アジアカップ前の親善試合として行われた日本生命カップ2025の雑感を書いていきましょう。「若手中心」という日本ですが、テーブス・ルカや川島が一番若く、ジェイコブス世代までが揃っているので確かに若返っています。ただし、ホーキンソンは継続で、吉井、テーブス兄、西田なんかがスターターに並んでおり、幅広い世代になっているのが正しいです。
これに対してオランダは一番年上となる2001年~2002年生まれが大半を占めており、一番若いと2004年生まれになっています。最年少は日本の方が若いけど、チーム全体としてはオランダの方がグッと若者たちを揃えてきました。
3年前にオーストラリアとの試合で、向こうが主力を揃えられないので国内組+10代の若者を連れてきましたが、その時に試合に出ていた2人がドラフト指名されたんだよなー。あそこまで極端ではないけど、オランダも明確に次の世代用のチーム構成でした。
そんなわけで、さすがに主力を出しているからには負けないと思ったら、割と酷い負け方をしました。「酷い」とは何なのかって話になってくるのですが、アジアカップが本番だと考えると1か月前にピークが来ても仕方がないので、選手個人のパフォーマンスについて言及するのは意味がないと思っており、それよりもチームとして何をするのかが微妙過ぎたことが厳しかったです。
◎オフェンス
前半の日本は通常通りの3Pオフェンスでした。特にジェイコブスがオフボールムーブしてコーナーから3Pを打ったシーンは個人としてもチームとしても戦術理解を感じられました。強気に打ち切る姿勢をハッキリと出していたし、オランダはコーナーへのクローズアウトに課題がありました。
しかし、後半になるとオランダがアジャストしてきます。ハンドラーへのプレッシャーにより展開をさせないだけでなく、ダブルチームで囲んだ後に次の選手がカバーにきてパスカットに飛び出してきました。完全に引き気味になった日本はダイナミックな展開を作れるはずもなく、3Pを打たせてもらえなくなると簡単に沈黙しました。
そもそも前半は3P20本打って21点を奪いましたが、2Pはアテンプトが11本のみ。オランダが当然のように3Pを潰しに行くと日本のオフェンスはバラバラになっていきました。この点は後述しましょう。
前半の日本は2Pで14点を取りましたが、開始直後にジェイコブスがカッティングを決めたのと、テーブス弟がドライブから見事なレイアップを決めた以外は、速攻がメインでした。つまり3Pを決めていたけど、ペイント内は全く崩せていません。
ハーフコートを組み立てられない問題は今に始まったことではありませんが、今日はいつにもまして酷かったし、ハーフタイムで何も修正できませんでした。
そんな中でオフェンスリバウンドで救ってくれたのが川島。前半だけで4つ奪い、日本の苦しいオフェンスをサポートしたわけです。
アンダー世代では圧倒的な存在感を示し、アジアのトップ選手として認識されていた川島ですが、200センチのサイズではセンターを続けるわけにはいかず、ハイポストでボールを持ってのプレーが消えてしまうと、持ち味を出せなくなりそうだし、かといってプレーメイカーをやらせるほどのハンドリングスキルもないので、ポジション迷子になることが懸念していました。
しかし、この試合では違和感なくウイングポジションに収まると、チームオフェンスが上手くいかないのでパスは回ってこず。でも、マークマンの死角に上手く入り込んでのオフェンスリバウンドを奪っており、ウイングとしてのポジショニングの良さが目立っていました。従来の川島の良さとは違うので、NCAAで頑張っているんだなーと実感させられる内容でした。
テーブス弟、川島、ジェイコブスと海を渡った選手が中核を担っていく日本のオフェンスになっていたわけです。
日本の女子スポーツ(サッカーとバスケ)は「異常なほどの連動性がある」のに対し、男子スポーツはなぜこんなにも気が利かないのか疑問でなりません。
日本の男子スポーツって文化レベルで問題を抱えてる気がします。
女子スポーツはプレッシャーが緩いので「準備してきた」プレーをしやすいんですよね。
瞬間の判断の積み重ねに弱いのは、そういう訓練をしてこなかったことも関係していると思います。
判断力で楽なプレーを決めれる選手よりも、スピードや高さで勝てる選手の方が重要。という基準があると難しそうですね
世界のカワマタの評価無しで草