続いてペイントや速攻を見ていきますが、さきにサンズのトータルの数字を載せておきます。そもそもサンズの問題点はここにあり、別にリチャーズとか関係ありませんでした。いいかえれば、その弱点を埋めてくれる選手を求めていたはずです。なお、こちらも選手の比較をしやすいように100ポゼッションでの数字です。
〇ペイント内得点/失点
42.6/48.9
△6.3
〇2ndチャンス得点/失点
12.5/14.1
△1.6
〇速攻得点/失点
12.8/17.3
△4.5
〇TOからの得点/失点
15.8/18.1
△2.3
前述したようにリチャーズのオンコート時は相手のターンオーバーが激減しており、それが後者2つに大きく響いています。まずはここから100ポゼッション時のオンコートスタッツを比べてみましょう。
〇オンコート時のチーム速攻得点/失点
リチャーズ 9.0/19.3
△10.3
プラムリー 14.3/17.2
△2.9
ヌルキッチ 13.9/17.8
△3.9
とんでもない差が開いてしまったわけですが、失点が多いことはリチャーズの影響はそこまで大きくないし、オフェンスリバウンドを多くとっているのだから、チームメイトが助けろって感じです。
ただ、それよりも問題なのはリチャーズの時間帯は「速攻が出ない」ということです。逆にプラムリーはチームトップ、ヌルキッチが2位となっており、スモールラインナップよりもセンターがいた方が速攻は出ていました。それがリチャーズだとチーム最低の数字になってしまいます。
〇オンコート時のTOからのチーム得点/失点
リチャーズ 9.2/19.2
△10.0
プラムリー 17.6/18.1
△0.5
ヌルキッチ 14.4/18.0
△5.6
その理由はほぼ「ターンオーバーを引き出せるか」になっています。サンダーの得点パターンはスティール速攻でしたが、そこまでいかなくてもディフェンスプレッシャーの差は大きく響くってことです。100ポゼッションあたりとはいえプラムリーとリチャーズで10点近くの差がでるのだから、そう簡単には取り返せないディフェンス力の差になります。
ただし、ヌルキッチについてはTOからの得点は少なめなので、堅実なディフェンスリバウンドからの速攻を加えてくれます。そのためオフェンスリバウンドはリチャーズが上でも、その他で得点を生み出しているのがヌルキッチということになります。
この時点でサンズが残すべきはプラムリーにみえてくるんだよね・・・
〇2ndチャンスのチーム得点/失点
リチャーズ 15.9/15.7
+0.2
プラムリー 12.3/13.3
△1.0
ヌルキッチ 9.8/11.4
△1.6
もちろん2ndチャンスについてはリチャーズが上回りますが、その差はTOからの得失点ほどの差ではありません。ヌルキッチと比較すると得点では5.1点もリチャーズが上回りますが、失点では4.3点もヌルキッチが上回るので、攻守で見れば大差がないわけでした。
試合を見ている印象では、自らオフェンスリバウンドを取って得点するのでリチャーズの方が明らかに活躍しているようにみえるでしょうが、それは選手の特徴の差ってことにすぎません。リチャーズはリチャーズなのだからこれでいいし、弱点を周りがカバーしなければいけないわけです。ただ、サンズはブッカー、KD、ビールを並べるんだからセンターの役割はどっちだ、って話です。
〇オンコート時のペイント内チーム得点/失点
リチャーズ 44.1/53.3
△9.2
プラムリー 41.0/47.4
△6.4
ヌルキッチ 40.6/46.9
△6.3
そして速攻の差もあるので、ペイント内得失点でもリチャーズが最も苦しくなります。ただ、得点面では明らかにリチャーズに分があり、自分の仕事はしっかりとこなしています。
そしてディフェンスが酷すぎるという結果です。リバウンドもブロックも期待した通りの数字を残しているのだからリチャーズの責任にするのは厳しいけれど、言い換えればカバーリングやスペースの消し方、コンビプレーを止める戦術力など、プラムリーやヌルキッチの能力を過小評価してしまっていたサンズということです。
繰り返しの繰り返しですが、リチャーズが個人でどうにかできた話ではないし、シーズン後半のサンズはヤル気が足りな過ぎたからリチャーズを責めるのは違うぜ。でもね、これを教訓にしているのか、って話です。
集めたセンターたちでどうこう、というよりは
将来的にセンター不足チーム相手の錬金術をもくろんでいる、
というのは邪推すぎますでしょうか?笑
それにしては指名権使い過ぎましたよね。
試合に出さない選手は売れないですから、こんなに抱えてもねぇ