差 7.7

意外とディフェンスが悪いですが、クリス・ポールがゴードンだと+21.5になります。リーグ最強のロケッツでも+20というのは簡単ではありません。

 

◯ウォーリアーズ
カリー、トンプソン、デュラント、イグダラ、グリーン

オフェンス 126.0
ディフェンス 115.4
レーティング差 10.7

 

こちらも今季はディフェンスが不調です。しかし、昨季は驚異の23.9でした。今季もオフェンスは絶好調で125を超える恐ろしさ。攻守に高い数字を出すのはウォーリアーズでも簡単ではありません。

 

◯セルティックス
アーヴィング、ブラウン、テイタム、ホーフォード、ベインズ

オフェンス 111.9
ディフェンス 96.0
レーティング差 16.0

こちらはディフェンスで最高の数字を出しています。チームのレーティングは低いのですが、スターターは今季のロケッツとウォーリアーズを上回っています。

 

リーグトップのチームと比較するとラプターズのセカンドユニットの異常性がより浮かび上がります。オフェンス、ディフェンス共にリーグトップクラスの数字です。

 

誰もが知らないような若手メンバーを揃えながら、リーグ最高の数字を誇る驚異のセカンドユニット。それを紐解くのが今回のテーマです。



 

◉昨季の反省

 

このユニットに触れる前に昨季のラプターズを振り返る必要があります。昨季のセカンドユニットはこんな選手が中心でした。

コーリー・ジョセフ
ノーマン・パウエル
テレンス・ロス → PJタッカー
パトリック・パターソン
ルーカス・ノゲイラ

スターターにはキャロルもいてベテランを揃えたチームでした。そんな中で輝きを放ったのはパウエル。プレーオフではスターターになり活躍しました。
チームとしての限界を迎えていたラプターズはパウエルの成功を得た事で思い切った方針転換に出ます。

 

ラウリー&デローザンのドライブとそこに見合うベテランのロールプレーヤーという構成を辞め、パッシングチームとして3Pを活用し、複数の特徴を持つ若手という構成への変化です。

要は若手の成長に賭けたといえます。

 

そんな賭けは若手をシーズン通じて伸ばしてプレーオフ勝負なのだと考えていたら、早くに結果に結びつき、イースト首位に立っています。しかも成功したパウエルと大きな契約をしたのも束の間、パウエルはルーキーのアヌノビーにポジションを奪われ、セカンドユニットからも弾かれ、今ではサードユニットになっています。

成長株だったパウエルを追い抜いた無名の若手達。それがリーグ最強のセカンドユニットです。

 

しかし、実はジョセフとトレードで加入したマイルズを除き、4人は昨季の時点でラプターズのベンチに座っていました。単なる賭けではなく、勝算のある賭けであり、育成力がもたらした成功です。

一体どんなマジックを使ったのか?
素晴らしいセカンドユニットはラプターズというチーム全体の勝利です。



◉数字から追いかける特徴

 

このユニットの数字を確認しますが、理解しやすくするため48分換算にします。

◯オフェンスデータ
得点 117.8
FG50.7%
3P43.9%
アシスト 29.9
ターンオーバー 11.6

得点は多く高いFGと非常に多いアシスト数です。これはほぼウォーリアーズと同じような数字です。ウォーリアーズを上回るのは3Pの確率。それはユニット全体でカリーを上回ります。

またターンオーバーが少なくリーグ最高の数字です。そのためアシスト/ターンオーバー率は2.6となり圧倒的な効率性です。



3Pアテンプトは36本になり、ロケッツに次ぐ2番目の多さです。アテンプトが多いのにカリー並に決まるとか悪夢です。

つまりアシスト数の多さは3Pが効率的に決まる事に関係しており、狭い空間にパスを通すのではなく、広いスペースを利用する事でミスが少なくアシストが多いオフェンスになっています。

 

◯オフェンスデータ
オフェンスリバウンド 8.6
セカンドチャンスでの得点 16.2
速攻での得点 19.7

一方でオフェンスリバウンドは少ない部類に入るのですが、セカンドチャンスの得点は非常に多くなります。ゴール下で確実に押し込む部分とリバウンドからキックアウトして3Pで稼いでしまう強さがあります。

 

・3Pの高確率
・堅実なパッシングがもたらすアシスト
・得点に直結するリバウンド

そんな特徴のオフェンスです。

次にディフェンスデータをみてみます。



◯ディフェンスデータ
失点 91.9
被FG40.2%
被3P33.9%
スティール 9.3
ブロック 8.6
ディフェンスリバウンド 31.0

 

失点は少ないですがリバウンドは強くなくて、オフェンスリバウンドを割と取られています。
被FG%はリーグ最高の数字でありシュートを外させています。それでいてスティールもリーグ最高なので、平面でプレッシャーをかけて簡単にはシュートを打たせません。それでいてブロック数も最高です。

要はリバウンド以外はリーグ最高峰の数字です。

 

激しくプレッシャーをかけてスティールし、シュートを打たせる前にブロックし、打てても苦しいシュートで外させるわけです。単なる悪夢です。

 

・平面で追いかけスティールを生み出す
・シュートブロックでのリムプロテクト
・ディフェンスリバウンドは弱い

セルティックス戦のディフェンスです。同じ素材ですがセカンドユニットだけ切り取っているので両方観てください。

 

3Pを中心としたオフェンスのセカンドユニットですが、それ以上に攻撃的なディフェンスから速攻に持っていく事が高いオフェンス力を支えています。

セカンドユニットの真骨頂はディフェンスにこそあります。



◉個人の数字で追いかける

ユニットでの強さを個人の数字でも追いかけてみます。今度は一般的なスターターと比較するためプレータイム36分換算にしてみます。

 

◯得点
ヴァンフリート 15.3
ライト 14.0
マイルズ 20.1
シアカム 12.5
ポエルト 13.6

20点にのるのがマイルズだけで、バランス良く得点していきます。ユニットとしての高い得点力を持ちますが、ラウリー&デローザンを混ぜる時間に得点が少なくなっています。

それは当然ではありますが、一方でこのメンバーにはスコアリングに特化した選手が少ない一面があります。シューターのマイルズは得点が仕事ですが、他の選手は様々な役割を果たしています。そんな選手の組み合わせがあってユニットとして輝きます。

 

判断力でバランスの良いヴァンフリート

 

高い能力で爆発するライト

ガード2人が中心ではありますが、そこから中外の合わせを使えます。パッシングチームになっている今季のラプターズにフィットしています。

 

 

◯3P
ヴァンフリート 2.4/5.8 40.8%
ライト 1.3/3.7 35.8%
マイルズ 4.9/12.5 39.1%
シアカム 0.6/3.2 18.3%
ポエルト -

クリックシューターのマイルズはハーデンよりも打ちます。20点の内、15点が3Pの計算です。スペイツと並んでリーグで最もハイペースで3Pを打っています。それが40%近く決まるのはかなり怖いです。

シアカムは酷いですが他は悪くありません。しかし、セカンドユニットのみでの高確率に比べるとかなり落ちます。それは相手ディフェンスとの関係性が大きいですが、バランスの良いユニットなので有効なアシストが多い事も関係しています。

 

◯アシスト
ヴァンフリート 5.7
ライト 4.8
マイルズ 1.4
シアカム 3.3
ポエルト 1.2

ここでも特定の選手に偏らず満遍なくアシストしています。シューターのマイルズとインサイドのポエルトはフィニッシュ中心になり、他の3人でバランス良くプレーメイクします。

 

シアカムはPFとしては優秀なアシスト数です。それをポエルトとのコンビで使えるのも大きいです。

 

◯オフェンスリバウンド
ヴァンフリート 0.6
ライト 1.2
マイルズ 0.5
シアカム 1.9
ポエルト 3.9

ポエルトの3.9はハワード並の水準です。シアカムは及第点でライトは多い部類です。トランジションの中でリバウンドへの飛び込みをしっかりしています。

0.5しかないマイルズですが、セカンドチャンスポイントが2.1もあります。これはポエルトやシアカムが拾ってマイルズの3Pパターンが多いためです。

オフェンスリバウンドからシュートまでのスムーズさ。プレーとプレーの間が早いというのは見え難いけど素晴らしい特徴です。



次にディフェンススタッツです。ディフェンスの強さこそが特徴ですが、それは個人の数字では分かり難いのですが。

◯スティール
ヴァンフリート 1.7
ライト 1.8
マイルズ 1.2
シアカム 1.5
ポエルト 0.8

ガード2人が優秀な数字ですが、PFのシアカムが1.5というのも驚異的です。全員が総じて多く、非常によく足を動かしてボールを奪うユニットです。個人ではなくユニット全体のディフェンスが優れています。

 

◯ブロック
ヴァンフリート 0.4
ライト 0.9
マイルズ 0.7
シアカム 1.0
ポエルト 2.6

リムプロテクトはポエルトの役割です。個人でリーグ有数のブロッカーです。ライトがガードで0.9も目立ちます。最後の砦としてはポエルト中心ながらもそれぞれがしっかりとチェック出来ています。

 

◯ディフェンスリバウンド
ヴァンフリート 4.1
ライト 3.8
マイルズ 3.3
シアカム 6.1
ポエルト 5.3

ここではポエルトは少なくシアカムが多くとります。とはいえ個人で強い選手はおらず全員で奪う姿勢が見てとれます。現代バスケではインサイドプレーヤーがアウトサイドまで守るので、しっかり守るチームほどセンターのリバウンドが少なくなる傾向はあります。

そしてヴァンフリートは182cm登録ながら素晴らしいリバウンド数です。「高さが」星人はヴァンフリートなんて注目しないのでしょうね。



最強セカンドユニットですが、試合終盤に向かいスターターが増える中で、試合に合わせて最後までプレーする選手が選ばれます。ラウリー、デローザン、イバカはほぼ固定で残りの2人が流動的になります。

基本的には相手との関係性次第ですが、多くの場合に選ばれるのがヴァンフリートです。

 

◉フレッド・ヴァンフリート

今やラプターズのクラッチタイムにゲームメイクするのがヴァンフリートというのは珍しくない光景です。そこにあるのはラウリー&デローザンをウイングからのフィニッシュ役に固定しアイソレーションに頼らないと共に、ディフェンスの弱い部分をついていける体制の構築です。

どうしても終盤勝負に弱いと言われてしまう両エースですが、ヴァンフリートがゲームメイクしてオフボールからオフェンスを始める事で少しでも優位に立とうとしています。

また小柄ながらディフェンスが素晴らしく、ラウリーと並んでテイクチャージをとる能力に優れています。コーリー・ジョセフも上手かったのでラプターズの伝統的なスタイルです。ジョセフをトレードした時には勿体無いと書きましたが、まさか代役がいたなんて。

終盤勝負でクレバーにプレー出来るだけでなく、攻守に決定的な働きをするため重宝されています。



◉最強セカンドユニットの重要性

 

今季のラプターズは、というか毎年のラプターズは接戦に弱いと言われています。それは更に顕著な形で出てきています。

 

◯残り3分5点以内のリード
12勝0敗

◯残り3分5点以内のビハインド
3勝13敗

トータルすると悪くないのですが、とにかく1点でも良いからリードしていないと苦しくなります。ライバルのセルティックスはビハインドでも9勝13敗と逆転勝利を挙げています。ラプターズがもう少し逆転勝利していれば首位独走状態でした。

 

そこで4Q初めに出ているセカンドユニットは重要になります。

◯セカンドユニットの4Q得失点差 +3.9

なんとこのユニットは5分あまりで4点のリードをもたらしてくれます。調子が良いと長く起用されるからの数字ではありますが、これこそがラプターズの勝ちパターンであり首位にいる秘訣になります。



セカンドユニットがリードを奪い、逃げ切って勝つ

プレーオフに向けて「どうせラプターズは終盤に弱いし」という意見はよく出てきます。確かに終盤の弱さは目立ちますが、一方でリードしていれば逃げ切ってしまうのも事実です。

ラプターズは終盤に弱い?

じゃあ聞くけどラプターズのセカンドユニットを止められるのかい?

 

リーグ最強のセカンドユニットはラプターズに大きなアドバンテージをもたらします。今年こそ悲願のファイナル進出を目指す中で首位にいるラプターズ。

そんなセカンドユニットをケーシーHCはどこまで信じられるのか、どれだけ上手く活用できるのか。プレーオフの戦いぶりに注目です。

 



リーグ最強と書きましたが、おそらく本当に最強なのはロケッツです。しかし明確なセカンドユニットの定義がありません。それはハーデンとクリス・ポールに代表されるようにスターターとベンチメンバーを混ぜて使うからです。

バックスやサンズなんかはエースだけをベンチメンバーに混ぜるし、ヒートやスパーズはそもそもスターターがベストメンバーとは限りません。

これらは見方を変えれば試合を通じてチーム力を平均化する意味があります。主力のプレータイムが30分以下のチームもあり、総合力で戦うのも1つの流れです。

代表格はイーストで旋風を巻き起こしているペイサーズ。10人ローテという新たな仕組みは数々の逆転劇をみせています。

試合の終盤力で勝利を奪う時代は終わりました。それはスーパースターが全てではない時代です。ラプターズにはラウリー&デローザンがいますが、明確な違いをもたらし、リードをもたらすのはセカンドユニットです。

これらのチームがプレーオフで本当に優位性を得られるのか。要注目です。

 

ラプターズのセカンドユニットはリーグ最強!” への4件のフィードバック

  1. 少し前にいろいろデータを調べていた時にヴァンフリートがネットレーティングでリーグ3位だったのに驚いたのを思い出しました(さすがに今は変動しているでしょうが)。
    昨シーズンはラウリー、デローザンなんて40分出場もざらにあったのに、今シーズンは20分代の出場も珍しくないというのはものすごい変化ですよね。
    コアメンバーを全く変えていないのにチームスタイル大きく変えてこれだけの結果を残したというのはもっと評価をされてもいいと思いますが、やはりプレーオフ次第ですよねぇ…

    1. ケーシーHCはコーチオブザイヤー候補じゃないですか。イースト首位ですし素晴らしい実績です。

      このメンバーの凄さを知ってもらわないと!
      リーグ最強のメンバーなので数年後にどう変わっていくのかも注目したいです。

  2. 問題はやはりプレイオフですよね。
    タイトなディフェンスの中でレギュラーシーズンと同じ事が出来るか見ものですね。

    1. 特にHCがね。負けている時に勇気を持ってセカンドユニットに託す事ができるのかどうか。

      初戦で成功出来るかどうかが肝になりそうです。

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